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神隠しの森編
(223)子孫
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~紗彩目線~
「キキョウ団長…………どうしてここに?」
「君が刺されたって聞いてね。…………シヴァ団長も来ているんだけど、ここは基本関係者以外立ち入り禁止なんだ。関係者以外が入れば、すぐに別の場所に転移されてしまうからね」
私の問いに優しげに笑うキキョウさん。
別の場所に転移。
ということはあの死体が空から降ってきたのって、その転移が原因だったのかな?
というか入った瞬間転移するんなら、なんでキキョウさんはここにいるのよ。
もしかして、キキョウさんもここの関係者とか?
「関係者…………キキョウ団長もですか?」
「ああ、そうだよ。私も彼女も、神人族の関係者__子孫にあたるんだ」
「子孫!?」
いや、レイアさんがヨシキ・ヤマダさんの娘なのは教えてもらったから知ってる。
でもキキョウさんも子孫の一人って事は、レイアさんとは兄妹にあたるのだろうか?
…………でも、明らかに二人は種族が違う。
レイアさんは、耳がとがっているけど鱗はないし。
もしかして、血の濃さとかが関係あるのかな?
「ああ、そうだよ。それじゃあ、改めて。私は、キキョウ・ササヤマ。カオル・ササヤマは、私の実母にあたる人だ」
「…………え?」
カオル・ササヤマ__薫姉さん?
驚きの名前が、キキョウさんの口から出てきた。
キキョウさんが、薫姉さんの息子?
ということは__
「まあ簡単に言えば、君と私は従兄妹という関係になるね」
「薫姉さんの子供? キキョウ団長が?」
「はは、そうだよ。…………まあ、私は両親の間のような色合いで生まれたからね。それに顔立ちは、どちらかと言えば父親の方に似たし」
私の言葉に、苦笑しながらも自分の髪を見ながら言うキキョウさん。
キキョウさんが、薫姉さんの息子。
私の従兄。
驚きの事実過ぎて、頭の中がこんがらがりそうだった。
だって私は、この世界に従兄が存在するとは思わなかった。
昔から男運が悪かった薫姉さん。
どんなにまともだった男も、何故か付き合っていくうちにパチンコにハマって借金したり浮気したりする。
正直、何度お祓いに行ったことか。
そんな薫姉さんは、彼氏を作って別れるたびに『男なんて信用ならない』と怒っていたから。
だからこの世界に来ていたと知って、異世界でもずっと独り身だと思っていた。
…………キキョウさんがいるということは、薫姉さんは心の底から信用できる人と出会ったんだな。
「…………もしかして、最初から私がこの世界の人間じゃないことを知っていたんですか?」
「別に敬語じゃなくてもいいんだけどね…………そうだよ。君は、母にそっくりだったからすぐにわかったよ。母の言った言葉は、本当だったのだと」
「薫姉さんの言葉?」
「そうだよ。…………まあ、詳しくはすべてこの手紙に書いてある。私の母__君の叔母からの最後の手紙だ」
ふと思ったことを聞けば、キキョウさんから渡されたのは真っ白な封筒だった。
薫姉さんからの手紙。
…………あの人の死んだ状況を考えれば、もしかしたら恨み言が書いてあるのかもしれない。
正直、物凄く不安だ。
でも、読まないわけにはいかない。
「キキョウ団長…………どうしてここに?」
「君が刺されたって聞いてね。…………シヴァ団長も来ているんだけど、ここは基本関係者以外立ち入り禁止なんだ。関係者以外が入れば、すぐに別の場所に転移されてしまうからね」
私の問いに優しげに笑うキキョウさん。
別の場所に転移。
ということはあの死体が空から降ってきたのって、その転移が原因だったのかな?
というか入った瞬間転移するんなら、なんでキキョウさんはここにいるのよ。
もしかして、キキョウさんもここの関係者とか?
「関係者…………キキョウ団長もですか?」
「ああ、そうだよ。私も彼女も、神人族の関係者__子孫にあたるんだ」
「子孫!?」
いや、レイアさんがヨシキ・ヤマダさんの娘なのは教えてもらったから知ってる。
でもキキョウさんも子孫の一人って事は、レイアさんとは兄妹にあたるのだろうか?
…………でも、明らかに二人は種族が違う。
レイアさんは、耳がとがっているけど鱗はないし。
もしかして、血の濃さとかが関係あるのかな?
「ああ、そうだよ。それじゃあ、改めて。私は、キキョウ・ササヤマ。カオル・ササヤマは、私の実母にあたる人だ」
「…………え?」
カオル・ササヤマ__薫姉さん?
驚きの名前が、キキョウさんの口から出てきた。
キキョウさんが、薫姉さんの息子?
ということは__
「まあ簡単に言えば、君と私は従兄妹という関係になるね」
「薫姉さんの子供? キキョウ団長が?」
「はは、そうだよ。…………まあ、私は両親の間のような色合いで生まれたからね。それに顔立ちは、どちらかと言えば父親の方に似たし」
私の言葉に、苦笑しながらも自分の髪を見ながら言うキキョウさん。
キキョウさんが、薫姉さんの息子。
私の従兄。
驚きの事実過ぎて、頭の中がこんがらがりそうだった。
だって私は、この世界に従兄が存在するとは思わなかった。
昔から男運が悪かった薫姉さん。
どんなにまともだった男も、何故か付き合っていくうちにパチンコにハマって借金したり浮気したりする。
正直、何度お祓いに行ったことか。
そんな薫姉さんは、彼氏を作って別れるたびに『男なんて信用ならない』と怒っていたから。
だからこの世界に来ていたと知って、異世界でもずっと独り身だと思っていた。
…………キキョウさんがいるということは、薫姉さんは心の底から信用できる人と出会ったんだな。
「…………もしかして、最初から私がこの世界の人間じゃないことを知っていたんですか?」
「別に敬語じゃなくてもいいんだけどね…………そうだよ。君は、母にそっくりだったからすぐにわかったよ。母の言った言葉は、本当だったのだと」
「薫姉さんの言葉?」
「そうだよ。…………まあ、詳しくはすべてこの手紙に書いてある。私の母__君の叔母からの最後の手紙だ」
ふと思ったことを聞けば、キキョウさんから渡されたのは真っ白な封筒だった。
薫姉さんからの手紙。
…………あの人の死んだ状況を考えれば、もしかしたら恨み言が書いてあるのかもしれない。
正直、物凄く不安だ。
でも、読まないわけにはいかない。
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