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霧の鬼編
(127)お使い
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~紗彩目線~
「…………あれ?」
廊下に出てしばらく歩いていると、物陰の所に座り込む影を見つけた。
ジッと見ていれば、それは膝を抱え顔をうずめているジャックさんであることに気づく。
…………いったい、どうしたんだろう?
私からはギリギリ座り込んでいる影が見えたけど、ちょうど物の影になって周囲から見つかりにくい場所だ。
なんで、そんな場所に座り込んでいるのだろう?
「ジャックさん」
「!? …………サーヤ?」
座り込んでいる彼に声をかければ、ジャックさんは驚きながらも顔をあげた。
驚きの表情を浮かべていたけれど、彼の顔色は青白くてどこか不安げだった。
いつも元気なジャックさんとは思えないほど、元気がなく顔色が悪い。
いったい、どうしたんだろう?
顔色が悪いということは、気分でも悪いのだろうか?
「顔色が悪いですけど、大丈夫ですか?」
「あー……うん、大丈夫だよ」
「…………そうですか」
心配になりそう聞けば、どこか歯切れが悪そうにしながらも答えたジャックさん。
そのまま、彼は不安そうに周囲をキョロキョロとしている。
…………本当にどうしたんだ?
いつもの元気で自信満々な姿が見る影もない。
「おや、サーヤ君にジャック君」
「あ、ジョゼフさん」
「…………ジョゼフ先生」
そう思っていると、後ろから声をかけられ振りむけばジョゼフさんが立っていた。
驚きながらも呼べば、ジャックさんも少しだけ驚いた声音で彼を呼んでいる。
…………なんだか、すごく違和感を感じる。
いつもならジョゼフさんを見た瞬間、餌やリードを持った飼い主を見つけた飼い犬のように元気よく彼に近づくのに。
「ふむ、二人がいるのならちょうどいいね。すまないけど、ちょっとお使いに行ってきてくれないかい?」
「お使いですか?」
「ああ。私が行こうとは思っていただけど、急用ができてしまってね」
「私は大丈夫ですけど」
ジョゼフさんの言葉に聞き返すと、彼は眉を下げ申し訳なさそうな表情を浮かべて言った。
別に、私は問題ない。
道具の案もあるけど、町に出た方がもしかしたら案も浮かぶと思うし。
ただ、ジャックさんは大丈夫なのだろうか?
顔色も悪かったし、様子も普段とは違い暗かった。
大丈夫とは言っているけど、もしかしたら体調が悪いのかもしれないし。
そう思ってジャックさんを見れば、彼はちょうど立ち上がっている事だった。
「…………俺も行きます。サーヤ一人じゃあ、心配だし」
「ありがとう。それじゃあ、頼んだよ」
どこか暗い声音で言ったジャックさんに、ジョゼフさんは安心したように笑いながら革袋を渡しながら言った。
受け取った革袋は、ジャラリと言う音がして少し重たかった。
「…………あれ?」
廊下に出てしばらく歩いていると、物陰の所に座り込む影を見つけた。
ジッと見ていれば、それは膝を抱え顔をうずめているジャックさんであることに気づく。
…………いったい、どうしたんだろう?
私からはギリギリ座り込んでいる影が見えたけど、ちょうど物の影になって周囲から見つかりにくい場所だ。
なんで、そんな場所に座り込んでいるのだろう?
「ジャックさん」
「!? …………サーヤ?」
座り込んでいる彼に声をかければ、ジャックさんは驚きながらも顔をあげた。
驚きの表情を浮かべていたけれど、彼の顔色は青白くてどこか不安げだった。
いつも元気なジャックさんとは思えないほど、元気がなく顔色が悪い。
いったい、どうしたんだろう?
顔色が悪いということは、気分でも悪いのだろうか?
「顔色が悪いですけど、大丈夫ですか?」
「あー……うん、大丈夫だよ」
「…………そうですか」
心配になりそう聞けば、どこか歯切れが悪そうにしながらも答えたジャックさん。
そのまま、彼は不安そうに周囲をキョロキョロとしている。
…………本当にどうしたんだ?
いつもの元気で自信満々な姿が見る影もない。
「おや、サーヤ君にジャック君」
「あ、ジョゼフさん」
「…………ジョゼフ先生」
そう思っていると、後ろから声をかけられ振りむけばジョゼフさんが立っていた。
驚きながらも呼べば、ジャックさんも少しだけ驚いた声音で彼を呼んでいる。
…………なんだか、すごく違和感を感じる。
いつもならジョゼフさんを見た瞬間、餌やリードを持った飼い主を見つけた飼い犬のように元気よく彼に近づくのに。
「ふむ、二人がいるのならちょうどいいね。すまないけど、ちょっとお使いに行ってきてくれないかい?」
「お使いですか?」
「ああ。私が行こうとは思っていただけど、急用ができてしまってね」
「私は大丈夫ですけど」
ジョゼフさんの言葉に聞き返すと、彼は眉を下げ申し訳なさそうな表情を浮かべて言った。
別に、私は問題ない。
道具の案もあるけど、町に出た方がもしかしたら案も浮かぶと思うし。
ただ、ジャックさんは大丈夫なのだろうか?
顔色も悪かったし、様子も普段とは違い暗かった。
大丈夫とは言っているけど、もしかしたら体調が悪いのかもしれないし。
そう思ってジャックさんを見れば、彼はちょうど立ち上がっている事だった。
「…………俺も行きます。サーヤ一人じゃあ、心配だし」
「ありがとう。それじゃあ、頼んだよ」
どこか暗い声音で言ったジャックさんに、ジョゼフさんは安心したように笑いながら革袋を渡しながら言った。
受け取った革袋は、ジャラリと言う音がして少し重たかった。
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