運命に惑うケモミミBL♂ハイスペ愛情深🐺×恋歴難美人オネェ🐱『ロドンのキセキ🌹翠玉のケエス💎輝石ノ箱ヨリ⚙️芽吹』連載中

🍶醇壱🔹JUNICHI🍶

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🌹『翠玉のケエス:芽吹』🌹 本編 💎 The HIEROPHANT:U 💎

Drop.004『 The HIEROPHANT:U〈Ⅰ〉』【1】

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 法雨みのりを救うべく、突如、見ず知らずの大柄なオオカミが現れた日から、数か月ほど前のその日――。
 法雨は、若いオオカミたちと出遭った。
 彼らは、法雨の店に通い始めたある時期から、法雨に目をつけていた。
 そして、とある日の明け方――、店仕舞いを終えた法雨の前に現れた彼らは、――他の従業員に手を出されたくなければお前の身体を貸せ、と法雨を脅した。
 そんな彼らを前に、法雨は特に怯えるでもなく対峙したのだが、だからといって抵抗もせず、そのまま彼らの要求を“呑んでやる”ことにしたのであった。
 実のところ、その若いオオカミたち相手であれば、抵抗する事も、拒否する事も容易だと判じていた。
 もちろん、家族同然に愛する従業員たちに手を出させるつもりはなかったが、法雨には、そんな心配も無用である事も分かっていた。
 法雨は、長く接客業を営んできただけでなく、若くして、数多の非道な男たちとの付き合いも経験してきているのだ。
 そんな法雨だからこそ、このオオカミたちの脅しはただの強がりでしかなく、最悪は警察にさえ連絡してしまえば大人しく引き下がる程度の“お子さま”たちでしかない事を確信していた。
 だが、その上でも、法雨が、通報どころか、彼らの幼稚な要求までをも呑んでやったのは、彼らを突き放す事に対し、気が進まなかったからだ。
 それに、彼らの事に関しては、自分がこの身体ひとつ与えてやれば収まる事でもある。
 そのような事から、法雨は、真意を明かさぬまま、彼らの望みに応じてやる事にしたのだった。
 そして、その未熟なオオカミたちを受け入れてやったその日から、法雨と彼らの密会は始まり、その密会は、ついには彼らがあの倉庫の安全性を過信し、見張りを怠らせるほど、幾度となく繰り返された。
 ――とは云え、彼らとの密会に幸福感や満足感こそ感じはしなかったが、苦痛に感じる事もなかった。
 恐らく、それらしい行為こそしているものの、法雨が抵抗しないという事もあってか、拘束されるような事もなければ、密会中に暴力を振るわれる事も一切なかったからかもしれない。
 そして、行為の満足感こそなかったが、彼らに自身を求められている事は強く感じられたため、法雨も、その面での満足感は大いに感じられていた。
 だからこそ、抵抗も通報もしなければ被害届も出さず、さらには終止符を打つ事もしないまま、結局は幾月もの間、彼らとのゆがんだ関係を持ち続けたのだった。
 だが、そんな彼らとの密会は、あの男が現れた日から、ぱったりと途絶えた。
 法雨は、まさかこんなにもあっさり彼らが諦めるとまでは思っておらず、拍子抜けするような気持ちさえ抱いていた。
 ただ、それならばそれで、法雨も大切な従業員たちに隠し事をする必要がなくなり、結果的には良い事ではあった。
 それゆえ、それからもしばらく何事もない日々が続いた頃から、法雨は、彼らとの密会は本当に終わったのだと思うようになり、彼らの事も、意識の中から薄れさせていった。
 しかし――。
 それから、さらにひと月ほどが経過した、ある日。
 あの若いオオカミたちは、再び法雨の店へとやってきたのであった――。
 
 
 ― Drop.004『 The HIEROPHANT:U〈Ⅰ〉』―
 
 
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