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🌹『翠玉のケエス:芽吹』🌹 本編 💎 JUSTICE:U 💎
Drop.018『 JUSTICE:U〈Ⅲ〉』【2】
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「――……事実だ」
そして、京がはっきりとそう答えると、桔流は、
「そうか」
と、冷たく言い放つなり、間髪入れずに京の胸倉を手荒く引き、彼の身体をフロアの中央へと乱暴に放るようにした。
「き、桔流く」
そして、店仕舞いによってテーブルが寄せられ、ぽっかりと“都合の良い”スペースができていた店内の中央で、乱暴に放られた京は踏みとどまった――が、その京を休ませる間もなく、今度は左手で胸倉を掴み上げ、己の方へと引き寄せると、桔流は、その京の頬を手慣れた動作で一発殴り抜いた。
「――……ッ」
しかし、それでも京は倒れなかった。
ただ、反撃も抵抗もしなかった――。
その静寂の中、京は、次の殴打をも受け入れる意志を示すかのように、ただ、自戒の表情で、桔流をまっすぐに見据えるだけだった。
だが、その次の戒めは訪れず――、代わりに、桔流の――酷く悔しそうな声が、言葉を紡いだ。
「ふざけんな……、クソ野郎……」
京は、そんな桔流が、ただの憎しみや怒りから自身を殴ったのではないという事を悟ってか、また苦しそうな顔をすると、頭を下げて言った。
「……悪い。――もう二度としない」
桔流は、それに一度舌打ちをすると、気持ちを落ち着かせる様にして深呼吸をし、言った。
「――当たり前だ。大馬鹿野郎。――次なんてあってみろよ。――そん時はお前を存分に痛めつけた後に殺してやる」
京は、それに、――恐らくは本気で、
「あぁ。――そうしてくれ……」
と、言い、静かに唇の端の血を拭った。
そして、その京をしばし見据え、一時の沈黙を挟むと、桔流は次に、未だ視線は合わせぬまま、法雨へと静かに紡ぐ。
「法雨さんも……、――“そんな事”……、――もう、二度としないでください……」
「――桔流君……」
足元に視線を落としたままの――その桔流の表情は、悔しさを滲ませていた。
それに、彼の深い想いを感じた法雨は、次いで謝罪を述べようとするが、先に、桔流が続けた。
「――法雨さんが、俺たちスタッフの事を大切に想ってくれてる事は、俺も、よく分かってます……。――でも、――だからって、“そんな事”までして護られても……、――少なくとも、俺は、――全然嬉しくないですし、寧ろ、嫌です。――法雨さんが俺らを護るために、そんな風にされるくらいだったら、――いっそ、俺がそいつらにマワされた方が、何倍もいいです」
「桔流君……」
その桔流の名を、法雨が今一度呼ぶと、彼はさらに紡ぐ。
「――だから、法雨さん……。――コイツとの事は、もう解決したみたいですけど……、――今後は、もう二度と、“そんな事”、絶対に赦さないでください。――俺も、法雨さんに救われた身ですから、――そんな法雨さんは、俺にとっても、すごく大事な人なんです」
法雨は、その真っ直ぐな言葉に、胸が温かくなるのを感じながら、紡がれる言葉たちを静かに受け取るに徹する。
「――法雨さんからしたら、きっと、俺はまだまだガキに見えてるんだと思います。――でも、それなりにでかくなったガキなんで……、――今後、“そういう事”があった時は、最初じゃなくてもいいんで、俺の事も、ちゃんと頼ってください……。――法雨さんも、法雨さんの身体も、誰かの欲望を満たさせてやるための道具じゃないんです……。――そら、自分から望んでしてる事なら、余計な口出しはしませんけど……。――そうじゃないなら、自分を“使わせる”ような事は、例え誰が相手でも、させないでください……。――これは、俺からの、何よりもの願いです。――どうか……、お願いします……」
