運命に惑うケモミミBL♂ハイスペ愛情深🐺×恋歴難美人オネェ🐱『ロドンのキセキ🌹翠玉のケエス💎輝石ノ箱ヨリ⚙️芽吹』全31話

🍶醇壱🔹JUNICHI🍶

文字の大きさ
93 / 109
🌹『翠玉のケエス:芽吹』🌹 本編 💎 The SUN:U 💎

Drop.028『 The SUN:U〈Ⅰ〉』【2】

しおりを挟む
「――ご注文はお決まりですか?」
 それに次ぎ、桔流が笑顔で問うと、雷はメニューを片手に言った。
「そうだね。――じゃあ、今夜はスノウカードを頂こうかな」
 つい秋頃までは、クラフトビールをひとつ目として馴染ませていた雷だが、冬に入ってからは、まずその身を温めるべく、ウィスキーをひとつ目とするようになっていた。
 そんな雷が、季節のメニューから選んだウィスキーの名を告げると、桔流はにこりと笑んで応じる。
「かしこまりました。――それでは、ストレートでお持ちしますね。――……と、あと」
 そうして、バーテンダーの役目をひとつこなした桔流は、そこでしばし声を潜めると、
「――法雨さん。――もう少しで出てきますので……」
 と、続けた。
 すると、その桔流に、雷は、
「あぁ。――ははは。有難う。――じゃあ、“慌てずにどうぞ”と……」
 と穏やかに笑っては、伝言を託した。
 桔流は、そうして伝言を賜ると、愛嬌のある笑顔で言った。
「ふふ。了解です。――お任せください」
 そんな桔流は、一度バックヤードへ入るなり、再びフロアへと戻ってくると、美しい琥珀色を揺らがせるグラスと、目新しい前菜を、雷のもとへと送り届けた。
 雷は、その桔流にまた丁寧に礼を告げると、彼が届けてくれた美味を楽しみながら、先々のスケジュール確認をするべく、スマートフォンを取り出した。
 すると、不意に振動したスマートフォンが、メッセージの到着を報せた。
 雷は、その報せが示す送り主の名――“みさと”の字を見ては、漆黒の三角耳をやんわりと立て、少しばかり眉を上げる様にしたが――、メッセージの中身を確認するなり、ふ、と笑むと、そのまま返事を打ち始めた。
 それから少しして、その京とのやりとりを終えた雷は、ふと、馴染みのある声を聞きつけるなり、耳が向くに倣い、そちらに視線をやった。
「アラ。いらっしゃいませ。お久しぶりですね。ハンターさん? ――メリークリスマスですわ」
 すると――、先ほど来店したらしいクロヒョウ族の客に、法雨が声をかけていた。
 雷は、その様子を確認するなり、ひとつ苦笑した。
 と云うのも、そうして声をかけられたクロヒョウ族の彼は、何やら動揺しているらしい様子であったからだ。
 恐らくは、何やらと法雨にからかわれたのだろう――。
 そう思いながら、これ以上の盗み見も無礼と判じた雷は、再び手元に視線を戻すと、テーブルの色を交え始めた琥珀色を、ゆったりと飲み干した。
 そんな雷が、すっかりと軽くなったグラスを優しく降ろしてやると、そのグラスの向こうから耳心地の良い声が贈られた。
「――メリークリスマス。雷さん」
 それに顔を上げると、雷もまた、微笑みながら挨拶を贈った。
「メリークリスマス。――法雨さん」
 そんな雷に、法雨は幸せに満ちた笑顔を返すと、ふふと笑った。
 雷は、その様子に愛おしげに笑みを返すと、次いで、店内を見やりながら言う。
「今年も大盛況だね」
 それに、法雨は満足げに言う。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

キサラギムツキ
BL
長い間アプローチし続け恋人同士になれたのはよかったが…………… 攻め視点から最後受け視点。 残酷な描写があります。気になる方はお気をつけください。

天啓によると殿下の婚約者ではなくなります

ふゆきまゆ
BL
この国に生きる者は必ず受けなければいけない「天啓の儀」。それはその者が未来で最も大きく人生が動く時を見せる。 フィルニース国の貴族令息、アレンシカ・リリーベルは天啓の儀で未来を見た。きっと殿下との結婚式が映されると信じて。しかし悲しくも映ったのは殿下から婚約破棄される未来だった。腕の中に別の人を抱きながら。自分には冷たい殿下がそんなに愛している人ならば、自分は穏便に身を引いて二人を祝福しましょう。そうして一年後、学園に入学後に出会った友人になった将来の殿下の想い人をそれとなく応援しようと思ったら…。 ●婚約破棄ものですが主人公に悪役令息、転生転移、回帰の要素はありません。 性表現は一切出てきません。

【完結】オーロラ魔法士と第3王子

N2O
BL
全16話 ※2022.2.18 完結しました。ありがとうございました。 ※2023.11.18 文章を整えました。 辺境伯爵家次男のリーシュ・ギデオン(16)が、突然第3王子のラファド・ミファエル(18)の専属魔法士に任命された。 「なんで、僕?」 一人狼第3王子×黒髪美人魔法士 設定はふんわりです。 小説を書くのは初めてなので、何卒ご容赦ください。 嫌な人が出てこない、ふわふわハッピーエンドを書きたくて始めました。 感想聞かせていただけると大変嬉しいです。 表紙絵 ⇨ キラクニ 様 X(@kirakunibl)

もう一度、その腕に

結衣可
BL
もう一度、その腕に

はじまりの朝

さくら乃
BL
子どもの頃は仲が良かった幼なじみ。 ある出来事をきっかけに離れてしまう。 中学は別の学校へ、そして、高校で再会するが、あの頃の彼とはいろいろ違いすぎて……。 これから始まる恋物語の、それは、“はじまりの朝”。 ✳『番外編〜はじまりの裏側で』  『はじまりの朝』はナナ目線。しかし、その裏側では他キャラもいろいろ思っているはず。そんな彼ら目線のエピソード。

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

放課後教室

Kokonuca.
BL
ある放課後の教室で彼に起こった凶事からすべて始まる

雪を溶かすように

春野ひつじ
BL
人間と獣人の争いが終わった。 和平の条件で人間の国へ人質としていった獣人国の第八王子、薫(ゆき)。そして、薫を助けた人間国の第一王子、悠(はる)。二人の距離は次第に近づいていくが、実は薫が人間国に行くことになったのには理由があった……。 溺愛・甘々です。 *物語の進み方がゆっくりです。エブリスタにも掲載しています

処理中です...