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21話
しおりを挟む無事にヴィルヘルムを競り落とせたニヴェンたちは、奴隷商の店員の一人に案内されて応接室の一つに通された。そこにはすでにまた別の店員がいて、その人が対応してくれるようである。
通された応接室も貴族の方達との商談に使用するのではないかというような豪華に整った部屋である。加えて対応してくれる店員もおそらく上から数えた方が早そうな出来る大人の雰囲気のある人であった。
さっきのオークションで派手に貴族の人と張り合っていたから悪目立ちしたのもあるだろう。それよりも今回のオークションで一番の商品をかなりの金額で購入したから奴隷商の方も対応を改めているらしい。
変わり身の早さに辟易するが、まぁ現在に至っては害はないのだから、享受できるものは貰っておこう。
商品の購入の際の契約の説明を受け、書類に目を通す。予め用意されていたものではあろうが、それでも今回のヴィルヘルムを受け取るためだけに製作されたであろうと分かる契約書もあった。
曰く、この契約後に奴隷賞は何も関係も責任も持たないよ、何か問題が起ころうとも知らぬ存ぜぬで通すから、といったような、責任を全部こちらに押し付けてくるような内容のものだった。
さらにはその契約書には王家代理の承認印まであり、徹底している。この承認印を誰が押したか分かれば犯人に近付けるヒントとなるのに、正体を匂わせてても尻尾は掴ませてくれない。
確かに王家とも関わりがあり、現王子殿下の級友ともあろう人物を人身売買にかけたんだ。奴隷商にとっても大博打であっただろう。ハイリスク・ハイリターンだとしても、巻き込まれる可能性は少しでも取り除き、僅かでも逃げ道を用意しておきたい気持ちがヒシヒシと伝わってくるものだった。
それでも書類に不備はないし、おかしなところもなく正式な書類だ。早く契約を済ませてヴィルヘルムを助けて救い出したいと思っていたから、さっさと必要なところにサインをしていく。
対応してくれている店員も要領がよく、さくさくと契約が進んでいく。ある程度説明を受けて、あとは商品の受け渡しというところまで行く。
待っていた時は向こうからやって来た。
ニヴェンたちのいる応接室の扉から申し訳程度のノックが聞こえてきたかと思うと、すぐに扉が開き蛇公爵が入室してきた。
蛇公爵はさも当然と言わんばかりに堂々と部屋に入ってきて、部屋の面々を見渡すと満足気に頷いて口を開いた。
「ごきげんよう、商談中に申し訳ないね。是非とも君達と話がしたいと思って失礼したよ。
君がかの有名なロバートの所の秘蔵っ子かね。そちらが右腕と名高いクリスだね。お目にかかれて嬉しいよ。」
にこやかに会えて嬉しいなんて言っているが、目は笑ってないし、ちっとも嬉しそうな態度ではない。商談の最中と知っていて乱入してきても悪びれもせず、高慢な態度が苛だたしい。思わず眉間にシワが寄り添うになるが、冷静な表情を崩さずに、高位貴族様に無礼のないようにと心がけながら対応を試みる。
ちなみに、ロバートはボスの、クリスはクラウディスの偽名である。
「お初にお目にかかります。私共の事を気にかけていただき見に余る光栄にございます。しかしながら、私共にお言付けくださればこちらから参りましたのものを、無礼をお許しください。」
なんでお前がこちらのことを知って、乱入してきて、何ようなんだって話です。こっちには用事はないぞ、要件サッサッと片付けてと丁寧に伝える。
「構うな、楽にしてくれ。そうかしこまらなくても、普段通りの話し方を許そう。」
貴族のセリフは額面通りに受け取ってはいけない、ということは常識であるが、大げさに諂わなくてもある程度は許してくれるということだろう。
しかし蛇公爵と会えたらいいなぁぐらいに思って来ていたから、実際会って話をするとなったらどうすればいいのやら。緊張して被っていたお猫様が過労で倒れて剥がれ落ちそうっ!
