運命に惑うケモミミBL♂ハイスペ愛情深🐺×恋歴難美人オネェ🐱『ロドンのキセキ🌹翠玉のケエス💎輝石ノ箱ヨリ⚙️芽吹』連載中

🍶醇壱🔹JUNICHI🍶

文字の大きさ
74 / 91
🌹『翠玉のケエス:芽吹』🌹 本編 💎 The STAR:U 💎

Drop.023『 The STAR:U〈Ⅱ〉』【3】

しおりを挟む
「――例えば、目の前で大切なブローチを失くして困っている女の子が居たならば、その宝物を一緒に探してやりたい。――例えば、大きな音に驚いた愛犬が、飼い主の手を離れてしまい、公園内のどこかへ逃げ込んでしまったのなら、一緒に探して、その愛犬を飼い主の元に帰してやりたいのです。――ですから、――その眼前の“小さな大事”に対し、“今は構っていられない”としなければならない事が、俺にとっては苦痛でした。――だから、集団で動く環境が合う者たちが集団で出来る事をする中、俺は、自分に合った、個人でしかできない事をしようと、――そう思うに至ったのです」
「そう、だったのですね……。――では、それが、警察をお辞めになって、探偵になられた理由……」
「――そうです。――期待に応られる様な理由でなくて、恐縮ですが」
 法雨は、そうして己について紡いだ雷が、ひとつ照れくさそうに苦笑すると、ゆっくりと首を振って言った。
「いえ、とんでもありませんわ。――とっても素敵な理由です。――それに、そうして雷さんが探偵になってくださったから、アタシも、みさとたちも、雷さんに救ってもらえたんです。――特に、京たちの事については、アタシの場合、ただあの子たちの欲求を受け入れて、許容してあげる事しか出来なかった。――ですから、あの子たちが闇に堕ちてゆくのを止められたのは、雷さんが手を貸してくださったからです」
 法雨は、水滴で曇ったグラスを親指で撫で、楕円の窓を作ると、続けた。
「――もし、あの子たちがあのままアタシを“食べ”続けて、最終的にアタシに飽きてしまったら、今度はまた別の人に同じ事をと、その行いを繰り返す様になっていたかもしれない。――でも、あの時あそこに雷さんが来てくださったから、あの子たちは、“獣”から“人”に戻れたんです。――ですから、これだけの大勢をも救う未来まで作った理由ですから。――本当に、とってもとっても、素敵な理由ですわ」
 雷は、そう言い微笑んだ法雨に、穏やかな笑顔と礼を返す。
「ありがとうございます。――そう言って頂けると、嬉しいです」
「ふふ。こちらこそ。――お教えくださって、ありがとうございました。――大満足です」
「ははは。――それなら良かったです」
 そして、礼を贈り合った雷と法雨が、二人でまたしばし笑い合った後――、ひとつ、思う様にして間を置いた雷は、ふと、法雨の名を呼んだ――。
 
 
 
 
 
Next → Drop.024『 The STAR:U〈Ⅲ〉』
 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

僕のポラリス

璃々丸
BL
 陰キャでオタクなボクにも遂に春が来た!?  先生からだけで無く、クラスカースト上位の陽キャ達も、近隣に幅を効かせる不良達からも一目置かれるまるで頭上の星のようなひとだ。  しかも、オタクにまで優しい。たまたま読んでいたボクの大好きなコミック「恋色なな色どろっぷす」を指差して、「あ、ソレ面白いよね」なんて話しかけられて以来、何かと話しかけられるようになっていった。  これだけだとたまたまかな?と思うけど距離も何かと近くて・・・・・・コレ、ってボクの勘違い?それとも?  ・・・・・・なぁーんて、ボクの自意識過剰かな。  なんて、ボクの片思いから始まる甘酸っぱいお話。  みたいなBSS未満なお話。  

【完結】白い森の奥深く

N2O
BL
命を助けられた男と、本当の姿を隠した少年の恋の話。 本編/番外編完結しました。 さらりと読めます。 表紙絵 ⇨ 其間 様 X(@sonoma_59)

たとえ運命じゃなくても、僕は

mimi
BL
「僕は自分の気持ちを信じたい。 たとえ運命から背を背けようとも」 音楽大学に通うΩの青年・相田ひなた。 努力家の先輩αと、 運命の番だと告げられた天才α。 運命か、愛情か―― 選ぶのは、僕自身だ。 ※直接的な描写はありません。

役を降りる夜

相沢蒼依
BL
ワンナイトから始まった関係は、恋じゃなくて契約だった―― 大学時代の先輩・高瀬と、警備員の三好。再会の夜に交わしたのは、感情を持たないはずの関係だった。 けれど高瀬は、無自覚に条件を破り続ける。三好は、契約を守るために嘘をついた。 本命と会った夜、それでも高瀬が向かったのは――三好の部屋だった。そこからふたりの関係が揺らいでいく。

青龍将軍の新婚生活

蒼井あざらし
BL
犬猿の仲だった青辰国と涼白国は長年の争いに終止符を打ち、友好を結ぶこととなった。その友好の証として、それぞれの国を代表する二人の将軍――青龍将軍と白虎将軍の婚姻話が持ち上がる。 武勇名高い二人の将軍の婚姻は政略結婚であることが火を見るより明らかで、国民の誰もが「国境沿いで睨み合いをしていた将軍同士の結婚など上手くいくはずがない」と心の中では思っていた。 そんな国民たちの心配と期待を背負い、青辰の青龍将軍・星燐は家族に高らかに宣言し母国を旅立った。 「私は……良き伴侶となり幸せな家庭を築いて参ります!」 幼少期から伴侶となる人に尽くしたいという願望を持っていた星燐の願いは叶うのか。 中華風政略結婚ラブコメ。 ※他のサイトにも投稿しています。

何故よりにもよって恋愛ゲームの親友ルートに突入するのか

BL
平凡な学生だったはずの俺が転生したのは、恋愛ゲーム世界の“王子”という役割。 ……けれど、攻略対象の女の子たちは次々に幸せを見つけて旅立ち、 気づけば残されたのは――幼馴染みであり、忠誠を誓った騎士アレスだけだった。 「僕は、あなたを守ると決めたのです」 いつも優しく、忠実で、完璧すぎるその親友。 けれど次第に、その視線が“友人”のそれではないことに気づき始め――? 身分差? 常識? そんなものは、もうどうでもいい。 “王子”である俺は、彼に恋をした。 だからこそ、全部受け止める。たとえ、世界がどう言おうとも。 これは転生者としての使命を終え、“ただの一人の少年”として生きると決めた王子と、 彼だけを見つめ続けた騎士の、 世界でいちばん優しくて、少しだけ不器用な、じれじれ純愛ファンタジー。

人並みに嫉妬くらいします

米奏よぞら
BL
流されやすい攻め×激重受け 高校時代に学校一のモテ男から告白されて付き合ったはいいものの、交際四年目に彼の束縛の強さに我慢の限界がきてしまった主人公のお話です。

君が僕を好きなことを知ってる

大天使ミコエル
BL
【完結】 ある日、亮太が友人から聞かされたのは、話したこともないクラスメイトの礼央が亮太を嫌っているという話だった。 けど、話してみると違和感がある。 これは、嫌っているっていうより……。 どうやら、れおくんは、俺のことが好きらしい。 ほのぼの青春BLです。 ◇◇◇◇◇ 全100話+あとがき ◇◇◇◇◇

処理中です...