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第1章
咲と優
しおりを挟むピピピッ ピピピッ
(もう朝か…)
鳴り響くアラームを止め、ゆっくりと身体を起こす。
だいだいのラブコメならここで「遅刻だぁ~!」ってなって食パンくわえてダッシュで登校して曲がり角でイケメンとぶつかって恋が始まったりするんだろうけどそんなことはない。
(変に頭が働くなぁ)
朝から何を考えてるんだと軽く頭を叩きながら準備をする。
ちゃんと余裕を持って学校へ行く私には関係ない話だ。
というか現実に起こるわけない。
「まあ…優先輩とだったらなってもいいかな。」
優。咲が片思いしている高校の先輩だ。
中学が一緒でサッカー部のマネージャーをやっていた咲は、当時キャプテンだった優に一目惚れ。
歳が2つ離れてたから実際半年くらいしか関わりは無かったが、咲が積極的に声をかけた甲斐があってか仲良くなれた。
今通っている高校も優がいるから受験することにした。不純な動機だとは思ったけどこの恋を諦められなかった。
「せっかく同じ高校に入ったのに全然喋れてない…。」
入学してから3ヶ月が経ったが優を見たのは入学式の時だけだ。
在校生代表としてスピーチをする優を見て、咲は胸が高鳴った。
(また優先輩と喋ったり、一緒に帰ったりできる!)
そんな期待を抱いていたものの、喋るどころか姿も見なくなってしまった。
放課後門の前で出待ちしたこともあったが会えなかった。
「はぁ…。あっ!」
深くため息を吐いて時計に目をやると、気づけば家を出る時間を過ぎていた。
咲は急いで学校に向かった。
ーーーーーーー
「あ~あ」
朝飯を作りながらため息をこぼす。
「やっぱ一人暮らしって寂しいよなぁ…」
高校2年の時、親の転勤により優は一人暮らしを始めた。
両親からはついてくるよう言われたが、この街を離れたくなかった。
(今俺がいなくなったら、あいつが悲しむだろうしな。)
あいつっていうのは咲のことだ。
中学時代の後輩であり、この春同じ学校に入学してきた。
入学式の時異常に視線を感じると思ったら咲がいた。そのときは驚いたが嬉しくもあった。
部活終わり一緒に寄り道をしたり、オフの日には2人で遊んだこともある。
(でも昔みたいにはいかないよなぁ)
入学式で咲の姿を見た優は咲を避けるように行動した。
(昔みたいに仲良くしてるとあいつらにからかわれるだろうし…)
一緒に帰ったりしたいのはやまやまだが同級生らにからかわれるのは恥ずかしい。
咲に悲しい思いをさせたくはなかったが、咲にもからかいの目がいくことは明らかだった。
(とか言っといて、逃げてるだけか。)
作った朝飯を一気にかきこみ、家を出る。
今まではもっと余裕を持っていたが咲と時間が被っていたから少し遅く家を出るようにした。
咲が入学してきてからもう3ヶ月が経つ。
いい加減愛想を尽かれてるだろうか。
(はぁ……)
優は重い足取りで学校へ向かった。
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