「さて、ニール君とは初めて会うが、いやはや、噂に違わぬ美しさだ。もう体調の方は良さそうだね。無事で何よりだ。」
分かっていたことだが、思わず体が反応しそうになった。やはり蛇公爵はニヴェンが豚子爵にいた時の人形であったことを知っている様子である。しかも薬を使っていたことまで知っているみたいだ。豚子爵に多額の援助をしていたのは、この蛇公爵も一枚噛んでいたのだろう。
「ボスを初めとしたクリスたちの助けもありまして、体調は落ち着きました。私事までお気にかけていただきありがとうございます。」
ロックウェルやクラウディスも、ニヴェンが豚子爵にいた時のことを知っていることを伝える。
「偶然噂を聞いたものだからね。不躾なことを聞いたね。
そろそろ本題に入るのだが、ニール君、ロバートの所を辞めて私の屋敷に来ないかい?仕事はそうだなぁ、私の話し相手やお茶のお供をしてほしい。
もちろん小遣いは要求通りに応じるし、君の嫌がることはしないと約束しよう。君が今回購入した商品ごと買い上げてもいいし、クリスがそのまま持ち帰ってもいい。君がほしいままにすれば良い。」
「公爵様、少しお待ち頂きたい。私は今回ボスの代理として参上しました。こちらのニールは現在ボスのロバートが後見人となっています。こちらに話も通さないで身勝手なことは発言は控えていただきましょうか。」
突然降って湧いた身請けみたいな話に驚きで目を見開いたまま反応が出来なかった。それとは逆に過剰とも言える反応をしたのがクラウディスである。
クラウディスはボスの代わりに来たから、ボスと同じ判断をしても良いといっても、蛇公爵に楯突くような発言をしても大丈夫なのだろうか?
いくら裏社会で多少の顔が効くと言っても、相手は腐っていても公爵家の人間だ。しかも昔から闇と親交がある。最近のし上がった歴史の浅いボスたちでは明らかに分が悪い。
思わずクラウディスの裾を掴み意識をニヴェンに移す。
かといってほかにいい案はないのだが………
「ふふっ、ニール君は余程好かれていると見られるね。ロバートやクリスたちは冷静で冷徹な理性的な所だと思っていたのだが、思わずすぐに即答してしまうぐらい、ニール君に夢中とは。何がそこまで夢中にさせるのかますます気になるね。
どうだい?私のところに来たら楽しい事ばかりだよ。」
正直に言ってこのまま蛇公爵の元へ行けるのであれば、これ以上にない好機だろう。しかし、最初は物珍しさにそばに置いて構ってはくれるだろう。
しかしきっと上辺だけで、すぐに飽きられてしまう。そのまま飼い殺しか、他へ下げ渡したりするのだろう。
物語の蛇公爵はニヴェンのすぐに靡かず、飄々と歯牙にもかけない態度を気に入っていたはず。
ならここでニヴェンがすることは、甘い蜜に誘われて飛び込むような安い男になってはいけないということだ。
ここで蛇公爵を拒絶すれば後が怖い。それこそここを生きて帰れるかは分からなくなってしまう。ニヴェンだけが消されてしまうのなら、自分だけで後悔していればいいが、今はクラウディスがいる。クラウディスを巻き込んで、一緒に殺されてしまったら、死んでも死に切れないだろう。
ニヴェンの中で葛藤が続く。どうすればニヴェンもクラウディスも助かる道を探さなければいけない。
「ふむ、すぐに私も元へと来ると返事を貰えると思っていたのだがね。そんなにロバートのところに未練があるのかい?君が憂いなく私の元へと来れるなら、いくらでも援助するぐらいの度量は持ち合わせているよ。」
なかなか返事をしないニヴェンに焦れたのか、勝手に座ったソファーにゆったりと背を預け細長い足を組んでいたのだが、今では足を下ろして背凭れから背中が離れている。
チラリと蛇公爵を見やるだけで敢えて視線は交わさない。そうだ、高飛車なお猫様を思い出せ。
蛇公爵の余裕が少しずつなくなってきている姿を見て、逆に落ち着いてきた。
今日の日のために、こんな妖しい未知の世界に踏み込んだんだ。力がものをいう世界で、命の重さは軽い。どんな悪の手が伸びてくるか分からない場所で、クラウディスというお守りがあったとしても、どうやって巻き込まれるか分からない。
そんな敵の庭と言えるような危険な場所で、ニヴェン自身とクラウディスに害が及ばないように、降りかかってきた火の粉を払えるように準備してきた。カインに渡したものを同系列のものをこっそりと準備してクラウディスにはそれとなく渡している。
