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🌹『翠玉のケエス:芽吹』🌹 本編 💎 The LOVERS:U 💎
Drop.027『 The LOVERS:U〈Ⅱ〉』【3】
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「あぁ。――何せ、法雨さんがこれだけ美人なんだ。――幼い法雨さんが法雨さんのお母様に憧れを抱いた事がきっかけで、今の法雨さんがあるというのは、――お母様にお会いしていなくとも、納得のいく話だなと思ってね」
そんな雷に、法雨は嬉しそうに笑んでは言う。
「まぁ、相変わらずお上手。――でも、母の事を褒めてもらえる事は、アタシにとってもすごく嬉しい事だから、今回は、素直に受け取らせて頂くわね」
「ははは。そうしてくれると嬉しいよ。――こういう事は、本心でしか言わないからね」
「ふふ」
そうして互いに笑み合う中、法雨は、髪を撫でる雷の手の心地よさに身を委ねながら、彼の後ろで退屈そうに佇む漆黒の尾を見やると、ひとつ、零すようにして紡いだ。
「幼い頃と云えば……そう……。――アタシ、もうひとつ、憧れていたものがあったの……」
「おや、そうだったのか。――もうひとつは、なんだったんだい?」
紡ぐ法雨に微笑み、その頬に手を添えた雷が優しい声で問うと、法雨は、そんな雷の手に自身の手を添えては、海色の双眸を見つめ――、言った。
「――幼いアタシはね……、ずっと……、ずっと……、――オオカミの王子様に憧れていたの……」
「――オオカミの……王子様……?」
「そう……」
雷の手に頬を寄せるようにした法雨は、そう言うと、やんわりと瞳を閉じ、静かに続けた。
「――幼い頃は毎晩、母や父が、色々な絵本を読んでくれていたの。――それで、そうして読んでもらう絵本の中でも、アタシは――、主人公の王子様が、囚われのお姫様を救い出すために、悪い魔法使いや魔王、時には恐ろしいドラゴンに立ち向かい、お姫様を見事に救い出して、結ばれて、幸せに暮らす――、そんな物語の絵本がすごく好きだった……」
紡ぐ法雨に、雷が静かに相槌を打つと、法雨は、ふ、と笑んでは続ける。
「――それでね……、一番のお気に入りが、オオカミの王子様が出てくる絵本だったの。――その王子様はね、カッコイイだけじゃなく、強くて、優しくて、とっても勇敢だった……。――だから、アタシ、――将来は、そのオオカミの王子様みたいに素敵な運命の人に出逢って、アタシの母や、絵本の中のお姫様みたいに、その人と結ばれて、幸せになりたいって思うようになったの……。――それで、そう思うきっかけの王子様がオオカミだったからか、アタシは……、――どうしてか、オオカミ族の人を好きになる事が多かったのよね」
「――そうだったのか……」
「えぇ……」
またひとつ、雷から優しく贈られた相槌に頷くと、法雨は、彼の手に添えた手にやんわりと力を込め、ふと開いた瞳を伏せながらさらに続けた。
「――でも……、現実のオオカミは、あの王子様とは正反対だった――なんて事も多くてね……。――まぁ、“それが現実”って事だったのよね……。――それで……」
そう紡いだ法雨は、何かを払う様にして、その長くしながやな尾をひとつ波打たせると、雷の手に添えていた手をそっと自身の膝元に降ろし、顔を伏せると、その両手を、小さく握る様にした。
「――それで結局……、――あの“最低最悪のオオカミ”との出遭いを最後に……、――運命の出逢いなんてものに、憧れを抱くのをやめたの……」
「――そうか……」
そんな法雨に、雷は優しく言うと、揃えて小さく握られた法雨の両手を、その大きな手で覆い、護る様にしては、続けた。
そんな雷に、法雨は嬉しそうに笑んでは言う。
「まぁ、相変わらずお上手。――でも、母の事を褒めてもらえる事は、アタシにとってもすごく嬉しい事だから、今回は、素直に受け取らせて頂くわね」
「ははは。そうしてくれると嬉しいよ。――こういう事は、本心でしか言わないからね」
「ふふ」
そうして互いに笑み合う中、法雨は、髪を撫でる雷の手の心地よさに身を委ねながら、彼の後ろで退屈そうに佇む漆黒の尾を見やると、ひとつ、零すようにして紡いだ。
「幼い頃と云えば……そう……。――アタシ、もうひとつ、憧れていたものがあったの……」
「おや、そうだったのか。――もうひとつは、なんだったんだい?」
紡ぐ法雨に微笑み、その頬に手を添えた雷が優しい声で問うと、法雨は、そんな雷の手に自身の手を添えては、海色の双眸を見つめ――、言った。
「――幼いアタシはね……、ずっと……、ずっと……、――オオカミの王子様に憧れていたの……」
「――オオカミの……王子様……?」
「そう……」
雷の手に頬を寄せるようにした法雨は、そう言うと、やんわりと瞳を閉じ、静かに続けた。
「――幼い頃は毎晩、母や父が、色々な絵本を読んでくれていたの。――それで、そうして読んでもらう絵本の中でも、アタシは――、主人公の王子様が、囚われのお姫様を救い出すために、悪い魔法使いや魔王、時には恐ろしいドラゴンに立ち向かい、お姫様を見事に救い出して、結ばれて、幸せに暮らす――、そんな物語の絵本がすごく好きだった……」
紡ぐ法雨に、雷が静かに相槌を打つと、法雨は、ふ、と笑んでは続ける。
「――それでね……、一番のお気に入りが、オオカミの王子様が出てくる絵本だったの。――その王子様はね、カッコイイだけじゃなく、強くて、優しくて、とっても勇敢だった……。――だから、アタシ、――将来は、そのオオカミの王子様みたいに素敵な運命の人に出逢って、アタシの母や、絵本の中のお姫様みたいに、その人と結ばれて、幸せになりたいって思うようになったの……。――それで、そう思うきっかけの王子様がオオカミだったからか、アタシは……、――どうしてか、オオカミ族の人を好きになる事が多かったのよね」
「――そうだったのか……」
「えぇ……」
またひとつ、雷から優しく贈られた相槌に頷くと、法雨は、彼の手に添えた手にやんわりと力を込め、ふと開いた瞳を伏せながらさらに続けた。
「――でも……、現実のオオカミは、あの王子様とは正反対だった――なんて事も多くてね……。――まぁ、“それが現実”って事だったのよね……。――それで……」
そう紡いだ法雨は、何かを払う様にして、その長くしながやな尾をひとつ波打たせると、雷の手に添えていた手をそっと自身の膝元に降ろし、顔を伏せると、その両手を、小さく握る様にした。
「――それで結局……、――あの“最低最悪のオオカミ”との出遭いを最後に……、――運命の出逢いなんてものに、憧れを抱くのをやめたの……」
「――そうか……」
そんな法雨に、雷は優しく言うと、揃えて小さく握られた法雨の両手を、その大きな手で覆い、護る様にしては、続けた。
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