そうして言葉を紡ぎ切った桔流は、未だ視線を落としたまま、一度黙した。
そして、京がはっきりとそう答えると、桔流は、
「そうか」
と、冷たく言い放つなり、間髪入れずに京の胸倉を手荒く引き、彼の身体をフロアの中央へと乱暴に放るようにした。
「き、桔流く」
そして、店仕舞いによってテーブルが寄せられ、ぽっかりと“都合の良い”スペースができていた店内の中央で、乱暴に放られた京は踏みとどまった――が、その京を休ませる間もなく、今度は左手で胸倉を掴み上げ、己の方へと引き寄せると、桔流は、その京の頬を手慣れた動作で一発殴り抜いた。
「――……ッ」
しかし、それでも京は倒れなかった。
ただ、反撃も抵抗もしなかった――。
その静寂の中、京は、次の殴打をも受け入れる意志を示すかのように、ただ、自戒の表情で、桔流をまっすぐに見据えるだけだった。
だが、その次の戒めは訪れず――、代わりに、桔流の――酷く悔しそうな声が、言葉を紡いだ。
「ふざけんな……、クソ野郎……」
京は、そんな桔流が、ただの憎しみや怒りから自身を殴ったのではないという事を悟ってか、また苦しそうな顔をすると、頭を下げて言った。
「……悪い。――もう二度としない」
桔流は、それに一度舌打ちをすると、気持ちを落ち着かせる様にして深呼吸をし、言った。
「――当たり前だ。大馬鹿野郎。――次なんてあってみろよ。――そん時はお前を存分に痛めつけた後に殺してやる」
京は、それに、――恐らくは本気で、
「あぁ。――そうしてくれ……」
と、言い、静かに唇の端の血を拭った。
そして、その京をしばし見据え、一時の沈黙を挟むと、桔流は次に、未だ視線は合わせぬまま、法雨へと静かに紡ぐ。
「法雨さんも……、――“そんな事”……、――もう、二度としないでください……」
「――桔流君……」
足元に視線を落としたままの――その桔流の表情は、悔しさを滲ませていた。
それに、彼の深い想いを感じた法雨は、次いで謝罪を述べようとするが、先に、桔流が続けた。
「――法雨さんが、俺たちスタッフの事を大切に想ってくれてる事は、俺も、よく分かってます……。――でも、――だからって、“そんな事”までして護られても……、――少なくとも、俺は、――全然嬉しくないですし、寧ろ、嫌です。――法雨さんが俺らを護るために、そんな風にされるくらいだったら、――いっそ、俺がそいつらにマワされた方が、何倍もいいです」
「桔流君……」
その桔流の名を、法雨が今一度呼ぶと、彼はさらに紡ぐ。
「――だから、法雨さん……。――コイツとの事は、もう解決したみたいですけど……、――今後は、もう二度と、“そんな事”、絶対に赦さないでください。――俺も、法雨さんに救われた身ですから、――そんな法雨さんは、俺にとっても、すごく大事な人なんです」
法雨は、その真っ直ぐな言葉に、胸が温かくなるのを感じながら、紡がれる言葉たちを静かに受け取るに徹する。
「――法雨さんからしたら、きっと、俺はまだまだガキに見えてるんだと思います。――でも、それなりにでかくなったガキなんで……、――今後、“そういう事”があった時は、最初じゃなくてもいいんで、俺の事も、ちゃんと頼ってください……。――法雨さんも、法雨さんの身体も、誰かの欲望を満たさせてやるための道具じゃないんです……。――そら、自分から望んでしてる事なら、余計な口出しはしませんけど……。――そうじゃないなら、自分を“使わせる”ような事は、例え誰が相手でも、させないでください……。――これは、俺からの、何よりもの願いです。――どうか……、お願いします……」
そうして言葉を紡ぎ切った桔流は、未だ視線を落としたまま、一度黙した。
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