できる準備はしてきた。ニヴェンはともかく、クラウディスに迫る危険が軽減するように予防線は張っている。
大丈夫だ、怖気付くな。クラウディスのことを言い訳に逃げるな。
相手は執着質な蛇だ。追いかけっこだ。出来る限り興味を引いて、ニヴェンに夢中にさせる。
「公爵様、有難い申し出ではございますが自分には分不相応であります。公爵様にはもっとふさわしい方が多くいらっしゃるでしょう。矮小な自分では公爵様のお傍に侍るにはあまりにも貧相で釣り合いません。
公爵様のご温情頂きましただけで身に余る光栄にございます。公爵様の貴重な時間を割いて頂きありがとうございました。これ以上公爵様のお手間をわずらさしてしまうのは本望ではございません。我々はこれにて失礼したします。」
貴族様の申し出を断ることは不敬である、相手の貴族様に恥をかかせてしまうことになる。それを知っているが、怖いもの無しと見せかけて断ってしまった。
恥ついでに、先に席を立ち勝手に話を切り上げて退場することも不敬なんてものではないだろう。
現に同じ空間にいる奴隷商側の人間は顔色が真っ青だ。対して蛇公爵側の人間は怒りでだろう、顔が真っ赤だ。対極的な顔色にため息をつきたくなってしまう。
蛇公爵に止められる前に慇懃無礼とも取れるほど丁寧に礼をしてクラウディスを促し立ち上がる。
そのまま店員を引っ張って蛇公爵たちのいない扉から退室する。多分業務員用の通路だとしても知ったことではない。非常事態だと目をつぶっていてもらおう。
ニヴェンたちの商談の対応をしてくれていた店員をそのまま引っ張ってきたのだが、しばらく歩いても呆然としたまま意識が戻ってこなかった。出来る男に見せかけて肝っ玉は小さかったみたいだ。
ニヴェンたちは店員を促してヴィルヘルムのいるところまで案内してもらっていた。ヴィルヘルムはすでに受け渡しの準備が済んでいて別室で待機していたようである。
ヴィルヘルムはオークションの時と同じような少し透けた服を着ている。魔術師あるあるで体の線はモヤシのように貧相ではないが、やはり線が細い。基礎体力は平均並みだろう。
それがここに捕らえられて、無体な事を強要させられ、覚え込まされて、心身ともに疲れ果て窶れている様子だ。少しふらついてもいる。
ヴィルヘルムの隣にいる店員は逃亡防止というよりも転倒防止のために腕を掴んでいるみたいだ。体を支えている。
こんなに近くでずっと見たかったヴィルヘルムを見られているのに、少し窶れて暗い表情をしているから喜びよりも悲しさの方が大きい。
早く駆け寄って体を支えてあげたいが、店員の目のある手前奴隷を労わるような事をすれば目に付く。蛇公爵とも接触したこともあり、これ以上弱みを見せたくない。
馬車の中に入るまでは辛抱だ。
「少し衰弱しているようですね。一緒に馬車まで運んでくれますか?」
「それは良いのですが、奴隷を一緒の馬車に乗せるのでございますか?よろしければ辻馬車を拾ってきましょうか?」
「いや、これはボスへの献上品です。かなりの額を支払い、また有名な方でしたからね。帰り道何があるかわかりませんから、出来る限り護衛の守備範囲を小さくし内に入れておきたいのです。」
「左様でございますか。これは出過ぎたことを申しました。ご無礼お許しください。」
「いえ、こちらこそお気遣い感謝いたします。」
店員とクラウディスが押し問答している間に、予め持ってきていたローブを手渡す。誰であろうと奴隷を買うことになったら、帰るときに来てもらおうとクラウディスと話していたのだ。
どこにでもありそうな目立たない、いたって普通のローブだ。ボスのように大柄な人物でも着れるように大きめのものを用意している。というか、ぶっちゃけボスの着ていない地味なローブを勝手に拝借してきたのだ。クラウディスと内緒で。
このローブの内側に守護と少しの回復の役割のある紋様を刺繍してきている。ローブで覆われているところは防御機能が上がっているはずだ。刺繍だけではそんなに効果がないが、まぁないよりマシ程度に思ってもらっておこう。
刺繍の話はボスやクラウディスには話していない。ニヴェンの中では愛玩用としての立ち位置を確保しているため、こっそりと目立たないようにしているのだ。
