運命に惑うケモミミBL♂ハイスペ愛情深🐺×恋歴難美人オネェ🐱『ロドンのキセキ🌹翠玉のケエス💎輝石ノ箱ヨリ⚙️芽吹』全31話

🍶醇壱🔹JUNICHI🍶

文字の大きさ
9 / 109
🌹『翠玉のケエス:芽吹』🌹 本編 💎 The HIEROPHANT:U 💎

Drop.004『 The HIEROPHANT:U〈Ⅰ〉』【1】

しおりを挟む
 
 
 
 法雨みのりを救うべく、突如、見ず知らずの大柄なオオカミが現れた日から、数か月ほど前のその日――。
 法雨は、若いオオカミたちと出遭った。
 彼らは、法雨の店に通い始めたある時期から、法雨に目をつけていた。
 そして、とある日の明け方――、店仕舞いを終えた法雨の前に現れた彼らは、――他の従業員に手を出されたくなければお前の身体を貸せ、と法雨を脅した。
 そんな彼らを前に、法雨は特に怯えるでもなく対峙したのだが、だからといって抵抗もせず、そのまま彼らの要求を“呑んでやる”ことにしたのであった。
 実のところ、その若いオオカミたち相手であれば、抵抗する事も、拒否する事も容易だと判じていた。
 もちろん、家族同然に愛する従業員たちに手を出させるつもりはなかったが、法雨には、そんな心配も無用である事も分かっていた。
 法雨は、長く接客業を営んできただけでなく、若くして、数多の非道な男たちとの付き合いも経験してきているのだ。
 そんな法雨だからこそ、このオオカミたちの脅しはただの強がりでしかなく、最悪は警察にさえ連絡してしまえば大人しく引き下がる程度の“お子さま”たちでしかない事を確信していた。
 だが、その上でも、法雨が、通報どころか、彼らの幼稚な要求までをも呑んでやったのは、彼らを突き放す事に対し、気が進まなかったからだ。
 それに、彼らの事に関しては、自分がこの身体ひとつ与えてやれば収まる事でもある。
 そのような事から、法雨は、真意を明かさぬまま、彼らの望みに応じてやる事にしたのだった。
 そして、その未熟なオオカミたちを受け入れてやったその日から、法雨と彼らの密会は始まり、その密会は、ついには彼らがあの倉庫の安全性を過信し、見張りを怠らせるほど、幾度となく繰り返された。
 ――とは云え、彼らとの密会に幸福感や満足感こそ感じはしなかったが、苦痛に感じる事もなかった。
 恐らく、それらしい行為こそしているものの、法雨が抵抗しないという事もあってか、拘束されるような事もなければ、密会中に暴力を振るわれる事も一切なかったからかもしれない。
 そして、行為の満足感こそなかったが、彼らに自身を求められている事は強く感じられたため、法雨も、その面での満足感は大いに感じられていた。
 だからこそ、抵抗も通報もしなければ被害届も出さず、さらには終止符を打つ事もしないまま、結局は幾月もの間、彼らとのゆがんだ関係を持ち続けたのだった。
 だが、そんな彼らとの密会は、あの男が現れた日から、ぱったりと途絶えた。
 法雨は、まさかこんなにもあっさり彼らが諦めるとまでは思っておらず、拍子抜けするような気持ちさえ抱いていた。
 ただ、それならばそれで、法雨も大切な従業員たちに隠し事をする必要がなくなり、結果的には良い事ではあった。
 それゆえ、それからもしばらく何事もない日々が続いた頃から、法雨は、彼らとの密会は本当に終わったのだと思うようになり、彼らの事も、意識の中から薄れさせていった。
 しかし――。
 それから、さらにひと月ほどが経過した、ある日。
 あの若いオオカミたちは、再び法雨の店へとやってきたのであった――。
 
 
 ― Drop.004『 The HIEROPHANT:U〈Ⅰ〉』―
 
 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

キサラギムツキ
BL
長い間アプローチし続け恋人同士になれたのはよかったが…………… 攻め視点から最後受け視点。 残酷な描写があります。気になる方はお気をつけください。

天啓によると殿下の婚約者ではなくなります

ふゆきまゆ
BL
この国に生きる者は必ず受けなければいけない「天啓の儀」。それはその者が未来で最も大きく人生が動く時を見せる。 フィルニース国の貴族令息、アレンシカ・リリーベルは天啓の儀で未来を見た。きっと殿下との結婚式が映されると信じて。しかし悲しくも映ったのは殿下から婚約破棄される未来だった。腕の中に別の人を抱きながら。自分には冷たい殿下がそんなに愛している人ならば、自分は穏便に身を引いて二人を祝福しましょう。そうして一年後、学園に入学後に出会った友人になった将来の殿下の想い人をそれとなく応援しようと思ったら…。 ●婚約破棄ものですが主人公に悪役令息、転生転移、回帰の要素はありません。 性表現は一切出てきません。

【完結】オーロラ魔法士と第3王子

N2O
BL
全16話 ※2022.2.18 完結しました。ありがとうございました。 ※2023.11.18 文章を整えました。 辺境伯爵家次男のリーシュ・ギデオン(16)が、突然第3王子のラファド・ミファエル(18)の専属魔法士に任命された。 「なんで、僕?」 一人狼第3王子×黒髪美人魔法士 設定はふんわりです。 小説を書くのは初めてなので、何卒ご容赦ください。 嫌な人が出てこない、ふわふわハッピーエンドを書きたくて始めました。 感想聞かせていただけると大変嬉しいです。 表紙絵 ⇨ キラクニ 様 X(@kirakunibl)

もう一度、その腕に

結衣可
BL
もう一度、その腕に

はじまりの朝

さくら乃
BL
子どもの頃は仲が良かった幼なじみ。 ある出来事をきっかけに離れてしまう。 中学は別の学校へ、そして、高校で再会するが、あの頃の彼とはいろいろ違いすぎて……。 これから始まる恋物語の、それは、“はじまりの朝”。 ✳『番外編〜はじまりの裏側で』  『はじまりの朝』はナナ目線。しかし、その裏側では他キャラもいろいろ思っているはず。そんな彼ら目線のエピソード。

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

放課後教室

Kokonuca.
BL
ある放課後の教室で彼に起こった凶事からすべて始まる

雪を溶かすように

春野ひつじ
BL
人間と獣人の争いが終わった。 和平の条件で人間の国へ人質としていった獣人国の第八王子、薫(ゆき)。そして、薫を助けた人間国の第一王子、悠(はる)。二人の距離は次第に近づいていくが、実は薫が人間国に行くことになったのには理由があった……。 溺愛・甘々です。 *物語の進み方がゆっくりです。エブリスタにも掲載しています

処理中です...