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呪殺師は可愛い男の子が好き
抗議
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権堂富士に開いた穴の断面を見て、この築山の構造が分かった。
どうやら本体はコンクリート造りで、その上に土を被せてあったようだ。
僕たちが穴から出ようとしたとき、国税局のソバカス女が入ってくる。
芙蓉さんが、ソバカス女の前で立ち止まった。
「私たちを、利用しましたね?」
「なんの事でしょう?」
芙蓉さんの質問に、ソバカス女はあくまでもとぼける。まあ、国税局としては、脱税の証拠を見つけるために、呪殺師を雇ったなんて事実は絶対に認めないだろうね。
「とにかく、あなた達の仕事は終わりました。どうぞお引き取り下さい」
「この事は、抗議させていただきます」
「お好きにどうぞ。でも、仮にあなたの言う通りだとしても、互いの上層部では話し合いはついているはずですよ」
話は終わったとばかりに、ソバカス女は立ち去ろうとする。
「仮に上層部で話し合いがついていたとしても、うちの霊能者には危害を加えないという条件が付いていたと思いますが」
ソバカス女が、ピタっと立ち止まる。
「どなたか、怪我をされたのですか?」
すると、芙蓉さんは僕を指差した。
「見ての通り、うちの霊能者は未成年です。その未成年者が、呪殺師にキスを強要されました」
「え?」
「これって、セクハラですよね。そちらではそこまでする事を、呪殺師に許可されていたのですか?」
「ええっと……呪殺師というのがなんのことであるか分かりませんが、後ほど事実を確認させていただきますので、今日のところはお引き取り下さい」
「良いでしょう」
芙蓉さんは、僕達の方へ振り向く。
「帰るわよ」
どうやら本体はコンクリート造りで、その上に土を被せてあったようだ。
僕たちが穴から出ようとしたとき、国税局のソバカス女が入ってくる。
芙蓉さんが、ソバカス女の前で立ち止まった。
「私たちを、利用しましたね?」
「なんの事でしょう?」
芙蓉さんの質問に、ソバカス女はあくまでもとぼける。まあ、国税局としては、脱税の証拠を見つけるために、呪殺師を雇ったなんて事実は絶対に認めないだろうね。
「とにかく、あなた達の仕事は終わりました。どうぞお引き取り下さい」
「この事は、抗議させていただきます」
「お好きにどうぞ。でも、仮にあなたの言う通りだとしても、互いの上層部では話し合いはついているはずですよ」
話は終わったとばかりに、ソバカス女は立ち去ろうとする。
「仮に上層部で話し合いがついていたとしても、うちの霊能者には危害を加えないという条件が付いていたと思いますが」
ソバカス女が、ピタっと立ち止まる。
「どなたか、怪我をされたのですか?」
すると、芙蓉さんは僕を指差した。
「見ての通り、うちの霊能者は未成年です。その未成年者が、呪殺師にキスを強要されました」
「え?」
「これって、セクハラですよね。そちらではそこまでする事を、呪殺師に許可されていたのですか?」
「ええっと……呪殺師というのがなんのことであるか分かりませんが、後ほど事実を確認させていただきますので、今日のところはお引き取り下さい」
「良いでしょう」
芙蓉さんは、僕達の方へ振り向く。
「帰るわよ」
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