たとえそれが間違いだとしても

Fuu

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終わりの始まり

少し慣れた新しい生活

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 こっちの世界に来てかれこれ一週間経ち、少しはこの世界にも慣れてきたかな?って思えるようになった。未だ俺が魔王だとはバレていない。まぁ、いつバレるか分からないから、気が気でないんだけど。そして今の俺はと言うと......。

「ふっ!」

 深く踏み込み刃を潰した剣を振るっていた。勿論一人で振ってる訳じゃない。簡単な対人特訓だ。

「あぶね!?お前本当に強いよな!?本当はこっちの世界に来る前から、剣道とかそんなの習ってたんだろ!?」

 あぶね、と言うだけに結構スレスレで避ける光樹。コイツは剣闘士らしいく、クラスの中の戦闘できる奴の中でも出来る方だ。

「そんなの習ってねぇーよ!」

 この世界に来てから、俺たちはこの世界の事を学んだ。この世界は元の世界より自由性が高いだけあって力を持つものが優位な世界と言うことも知った。
 まぁ、それは戦闘の強さとう訳でなく、人より秀でた人達が優位なわけだ。だから戦闘が不得意なクラスメイトも自分に出来る事を必死に取り組んでいる。俺も出来たらそっちに行きたかったけど、魔法剣士が戦闘訓練休んでた方がなんか怪しくない?ちなみに本当に元の世界で剣道とかの経験はない。家にあった木刀を思い思いに振ってたぐらいだな。
 だけど何故か、クラスメイトより頭一つ抜けて俺は結構強いみたいだ。予想だけど、これは魔王ってのと剣術が主な理由だと思う。そんな感じで、クラスの中で俺と互角に打ち合えるのは、勇者である空深ぐらいかな。
 もちろん他のクラスメイトと同じぐらいになるように力加減してるからバレてないと思うけど。

 訓練が終わると、俺は自分の部屋にすぐに向かう。基本的に、いつも俺は部屋の中に閉じこもってる。何が切っ掛けで魔王だとバレるか分からないし、バレるのが怖い。時々、誰かに打ち明けたい、という衝動に駆られるがそれを抑えつける日々。
 多分、いつもなら空深に打ち明けていると思うけど、今の空深には勇者の肩書きがある。…...はぁ、今の俺は自分の彼女すら信じることが出来ないとは。ほんと情けない。けれどその思考は、ドアをノックする音で一旦打ち切られる。
 ドアノブを触れる前に気がついたけど、服着替えてなかったわ。まぁ、顔だけ覗かせればいいだろう。

「あ、やっぱり部屋の中に居た」

 ドアの前には先程まで考えていた空深が一人で居た。けど服装がいつもと違っていた。いつも外を出歩くときは、勇者の威厳がどうとか言われて華やかな感じの服を着ているが、今は普通にオシャレをしている。何というか、久々に見た気がする。

「外に居ても特にすることないしな。んで、どうしたんだ?そんな格好して」

「そんなのデートに決まってるでしょ?最近出来てなかったけど、今日はもう予定空いてるしーーあ、予定空いてるよね?」

「まぁ、うん。空いてる」

「それじゃあすぐ行こう!」

「あー、ちょっと待ってくれ。なら俺も着替えて行きたいから」

「うん。それじゃあここで待ってるね」

「悪いな」

  一言詫びを入れてドアを閉める。と同時に俺は急いで支度を始めた。まず水で濡らしたタオルで体を拭いて、国の方から支給してもらった服に着替える。それからこれも国から支給されたマジックポーチをもって部屋から出る。

「お待たせ」

「早かったね~、じゃあ行こっか」

 空深がそういうのがそう言うと同時に俺は空深の手をとり、久しぶりのデートに出かけた。

 それが空深との最後のデートになるとも知らずに......。
 
 
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