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第一部
治療と称していただきます(14)
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「…思っていたものと、何か、違う…」
「私、レイモンドの頭の中、覗いてみたいなあ」
「…もっと、こう…僕が…」
レイモンドは何かぶつぶつと言いながら、顔を両手でおおっている。
(レイモンドがリードして私を喘がせたかったのかしら)
初めてのレイモンドには難しいことだ。残念ながら、現実はこんなものだと諦めるしかない。
「気持ちよくなかった?」
「………………………よかった、です、けど…」
エレノーラはまだ少し不服そうなレイモンドに、放り出していた下着とズボンを手渡す。彼は、口をへの字にして眉間に皺を寄せるという、微妙な顔をした。渋々下着とズボンを履いたレイモンドはふたたび両手で顔を覆う。
「じゃあ、また仕切り直ししたらいいじゃない。これから、いくらでも機会があるでしょう?結婚するんだから」
エレノーラの言葉にレイモンドは目を丸めて顔を上げ、直ぐに満面の笑みを浮かべた。
(…レイモンドって、こんなに笑うんだ)
彼女と気持ちを通じわせ、結婚を約束して、今日のレイモンドは浮かれてよく笑っている。エレノーラも、諦めていた彼となの未来を得られるのだと思うと、浮かれてしまう。その気持ちのまま、彼女は立ち上がったレイモンドの腕に抱きついた。
「ね、レイモンド。早く帰って、今度は屋内で二人っきりになろう?」
エレノーラが甘えるような声でそう言って見上げると、彼からは想像していなかった反応が返ってきた。先程の笑顔とは打って変わって、レイモンドは顔を青くして声を上げる。
「今日はもう、無理ですから!」
ちょっと、搾り取りすぎたらしい。
「私、レイモンドの頭の中、覗いてみたいなあ」
「…もっと、こう…僕が…」
レイモンドは何かぶつぶつと言いながら、顔を両手でおおっている。
(レイモンドがリードして私を喘がせたかったのかしら)
初めてのレイモンドには難しいことだ。残念ながら、現実はこんなものだと諦めるしかない。
「気持ちよくなかった?」
「………………………よかった、です、けど…」
エレノーラはまだ少し不服そうなレイモンドに、放り出していた下着とズボンを手渡す。彼は、口をへの字にして眉間に皺を寄せるという、微妙な顔をした。渋々下着とズボンを履いたレイモンドはふたたび両手で顔を覆う。
「じゃあ、また仕切り直ししたらいいじゃない。これから、いくらでも機会があるでしょう?結婚するんだから」
エレノーラの言葉にレイモンドは目を丸めて顔を上げ、直ぐに満面の笑みを浮かべた。
(…レイモンドって、こんなに笑うんだ)
彼女と気持ちを通じわせ、結婚を約束して、今日のレイモンドは浮かれてよく笑っている。エレノーラも、諦めていた彼となの未来を得られるのだと思うと、浮かれてしまう。その気持ちのまま、彼女は立ち上がったレイモンドの腕に抱きついた。
「ね、レイモンド。早く帰って、今度は屋内で二人っきりになろう?」
エレノーラが甘えるような声でそう言って見上げると、彼からは想像していなかった反応が返ってきた。先程の笑顔とは打って変わって、レイモンドは顔を青くして声を上げる。
「今日はもう、無理ですから!」
ちょっと、搾り取りすぎたらしい。
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