エルーシアの物語

ねむ太朗

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  こっそり準備をはじめてから三日が経った。
  最低限の衣類とお金は少し現金で持っている。それからお金に換金する為の宝石類を袋に詰めた。
  最後に誘拐と勘違いされないように、家族に向けて手紙も書いた。

  よし!  これで完璧ね。

  今はかなり朝早い。一番先に起きる使用人よりも早い時間。

  私は手紙を机の上に置き、音も立てずにこっそりと家の中を抜け出した。

  外はまだ真っ暗だった。計画を成功させるには、朝一の東の領地行きの辻馬車に乗らないといけない。

  私は乗り場に到着をしたが、まだ誰もいなかった。
  仕方がないので町の中を散歩して時間を潰す事にした。

  朝日が出てくると、町の風景が輝いた。ちょうど辻馬車も到着したので、乗り込んだ。

  持っていた現金だけで、二つ隣の領地に着く事が出来た。
  私は宝石類を換金しに行く。三つ持ってきたネックレスは、それなりの値段になったので、しばらく職が見つからなくても何とかなるだろう。

  結構なお金になって良かったわ。
  念のために、イヤリングは売らずに取って置きましょう。

  私は町で昼食を取り、また別の辻馬車に乗った。
  プラメル領は、少し西よりだから東の方の領地に出るには時間が掛かるわね。

  やや東よりに来る事が出来たので、今日はここら辺の宿屋に泊まる事にした。

  宿屋の近くの飲食店で夕食を食べていると、男の人に話掛けられた。

「嬢ちゃん一人かい?  暇なら俺達の話し相手をしておくれ」

「ごめんなさい。この後、約束がありますので失礼します」

「約束があるのに、一人で食べていたのか?」

「ええ、もう食べ終わりましたので失礼します」

  私は飲食店を急いで出た。相手は、まだ完全に酔っぱらってはいなかったから良かったと思った。

  宿屋に戻り明日の事を考えた。

  やはり、もう少し東に行った方がいいわね。繁華街は危ないわ。比較的小さくてのどかな町がいいわね。

  今日はだいぶ疲れたのでいつもよりも早い時間に眠りについた。

  次の日の朝になり、私は宿屋を出てから朝食を食べる。
  食後はすぐに東の方へ行く辻馬車に乗った。

  途中で降りて昼食を取ったりしながら、のんびりとした旅になった。

  夕方になりまた宿屋に泊まる。
  夕食も食べてきた……

  それから数日が経ち、家を出てから五日が経った。
  今は、五日目の夜。

  だいぶ東の方に来れたわね。
  そろそろこの辺りで職を探そうかしら?

  私はのどかな雰囲気の町にいる。
  町の中心には、店などもあり田舎という程でも無さそうだ。

  私は次の日の朝から、職探しを始めた。
  今は、パン屋に来ている。

「すみません。職を探しているのですが、人は足りていますか?」

「ごめんね。足りているよ」

「そうですか」

  はじめからうまくなんていかないわよね。
  そう思った私は、いくつかの飲食店に声を掛けるが全滅だった。

  この町の人手が足りているのよ!
  明日は、少し南の方に移動をしましょう。

  次の日近くの町に行って探したが、結果は同じだった。

  お金が厳しくなってきた私は、イヤリングを手放す事にした。

  こんな事なら、もっと安い宿屋に泊まっておけば良かったわ。
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