上 下
563 / 827
第十四章

いったい、どうすればいいんだ?

しおりを挟む
『お兄ちゃんまで……いったいどうしたの?』

 Pちゃんの映し出す映像の中で、ミクは怪訝な顔でこっちを見ていた。

「いや……実は……この島に本人がいたんだ」
『え? 本人?』
「だから、今ミクが言ったルスランなんたら博士本人が……」
『だって、博士って何十年も前の人だよ』
「だから、僕らと同じだって。何十年も前に、データを取られたんだよ」
『ええ? と言うことは、ベイス島に博士のコピー人間がいたの!』
「まあ、そういう事なのだが……」
『やったあ! ラッキーじゃん!』
「いや……その……できれば、関わり合いになりたくないのだが……」
『どうして?』
「性格に、問題のある人なのでな」
『ええ! お兄ちゃん、あたしが拉致されちゃってもいいの』
「よくない」
『じゃあ、博士に教えてもらってよ。なんで、地下で式神が使えなくなるのか』
「分かった。とにかく会えたら頼んでおく」
『お願いね』

 通信を切った。

 ううん……困った。

 あのエロジジイ、情報の見返りに何を要求してくるか?

 Pちゃんを一体寄越せとか、ミールのお尻を触らせろとか言ってきたら……

「いったい、どうすればいいんだ?」
「何を悩んでおるのじゃ? 若者よ」
「いや、爺さんから話を聞くにはどうすれば」
「そんなの簡単じゃ。ロボ娘を差し出せばよい」
「それはイヤだ」
「では、ナーモ族の娘と混浴」
「そんな事、許すわけ……」

 ん? 僕は今、誰と話をしていたんだ?

 声の方に目を向けると、ジジイが、ニマっと笑っていた。

しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

私の婚約者はちょろいのか、バカなのか、やさしいのか

恋愛 / 完結 24h.ポイント:383pt お気に入り:2,752

能力1のテイマー、加護を三つも授かっていました。

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:10,431pt お気に入り:2,215

絵姿

恋愛 / 完結 24h.ポイント:28pt お気に入り:122

俺を裏切り大切な人を奪った勇者達に復讐するため、俺は魔王の力を取り戻す

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:5,390pt お気に入り:90

【完結】あなたは優しい嘘を吐いた

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,292pt お気に入り:563

処理中です...