魔力はあれど、生活魔法がほんの少ししか使えない程度にしか伝えていない。事実、ニヴェンは生活魔法を少ししか使えないから、嘘は言っていない。
クラウディスは店員と話をしながらヴィルヘルムを縛っている拘束具の鍵や、さっき話をしていた契約書をもらっている。
こっちはヴィルヘルムを馬車まで連れて行って運び入れてもらい、一緒に入り込む。
店員は当然のようにヴィルヘルムを床に座らせて身を小さくさせて少しでも場所を取らないようにさせている。
扱いの落差に顔が険しくなりそうだが、何とか堪える。もう少しすればクラウディスが戻ってきて、他者からの目が外れたらすぐに保護をすれば良い。それまであとほんの少しだ。
クラウディスが戻って来るまでにかかった時間はそんなに長くはなかったはずだ。それでも早くヴィルヘルムを引っ張りあげたくて待ち遠しく、時間が長く感じた。
クラウディスが戻って扉を閉めるとすぐにヴィルヘルムを椅子まで引っ張り上げて横にさせてあげる。
虚ろな目でどこともなしに目線を飛ばしていたヴィルヘルムは椅子の柔らかなクッションを感じた瞬間にようやく視線が定まったようだ。少し顔を上げて辺りを見回し、ニヴェンとクラウディスの姿を視界に入れる。
まだ瞳に光は戻っていないが周囲に意識を向けれる余裕は出来たようだ。
「はじめまして、ヴィルヘルム・アニストン様。僕はニールと申します。こちらはクリス。僕たちはあなたの味方です。これから僕たちの拠点まで向かいます。そうしたらこの奴隷の印は全て除去いたしますので、もう暫くご辛抱ください。拠点に着いたら起こしますので今はゆっくりと休んでいてください。」
ヴィルヘルムはまだニヴェンたちのことが信用ならないだろう。視線が不安で揺れ動いている。それでも一度倒した体は衰弱しており、ニヴェンたちに虚勢を張ることも、体を起こして距離を取ることも出来ずに震えて身を縮こませることしか出来ない様子だった。
その姿が痛ましく、自然と手が伸びて背中をゆっくりを摩っていた。
体に触れた瞬間、驚いてビクつき、緊張で力が入っていたが、ニヴェンも辛抱強く背中を摩り続ける。摩りながら、もう大丈夫、助かったんですよ、大丈夫ですからね、とゆっくりとした口調を心がけながら何度も伝える。
衰弱して体力の落ちているヴィルヘルムでは長時間緊張しておくことは難しかったようだ。次第に体から力が抜け、また視線がぼんやりとしていく。背中から少しずつ体が温まるようにしていたおかげかウトウトし始める。
正体が分からない、信用できない人達の前で、緊張し寝てはいけないのに、体が言うことを聞かない。
理性と本能の狭間で揺れ動いている様子がすごく伝わってきて、その姿は傷付いた野良猫のように見えた。
ヴィルヘルムの体は休息を欲していて、睡魔に勝てなかったヴィルヘルムは数分ですぅすぅとゆっくりと眠りについていった。
馬車の外では怪しげな雰囲気がする。ヴィルヘルムの警戒心を少しでも取ろうと、なるべく殺気立たないようにしていたが、しっかりと夢の世界に落ちていった今は、外を気にする余裕ができた。
クラウディスと視線を合わせれば、彼も察知しており冷ややかな視線を外に飛ばしている。
外からニヴェンたちのいるこの馬車を大きく囲んでいる不埒どもは、どこの手の者か現時点では判断できない。
出来れば争うことなく早くボスのいる拠点まで帰りヴィルヘルムをゆっくりとさせてあげたいが、向こうがそうさせてくれないようである。
戦闘は苦手であるが、こちらにはガラの悪い野郎どもをまとめ上げれる手腕を持つクラウディスがいる。それに今御者をしてくれている人もボスの仲間だからそれなりに腕は立つはずである。向かうところ敵なし!
仲間を信じ、ニヴェンが出来ることをすれば生きて切り抜けられるはずである。
隣から冷気が感じられて、気になり目を向ければ、絶対零度の冷ややかさでクラウディスが嗤っていた。
あぁ、久し振りにクラウディスがキレている。
これから起こりうる未来にある程度の想像がつき、心の中で犠牲者になるであろう人たちに静かに手を合わせずにはいられなかった。
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