運命に惑うケモミミBL♂ハイスペ愛情深🐺×恋歴難美人オネェ🐱『ロドンのキセキ🌹翠玉のケエス💎輝石ノ箱ヨリ⚙️芽吹』全31話

🍶醇壱🔹JUNICHI🍶

文字の大きさ
11 / 109
🌹『翠玉のケエス:芽吹』🌹 本編 💎 The HIEROPHANT:U 💎

Drop.004『 The HIEROPHANT:U〈Ⅰ〉』【3】

しおりを挟む
 だが、法雨はそれにも動じず、呆れたように笑うと、冷淡に言った。
「――“確認”? ――そんなのしたって無駄じゃないかしら。 ――どうせ、口封じ済みでしょう? ――アタシにしたみたいに」
 その法雨の言葉は彼をさらに刺激したらしく、動揺する仲間たちに構わず、彼はまた怒鳴るようにして訴える。
「――んだよ! マジで何もしてねぇよ!! ――アンタなら、話さえすりゃ嘘つかされてるかどうかも分かるだろ!! ――信じろよ!!」
 法雨はまたひとつ、呆れたように笑うと、腰に手を当てて応じる。
「――信じる? どうやって? ――信じて貰えるような人徳がアナタたちにあるとでも思って?」
「――っ、――それは……」
 法雨の紡いだ真実に、彼は苦しげな表情で押し黙る。
 そして、その場にはしばしの沈黙が訪れたが――、彼のそばに居た一人の青年が、小声でその沈黙を払った。
「――な、なぁ、みさと……。――やっぱさ、ちゃんと言おうぜ……。――店長サンの言う通りさ、俺らがいくら言っても信じて貰えるわけないって……。――何もしないだけじゃ、やっぱ無理だよ……。――だから、分かってもらえないかもしんないけど……、やっぱ、ほんとの事、話しちゃった方が……」
「でもよ……」
 どうやら、“京”という名であるらしい灰色の彼は、控えめに紡がれた仲間の言葉に迷うように応じる。
 そんな彼らをいぶかしみ、法雨はさらに鋭い視線で見つめ、追い立てるようにした。
 すると、それに耐えきれなくなったのか、また別の青年が、縋る様にして法雨に言った。
「――あ、あの! ――俺たち、その……、――こないだ、あの人に」
「――おい、馬鹿っ! ――それは言うなって言われただろ!」
「――えっ……、あ……」
 そんな仲間の発言は、何やらまずい内容だったのか、京はその青年をたしなめるようにした。
 だが、今の法雨に、その“まずい内容”を見逃してやる優しさは残されていなかった。
「――何? もう遅いわよ。――誰に口止めされてるのか知らないけど、アナタたちの約束事なんて知った事じゃないわ。――洗いざらい全部話してちょうだい。――それができないなら……、――これまでの事をすべて警察に報告するわ」
「――っ……、………………、――……分かったよ」
 京は、そんな法雨の言葉に射られると、しぶしぶと承諾の意を示した。
「――よろしい。――じゃあ、そうねぇ、――とりあえず、今からアナタたちがお気に入りだったあの倉庫に行っておいてちょうだい。話はそこで聞くわ。――アタシは一度お店に戻ってから向かうから、アナタたちはアタシが行くまで、そこで大人しく待ってなさい。いいわね。――もし逃げたら……、――その時は承知しないわよ」
「――わ、分かってるよ!」
 そして、京が気圧されながら応じると、つい数か月前まで威勢だけは良かったオオカミたちは、揃って叱られた子供のように尾と耳を垂れさせ、そのまま、馴染みのあるであろう倉庫へと歩き出した。
 
 
 
 
 
Next → Drop.005『 The HIEROPHANT:U〈Ⅱ〉』
 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

キサラギムツキ
BL
長い間アプローチし続け恋人同士になれたのはよかったが…………… 攻め視点から最後受け視点。 残酷な描写があります。気になる方はお気をつけください。

天啓によると殿下の婚約者ではなくなります

ふゆきまゆ
BL
この国に生きる者は必ず受けなければいけない「天啓の儀」。それはその者が未来で最も大きく人生が動く時を見せる。 フィルニース国の貴族令息、アレンシカ・リリーベルは天啓の儀で未来を見た。きっと殿下との結婚式が映されると信じて。しかし悲しくも映ったのは殿下から婚約破棄される未来だった。腕の中に別の人を抱きながら。自分には冷たい殿下がそんなに愛している人ならば、自分は穏便に身を引いて二人を祝福しましょう。そうして一年後、学園に入学後に出会った友人になった将来の殿下の想い人をそれとなく応援しようと思ったら…。 ●婚約破棄ものですが主人公に悪役令息、転生転移、回帰の要素はありません。 性表現は一切出てきません。

【完結】オーロラ魔法士と第3王子

N2O
BL
全16話 ※2022.2.18 完結しました。ありがとうございました。 ※2023.11.18 文章を整えました。 辺境伯爵家次男のリーシュ・ギデオン(16)が、突然第3王子のラファド・ミファエル(18)の専属魔法士に任命された。 「なんで、僕?」 一人狼第3王子×黒髪美人魔法士 設定はふんわりです。 小説を書くのは初めてなので、何卒ご容赦ください。 嫌な人が出てこない、ふわふわハッピーエンドを書きたくて始めました。 感想聞かせていただけると大変嬉しいです。 表紙絵 ⇨ キラクニ 様 X(@kirakunibl)

もう一度、その腕に

結衣可
BL
もう一度、その腕に

はじまりの朝

さくら乃
BL
子どもの頃は仲が良かった幼なじみ。 ある出来事をきっかけに離れてしまう。 中学は別の学校へ、そして、高校で再会するが、あの頃の彼とはいろいろ違いすぎて……。 これから始まる恋物語の、それは、“はじまりの朝”。 ✳『番外編〜はじまりの裏側で』  『はじまりの朝』はナナ目線。しかし、その裏側では他キャラもいろいろ思っているはず。そんな彼ら目線のエピソード。

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

放課後教室

Kokonuca.
BL
ある放課後の教室で彼に起こった凶事からすべて始まる

雪を溶かすように

春野ひつじ
BL
人間と獣人の争いが終わった。 和平の条件で人間の国へ人質としていった獣人国の第八王子、薫(ゆき)。そして、薫を助けた人間国の第一王子、悠(はる)。二人の距離は次第に近づいていくが、実は薫が人間国に行くことになったのには理由があった……。 溺愛・甘々です。 *物語の進み方がゆっくりです。エブリスタにも掲載しています

処理中です...