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🌹『翠玉のケエス:芽吹』🌹 本編 💎 The HANGED MAN:U 💎
Drop.013『 The HANGED MAN:U〈Ⅰ〉』【2】
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(お世辞でしてくれてるとしても、悪い気はしないし、嬉しい気持ちもあるけれど……。――でも、やっと元の自分に戻れたピュアでキレイなアンタには、アタシみたいなのじゃなくて、同じように“キレイなコ”がお似合いよ)
そして、自身の後にしょげながらついてくる京に、さらに心の内で紡ぐと、
(――でも、綺麗だって言ってくれた事は、素直に嬉しかったし、ちゃんと覚えてるから。それだけは受け取っておくわ。――有難うね)
と、届く事のない礼を添えながら、しょげ続ける彼の頭を、しばし優しく撫でてやった。
💎
「――ま。――今の俺じゃあ全然相手にしてもらえないのは分かってるんで、それはそれとして、なんですけど……。――実は俺、それとは別に、姐さんに聞いてもらいたい事があって……」
京は、案内されたカウンター席に腰掛けた後、ひとつ間をおくと、やや真剣な面持ちで言った。
法雨はそれに、半目がちな表情で応じる。
「アラ、何かしら……? ――あ、言っておくけど、――イイ子、紹介してくださいってのは、――ナシよ」
「――………………」
「――アンタね……」
まさかそんな真剣な表情をしておいて、よもや法雨から“斡旋”を受けようと思っていた可能性が濃厚となり、法雨は呆れた声で言った。
しかし、京は、その疑いを晴らそうとするかの様に、やや慌てながら弁明した。
「――あ、い、いや……その……、――それは、あわよくば、と思ってただけで……。――な、なんで、その話は冗談として……、――その、相談したい事ってのは、俺の事じゃないんです」
「アラ、――じゃあ誰なの? 仲間内の誰かとか?」
その法雨の問いに、京は、法雨が考えもしなかった人物の名を告げる。
「――実は、その、――雷さんの事で」
「え……? ――雷さん?」
「はい」
法雨が復唱すると、変わらず神妙な面持ちの京は頷き、続ける。
「――最近、なんか……、――雷さんがずっと上の空で……」
「“上の空”?」
「――はい……」
京は、ひとつ頷くと、手元のカクテルにすっと口をつけ、喉を潤す。
そんな京が、なぜ、雷の様子を告げられるかというと――、実は現在、京は、雷の探偵事務所で働いているからであった。
その経緯については、京曰く――、雷と関わりをもつようになって以来、すっかりと雷の人柄に惚れ込んでしまった事から、助手として働かせてほしい――と、無理を承知で雷に頼んだところ、見事快諾され、現在に至っている――というわけであった。
そのような事から、現在の京は、苦手な事務仕事も不器用にこなしながら、雷のもとで助手として働いている――のだが、どうやら、そんな彼が慕う探偵殿が、最近、どうにも様子がおかしいらしい。
その事情を受けると、法雨は未熟な助手に問う。
「――“上の空”って……、――例えば、具体的にどんな感じなの?」
「――“どんな感じ”……。――そうっすねぇ……」
その法雨の問いに、助手は考える様に中空を見つめながら言った。
そして、自身の後にしょげながらついてくる京に、さらに心の内で紡ぐと、
(――でも、綺麗だって言ってくれた事は、素直に嬉しかったし、ちゃんと覚えてるから。それだけは受け取っておくわ。――有難うね)
と、届く事のない礼を添えながら、しょげ続ける彼の頭を、しばし優しく撫でてやった。
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「――ま。――今の俺じゃあ全然相手にしてもらえないのは分かってるんで、それはそれとして、なんですけど……。――実は俺、それとは別に、姐さんに聞いてもらいたい事があって……」
京は、案内されたカウンター席に腰掛けた後、ひとつ間をおくと、やや真剣な面持ちで言った。
法雨はそれに、半目がちな表情で応じる。
「アラ、何かしら……? ――あ、言っておくけど、――イイ子、紹介してくださいってのは、――ナシよ」
「――………………」
「――アンタね……」
まさかそんな真剣な表情をしておいて、よもや法雨から“斡旋”を受けようと思っていた可能性が濃厚となり、法雨は呆れた声で言った。
しかし、京は、その疑いを晴らそうとするかの様に、やや慌てながら弁明した。
「――あ、い、いや……その……、――それは、あわよくば、と思ってただけで……。――な、なんで、その話は冗談として……、――その、相談したい事ってのは、俺の事じゃないんです」
「アラ、――じゃあ誰なの? 仲間内の誰かとか?」
その法雨の問いに、京は、法雨が考えもしなかった人物の名を告げる。
「――実は、その、――雷さんの事で」
「え……? ――雷さん?」
「はい」
法雨が復唱すると、変わらず神妙な面持ちの京は頷き、続ける。
「――最近、なんか……、――雷さんがずっと上の空で……」
「“上の空”?」
「――はい……」
京は、ひとつ頷くと、手元のカクテルにすっと口をつけ、喉を潤す。
そんな京が、なぜ、雷の様子を告げられるかというと――、実は現在、京は、雷の探偵事務所で働いているからであった。
その経緯については、京曰く――、雷と関わりをもつようになって以来、すっかりと雷の人柄に惚れ込んでしまった事から、助手として働かせてほしい――と、無理を承知で雷に頼んだところ、見事快諾され、現在に至っている――というわけであった。
そのような事から、現在の京は、苦手な事務仕事も不器用にこなしながら、雷のもとで助手として働いている――のだが、どうやら、そんな彼が慕う探偵殿が、最近、どうにも様子がおかしいらしい。
その事情を受けると、法雨は未熟な助手に問う。
「――“上の空”って……、――例えば、具体的にどんな感じなの?」
「――“どんな感じ”……。――そうっすねぇ……」
その法雨の問いに、助手は考える様に中空を見つめながら言った。
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