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61章
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「俺
お前のことまだ好きだわ」
「…え…?」
今なんて―
「凛花のこと、ずっと好きなんだ」
照史がこちらを目をそらさずに見ている
「俺自分勝手だし、お前に迷惑かけてばっかだし、今更なんだと思うと思うけど、振られた後もずっと忘れられないんだ」
「…た、高梨…?」
照史がフッと笑った
「また凛花に名前呼んで貰えるように頑張るから
俺にもう一度チャンスくれない?」
「…む、無理よ…」
また同じことを繰り返すのは嫌だった
自由な照史が大好きだった
だけど自由な彼だから辛かった
照史が撮った写真も、写真を撮ってる照史も大好きなのにそれ自身を嫌いになりそうで怖かった
そんなことを考える自分が嫌いだった
「…カメラを撮りに行くために数ヶ月会えないとかそういうの、本当は辛かったのよ」
どんな思いで別れたと思ってんのよ
「…俺がカメラ辞めたら一緒にいてくれんの?
それともカメラ関係なしにもう俺の事が嫌い?」
何を言い出すんだこの男は
「そんなの無理なくせに
大体あんたからカメラ取ったら何が残るのよ」
それは嘘だった
普段の優しいところも好きだったけど、たまにその優しさにさえ苛立つ自分が嫌だった
「ん、ごめん
確かにカメラは辞めらんないわ」
歩き去ってしまおうと思ったのにあろうことか照史は私の前に回り込み逃げられないように立ち塞がった
「でもさ、俺の事嫌いって言わないんだね」
「…き…」
言おうとするけど口が動かない
あと2文字なのに
多分ここで嫌いって言ってしまったらこの男とはこれっきりだろうと予感していた
顔を合わせることがあってもいつものようには…
やっぱりそんなの嫌なの
視界がぼやけてきた
「…帰るわ
どいてよ」
「ごめん、いじわるした」
照史の声に焦りが少し滲んでいる
「もうここでいいから」
私は1人になりたくて帰ろうとした
「凛花!
確かに俺はカメラ辞めらんない!
色んなとこに撮りに行くと思う
けど次行く時は一緒に行こう?
俺、今も余裕なくて、お前につり合う男じゃないけどお前じゃなきゃダメなんだよ」
後ろから腕を掴まれる
「英司たち見てて思ったんだ
明日が普通にくる確証なんかねぇんだって
俺だけが好きなら諦めようと思ったんだ
だからさっきは…試すようなことして悪かった」
照史がそっと手を離した
お前のことまだ好きだわ」
「…え…?」
今なんて―
「凛花のこと、ずっと好きなんだ」
照史がこちらを目をそらさずに見ている
「俺自分勝手だし、お前に迷惑かけてばっかだし、今更なんだと思うと思うけど、振られた後もずっと忘れられないんだ」
「…た、高梨…?」
照史がフッと笑った
「また凛花に名前呼んで貰えるように頑張るから
俺にもう一度チャンスくれない?」
「…む、無理よ…」
また同じことを繰り返すのは嫌だった
自由な照史が大好きだった
だけど自由な彼だから辛かった
照史が撮った写真も、写真を撮ってる照史も大好きなのにそれ自身を嫌いになりそうで怖かった
そんなことを考える自分が嫌いだった
「…カメラを撮りに行くために数ヶ月会えないとかそういうの、本当は辛かったのよ」
どんな思いで別れたと思ってんのよ
「…俺がカメラ辞めたら一緒にいてくれんの?
それともカメラ関係なしにもう俺の事が嫌い?」
何を言い出すんだこの男は
「そんなの無理なくせに
大体あんたからカメラ取ったら何が残るのよ」
それは嘘だった
普段の優しいところも好きだったけど、たまにその優しさにさえ苛立つ自分が嫌だった
「ん、ごめん
確かにカメラは辞めらんないわ」
歩き去ってしまおうと思ったのにあろうことか照史は私の前に回り込み逃げられないように立ち塞がった
「でもさ、俺の事嫌いって言わないんだね」
「…き…」
言おうとするけど口が動かない
あと2文字なのに
多分ここで嫌いって言ってしまったらこの男とはこれっきりだろうと予感していた
顔を合わせることがあってもいつものようには…
やっぱりそんなの嫌なの
視界がぼやけてきた
「…帰るわ
どいてよ」
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けど次行く時は一緒に行こう?
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