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終わりの始まり
不思議な夢と日常の終わり
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サクッ、サクッと膝丈ほどある草を踏み折りながら1人の男が一つの丘を歩いていた。何故かその男の後ろ姿しか見ることが出来ないが、体の周りから全てを飲み込むような漆黒のオーラのようなものが溢れ出ていたのは、はっきりと理解できた。
「やっと、ここまで辿り着いたぞ」
丘を登りきった男の第一声は悲しみやとても強い怒りを孕んだものだった。
男の視線の先には高い壁に周りを囲まれた都市があった。男の居る位置はその都市からかなり離れているため全体を見ることがギリギリ出来る。それほど巨大な都市だった。
「ーーー」
男が何かを叫ぶが何故か聞き取れなくなった。そして段々景色が遠のいていく......。その時、男が振り返り今まで見えなかった顔が露わになる。その顔はとても見慣れたーーー。
ピピピピピピピ!
そんな目覚まし時計の音で俺は夢の世界から目を覚ました。窓の方を見ると外の明かりが部屋の中に差し込む。寝起きの目には結構キツイものがあるな。にしても妙な夢だったな......。夢とは思えかいほどリアルだったけど、あんな景色一度も見たことないしな......。まぁ、深く考えるのはやめよう。どうせ夢なんだ。そう結論付けて目を擦りながらベッドから起き上がると同時にドアが開き制服を着た女子が入ってくる。
「ちぇ、目覚ましで起きちゃったか。私の夢第5位の朝起きない彼氏をキスで起こすってのがまた叶わなかったじゃん」
「そんな夢初めて聞いたぞ?それに家が隣だかってなんで普通に入ってこれるんだ?」
目の前にいる女子ーー桜田空深(あみ)に半ば呆れた感じで聞く。空深とは家が隣同士の幼馴染でもあるが俺の彼女でもある。高校に入ってから毎朝のようにこのやり取りをしている。
「え?毎回の如く義御母《おかあ》さんに言ったらすんなりと」
なんだか呆れすぎてため息しかでないよ。
「......はぁ、着替えるから部屋から出て欲しいんだけど?」
「はーい。それじゃあ先に下で朝食もらちゃうね!」
そう言って空深は部屋から出て行った。さて、早く着替えるとするか。
ーーーずっと、こんな日常が続くと思っていた。ずっとこんな日常が続くはずだった。
いつものように空深と一緒に朝食を食べて学校に登校する。俺と空深のクラスである2-Cに入ると教室内が騒がしくなる。
「亮に空深ちゃんおはよー。毎朝お熱いね~」
「もう、当たり前でしょ!」
出入り口に一番近い席に座っている友達の荒井 光樹《みつき》の背中をいい音を立てて叩く空深。コイツはよくこんな事を言ってきて俺としては少し面倒だが、友人として悪くない奴だとおもう。そんな事を考えてるとクラスの女子が空深の方にやって来て話始める。
空深はクラスの中心にいるも居る。幼馴染で彼氏の俺にはほんともったい存在で、とても眩しい存在なのだ。
ーーだけどそんな当たり前のような日常は......。
それから少ししてチャイムがなり俺は自分の席に座る。程なくして担任の小泉先生が入ってきた。この先生は今年が初勤務でクラス担任に当てられたらしいが、生徒思いで俺は普通にいい先生だと思ってる。
そして朝のSHRが始まりいつもと同じように進んでいく。そんな中、俺は謎の頭の痛みを覚えていた。その痛みはSHRが進む程に強くなっていった。
「今日はこのプリッーー!?」
そんなさなか突然小泉先生が頭を抱えるようにうずくまった。俺も頭がガンガンして冷や汗が止まらなかったが、何とか気力を振り絞りクラスを見渡すとクラスメイト皆が頭を抱え苦しそうに呻いていた。
(あ、空深!)
そう言いたかったが口を開く前に痛みに耐えかねて俺の意識は深い闇に沈んでいった。
ーーーいとも容易く崩れるモノだとこの時初めて思い知らされた。
「やっと、ここまで辿り着いたぞ」
丘を登りきった男の第一声は悲しみやとても強い怒りを孕んだものだった。
男の視線の先には高い壁に周りを囲まれた都市があった。男の居る位置はその都市からかなり離れているため全体を見ることがギリギリ出来る。それほど巨大な都市だった。
「ーーー」
男が何かを叫ぶが何故か聞き取れなくなった。そして段々景色が遠のいていく......。その時、男が振り返り今まで見えなかった顔が露わになる。その顔はとても見慣れたーーー。
ピピピピピピピ!
そんな目覚まし時計の音で俺は夢の世界から目を覚ました。窓の方を見ると外の明かりが部屋の中に差し込む。寝起きの目には結構キツイものがあるな。にしても妙な夢だったな......。夢とは思えかいほどリアルだったけど、あんな景色一度も見たことないしな......。まぁ、深く考えるのはやめよう。どうせ夢なんだ。そう結論付けて目を擦りながらベッドから起き上がると同時にドアが開き制服を着た女子が入ってくる。
「ちぇ、目覚ましで起きちゃったか。私の夢第5位の朝起きない彼氏をキスで起こすってのがまた叶わなかったじゃん」
「そんな夢初めて聞いたぞ?それに家が隣だかってなんで普通に入ってこれるんだ?」
目の前にいる女子ーー桜田空深(あみ)に半ば呆れた感じで聞く。空深とは家が隣同士の幼馴染でもあるが俺の彼女でもある。高校に入ってから毎朝のようにこのやり取りをしている。
「え?毎回の如く義御母《おかあ》さんに言ったらすんなりと」
なんだか呆れすぎてため息しかでないよ。
「......はぁ、着替えるから部屋から出て欲しいんだけど?」
「はーい。それじゃあ先に下で朝食もらちゃうね!」
そう言って空深は部屋から出て行った。さて、早く着替えるとするか。
ーーーずっと、こんな日常が続くと思っていた。ずっとこんな日常が続くはずだった。
いつものように空深と一緒に朝食を食べて学校に登校する。俺と空深のクラスである2-Cに入ると教室内が騒がしくなる。
「亮に空深ちゃんおはよー。毎朝お熱いね~」
「もう、当たり前でしょ!」
出入り口に一番近い席に座っている友達の荒井 光樹《みつき》の背中をいい音を立てて叩く空深。コイツはよくこんな事を言ってきて俺としては少し面倒だが、友人として悪くない奴だとおもう。そんな事を考えてるとクラスの女子が空深の方にやって来て話始める。
空深はクラスの中心にいるも居る。幼馴染で彼氏の俺にはほんともったい存在で、とても眩しい存在なのだ。
ーーだけどそんな当たり前のような日常は......。
それから少ししてチャイムがなり俺は自分の席に座る。程なくして担任の小泉先生が入ってきた。この先生は今年が初勤務でクラス担任に当てられたらしいが、生徒思いで俺は普通にいい先生だと思ってる。
そして朝のSHRが始まりいつもと同じように進んでいく。そんな中、俺は謎の頭の痛みを覚えていた。その痛みはSHRが進む程に強くなっていった。
「今日はこのプリッーー!?」
そんなさなか突然小泉先生が頭を抱えるようにうずくまった。俺も頭がガンガンして冷や汗が止まらなかったが、何とか気力を振り絞りクラスを見渡すとクラスメイト皆が頭を抱え苦しそうに呻いていた。
(あ、空深!)
そう言いたかったが口を開く前に痛みに耐えかねて俺の意識は深い闇に沈んでいった。
ーーーいとも容易く崩れるモノだとこの時初めて思い知らされた。
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