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🌹『翠玉のケエス:芽吹』🌹 本編 💎 The HANGED MAN:U 💎
Drop.014『 The HANGED MAN:U〈Ⅱ〉』【2】
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今度こそ――と云わんばかりに、京は再び胸いっぱいに息を吸うと、両手を広げ、その場で勢いをつけ、そして、三度目の“ジャジャーン”を繰り出すべく、呪文を詠唱し始めた。
「――あのっ! ――雷さんにっ!! ――好き」
「“それ”はもうしなくてよろしい!!」
しかし、渾身のラスト“ジャジャーン”は、法雨の一喝によって阻止された。
京は、大層悲しそうな顔で訴える。
「――ね、姐さん……、なんでなんすか……。――なんでそんなリアクションうっすぃんすか……。――あの雷さんに、好きな人ができたんすよ……? ――できたんすよ……?」
できたんだもん――とでも続きそうな様子でしょんぼりと席に着いた京に、法雨は、本日幾度目かの溜め息を零し、応じる。
「――“なんで”って……、――雷さんが誰かを好きになるとか、誰かに恋をするのなんて、普通の事じゃない。――言ったでしょ? ――雷さんだって“ヒト”なの。――それに、あれだけ容姿端麗で、内面まで立派な方なのよ? ――そんな雷さんなら、昔から恋多き人生だったに違いないわよ」
しかし、そんな法雨に対し、京は言い訳をするようにして言った。
「――でも……、雷さん……。――“これがなんなのか分からない”って、言ってきたんすよ……?」
「え……?」
その京の予想外の言葉に、法雨は思わず疑問の意を返す。
すると、京は、徐々に興奮を取り戻しながら紡ぐ。
「――俺、姐さんに言われた通り、雷さんにちゃんと尋いたんすよ。――“最近、様子がおかしい感じがするんすけど、どうしたんすか”って……。――そしたら、“つい、ある人の事を考えてしまってね”――とか言ってて! ――しかも! ――ちょっと前から何しててもその人の顔が頭から離れないし気付いたらその人の事を考えちゃってて我に返る事もしばしば~って! ――それって……、――それってもう! ――完ッ全に、――恋の病じゃないすか!!」
法雨は、そんな京の言葉に考える様にしながらも、とりあえず肯定する。
「――そ、そうねぇ……」
確かに、京の言っている事は間違いとは云えず――、好印象を抱いている特定の相手の事を、それほどまでに気にかけてしまうとなれば、それは“恋の病”と云ってもよいだろう。
「――でも、雷さん。――それを自覚してるのに、“なぜこんなにその人の事を考えてしまうのか分からない”って! ――それで俺、“今まで恋人とか居なかったんすか”って尋いたら、――何人か居た事はあるけどこんな風になった事はないとか言って!! ――とか、言っ、ちゃっ、てっ!!」
「――なら、――それって……つまり……」
「――そう! ――そうっす! ――それって、つまり!!」
京の言葉に続いて法雨が言うと、さらにその先を引き継ぐようにして、京は続けた。
「――あの雷さんは! ――なんと! ――最近になってついに! ――初恋をしたって事なんすよ!!」
「――“初恋”……」
まるで名探偵が如く結論を放った京を前に、法雨は考え込む。
「――あのっ! ――雷さんにっ!! ――好き」
「“それ”はもうしなくてよろしい!!」
しかし、渾身のラスト“ジャジャーン”は、法雨の一喝によって阻止された。
京は、大層悲しそうな顔で訴える。
「――ね、姐さん……、なんでなんすか……。――なんでそんなリアクションうっすぃんすか……。――あの雷さんに、好きな人ができたんすよ……? ――できたんすよ……?」
できたんだもん――とでも続きそうな様子でしょんぼりと席に着いた京に、法雨は、本日幾度目かの溜め息を零し、応じる。
「――“なんで”って……、――雷さんが誰かを好きになるとか、誰かに恋をするのなんて、普通の事じゃない。――言ったでしょ? ――雷さんだって“ヒト”なの。――それに、あれだけ容姿端麗で、内面まで立派な方なのよ? ――そんな雷さんなら、昔から恋多き人生だったに違いないわよ」
しかし、そんな法雨に対し、京は言い訳をするようにして言った。
「――でも……、雷さん……。――“これがなんなのか分からない”って、言ってきたんすよ……?」
「え……?」
その京の予想外の言葉に、法雨は思わず疑問の意を返す。
すると、京は、徐々に興奮を取り戻しながら紡ぐ。
「――俺、姐さんに言われた通り、雷さんにちゃんと尋いたんすよ。――“最近、様子がおかしい感じがするんすけど、どうしたんすか”って……。――そしたら、“つい、ある人の事を考えてしまってね”――とか言ってて! ――しかも! ――ちょっと前から何しててもその人の顔が頭から離れないし気付いたらその人の事を考えちゃってて我に返る事もしばしば~って! ――それって……、――それってもう! ――完ッ全に、――恋の病じゃないすか!!」
法雨は、そんな京の言葉に考える様にしながらも、とりあえず肯定する。
「――そ、そうねぇ……」
確かに、京の言っている事は間違いとは云えず――、好印象を抱いている特定の相手の事を、それほどまでに気にかけてしまうとなれば、それは“恋の病”と云ってもよいだろう。
「――でも、雷さん。――それを自覚してるのに、“なぜこんなにその人の事を考えてしまうのか分からない”って! ――それで俺、“今まで恋人とか居なかったんすか”って尋いたら、――何人か居た事はあるけどこんな風になった事はないとか言って!! ――とか、言っ、ちゃっ、てっ!!」
「――なら、――それって……つまり……」
「――そう! ――そうっす! ――それって、つまり!!」
京の言葉に続いて法雨が言うと、さらにその先を引き継ぐようにして、京は続けた。
「――あの雷さんは! ――なんと! ――最近になってついに! ――初恋をしたって事なんすよ!!」
「――“初恋”……」
まるで名探偵が如く結論を放った京を前に、法雨は考え込む。
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