Dear my...

E.L.L

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60章

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瞼が重い
名前…誰か呼んでる?

「ただいま」

私に言ってるのかな
なんか懐かしい感じがする
でもまだちょっと眠たいからもう少し寝ていたい
また意識が薄らいでいく
誰かが何かを言っている

…懐かしい?

「結子!!!」

…英司?
英司が呼んでいる
目を覚まさなきゃ!

「…え…いじ…?」

英司はぎゅっと私の手を握った

「結子、分かる?」

声を出したいけれど上手く出ないので頷く
英司が慌ててナースコールをする
何か話したいけれど思うように動かない

「無理しないで」

英司が柔らかく微笑んだ
私の名前―
私は瞬きしか出来なくて、でも英司の顔を見て安心した



目を覚ましてから3日
話したり、起き上がったりできるようになってきた
英司は相変わらず毎日来てくれる

「心配かけてごめんね」

「また話せて…嬉しい…」

「あの…」

「…記憶、の事だよね?」

「うん」

「大体、思い出したと思う…」

「…そっか…」

「…あの、俺さ…結子に言ってないことがあるんだ…」

「え?」

「…俺…結子が病気になってたの…知ってたんだ…」

「は?!」

思わず大きな声が出てしまった

「お、驚かせてごめん…あの、奈波さんと電話してるの…聞いちゃって…ごめん…」

「え、ちょ、な、」

「でも…あの…嫌だった…」

それはそうだ
私はずっと隠し事をしていたのだ

「…全部、言えるわけじゃない…言えないこと、あると思うけど…何も言わずに、離れるって言ったの…嫌だった」

嫌だったのはそっちなのか…
何だか英司らしい

「…それは…」

「記憶、無くなっても…あの好き、になっちゃって…その今、全部分かったあともやっぱり離れるのは…嫌だな…って思って…います…」

英司が一生懸命言いたいことをまとめようとしている
やっぱりそんなところが好きなんだ

「うん、ごめんなさい…」

「俺は…結子が、好きです」
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