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神隠しの森編
(229)告白➀
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~紗彩目線~
「好きだ」
そう言った彼の表情は、凄く真剣で怖いと思ってしまうほど力強い光が瞳の中に浮かんでいた。
切り裂きジャックの死刑執行から、早くも一週間が経った。
道具を持ち歩くのも不便だと思い始めて、私はジャック君から貰った扇子に今まで集めてきた魔法を込めて武器として完成させた。
前々からちょっとずつ進めていたから、完成が早く済んで良かった。
まあ正直、戦い方は剣のように振るうっていうよりは舞っていると言う方が表現的には正しい気もするけど。
そう思いながらも頭の中でイメージをしながら舞っていれば、イアンさんに声をかけられた。
よくわからないけれど、人があまり来ないところに連れてこられてどうしたんだと思っていればそんなことを言われた。
…………正直、場所を考えると異性として好きと勘違いされる気がするのだけれど。
イアンさん、結構綺麗な顔をしているしいろいろと勘違いされてしまいそうだ。。
「え? …………ああ、友達としてですか?」
「違う。異性として好きだ」
私の言葉に、首を横に振って否定の意を示すイアンさん。
本音を言うと、まさか彼の口からそんな言葉が飛び出てくるとは思わなかった。
そもそも、私が彼から異性として見られているとも思わなかった。
というか、もしかして言う人を間違えているのだろうか?
それとも他の誰かに好きな人がいて、私をその人の告白用の練習台としてやっているのだろうか?
「…………ええと、私ですか?」
「? ここには俺とサーヤしかいないぞ?」
「まあ、そうですね」
疑問に思いながらも確認すれば、首を傾げて周囲を見た後にそう言われてしまった。
それもそうだろう。
ここには、明らかに私と目の前にいるイアンさん以外には誰もいないのだから。
ここは、普段は外から来たお客様用の居住スペースだ。
今は竜人騎士団の団員さんが使っているけど、今は獣人騎士団の人たちと一緒に仕事とかでほとんど出払っているから誰もいない。
誰もいないからこそ、彼はここで私に告白をしたのだろう。
…………正直、なんで私なのだろうとしか思えないんだけど。
そもそも竜人族からすれば、私は赤ん坊を思われるような年齢らしいし。
そう思っていれば、イアンさんがどこか寂しげな表情を浮かべながら私を見た。
「…………もう事件が解決して、一週間後に竜人騎士団は国に帰ることになった。だから、せめて気持ちだけでも伝えたかった」
「え、あ、そうなんですか」
「…………答えを聞いていいか?」
イアンさんの言葉に驚きながらもそう返せば、彼は真っ直ぐに私の方を見て真剣な表情を浮かべていた。
彼の瞳を見れば、彼が冗談ではなく本心から言っているのがわかる。
私の学生時代には、ドッキリ感覚とか罰ゲーム感覚で異性に告るとかそう言う最低なゲームをしていた生徒もいたけど。
彼の瞳は、そう言うタイプではない。
完全に真剣なんだ。
…………とはいっても、私としては彼が私を異性として見ていたことの方が驚きすぎて彼はどう思っているかとか考えられない。
だって、今まで恋愛ごとなんてほとんど関りなんてなかったんだ。
一番近くで恋愛をしている人だと、薫姉さんだし。
「ええと…………考えさせてもらっていいですか?」
「ああ、大丈夫だ」
頷くイアンさんに頭を下げて、その場から走る。
…………私は、いったい何と答えるのが正解なのだろうか?
「好きだ」
そう言った彼の表情は、凄く真剣で怖いと思ってしまうほど力強い光が瞳の中に浮かんでいた。
切り裂きジャックの死刑執行から、早くも一週間が経った。
道具を持ち歩くのも不便だと思い始めて、私はジャック君から貰った扇子に今まで集めてきた魔法を込めて武器として完成させた。
前々からちょっとずつ進めていたから、完成が早く済んで良かった。
まあ正直、戦い方は剣のように振るうっていうよりは舞っていると言う方が表現的には正しい気もするけど。
そう思いながらも頭の中でイメージをしながら舞っていれば、イアンさんに声をかけられた。
よくわからないけれど、人があまり来ないところに連れてこられてどうしたんだと思っていればそんなことを言われた。
…………正直、場所を考えると異性として好きと勘違いされる気がするのだけれど。
イアンさん、結構綺麗な顔をしているしいろいろと勘違いされてしまいそうだ。。
「え? …………ああ、友達としてですか?」
「違う。異性として好きだ」
私の言葉に、首を横に振って否定の意を示すイアンさん。
本音を言うと、まさか彼の口からそんな言葉が飛び出てくるとは思わなかった。
そもそも、私が彼から異性として見られているとも思わなかった。
というか、もしかして言う人を間違えているのだろうか?
それとも他の誰かに好きな人がいて、私をその人の告白用の練習台としてやっているのだろうか?
「…………ええと、私ですか?」
「? ここには俺とサーヤしかいないぞ?」
「まあ、そうですね」
疑問に思いながらも確認すれば、首を傾げて周囲を見た後にそう言われてしまった。
それもそうだろう。
ここには、明らかに私と目の前にいるイアンさん以外には誰もいないのだから。
ここは、普段は外から来たお客様用の居住スペースだ。
今は竜人騎士団の団員さんが使っているけど、今は獣人騎士団の人たちと一緒に仕事とかでほとんど出払っているから誰もいない。
誰もいないからこそ、彼はここで私に告白をしたのだろう。
…………正直、なんで私なのだろうとしか思えないんだけど。
そもそも竜人族からすれば、私は赤ん坊を思われるような年齢らしいし。
そう思っていれば、イアンさんがどこか寂しげな表情を浮かべながら私を見た。
「…………もう事件が解決して、一週間後に竜人騎士団は国に帰ることになった。だから、せめて気持ちだけでも伝えたかった」
「え、あ、そうなんですか」
「…………答えを聞いていいか?」
イアンさんの言葉に驚きながらもそう返せば、彼は真っ直ぐに私の方を見て真剣な表情を浮かべていた。
彼の瞳を見れば、彼が冗談ではなく本心から言っているのがわかる。
私の学生時代には、ドッキリ感覚とか罰ゲーム感覚で異性に告るとかそう言う最低なゲームをしていた生徒もいたけど。
彼の瞳は、そう言うタイプではない。
完全に真剣なんだ。
…………とはいっても、私としては彼が私を異性として見ていたことの方が驚きすぎて彼はどう思っているかとか考えられない。
だって、今まで恋愛ごとなんてほとんど関りなんてなかったんだ。
一番近くで恋愛をしている人だと、薫姉さんだし。
「ええと…………考えさせてもらっていいですか?」
「ああ、大丈夫だ」
頷くイアンさんに頭を下げて、その場から走る。
…………私は、いったい何と答えるのが正解なのだろうか?
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