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七、福岡
(五)
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「どうしたの?」
「いえ、なんでもないわ。」
照代は、笑っていた。宮本には照代が笑っている理由がわからなかった。
ポットが小刻みに震え、お湯ができあがった事を知らせていた。宮本は、テーブルの上にあるカップに、フリーズドライのコーヒーの粉末を入れ、お湯を注いだ。同じものをもう一つ作り、照代に手渡した。照代は、両手で抱えるように受け取ると、一口飲んだ。
「これからどこか行く?」
照代が口を開いた。宮本は、当てがないので、返答に窮した。
「明日は、太宰府天満宮に行きましょうよ。」
「ああ、いいよ。」
「でも、今日はどこも考えてないのよね。近くを散歩してみる?」
「なにかあるの?」
「わかんない。」
自分から福岡に行こうと言っておいて、まるで予定を立てていない事に呆れたが、ここまで来てしまった以上、文句を言っても仕方がなかった。しかし、どうして福岡に来たがったのだろうか、その理由をはっきり聞いていなかった事を思い出した。宮本は、会話のきっかけをつくる振りをして、口に出してみた。
「福岡に来たのは何か理由があるのかい?」
照代は、目にかすかな動揺を見せたが、平静に「別にこれと言った理由はないけど。」と答えた。
「他の場所でも良かったんじゃないのか?」
一瞬、照代の目に怒気が浮かぶのが見えた気がした。宮本はひるんだ。
「いいでしょ、福岡でも。」
宮本は黙った。
照代は、再び、宮本に覆い被さって、自分の全体重を乗せてベッドに押し倒した。
「することがないなら、今からしない?」
仰向けに倒れた宮本の上で、照代は言った。宮本に、その気はなかったが、他にすることがないのは、事実なので、なるように任せる事にした。照代は宮本に唇を押しつけた。そのまま、首筋に唇をはわせ、抱きついたまま、胸の上で動かなくなった。しかたないので、宮本は、照代を下にすると、服を脱がせ始め、そして愛撫を始めた。照代はしがみついてきた。そのまま、二人は絡み合って、一時間ばかり、愛し合った。照代は、「安全日だから。」と言って、避妊具をつけないまま、始めさせた。最後は中で果てた。
宮本は、照代の上でどっと疲れに襲われた肉体を置いて、ぼおっとしていた。
なんでここにいるのだろう、と疑問が脳裏を薄いもやのように漂っていたが、思慮を重ねる気力はなかった。宮本は照代の上から離れると、横に並んで目を閉じた。
「いえ、なんでもないわ。」
照代は、笑っていた。宮本には照代が笑っている理由がわからなかった。
ポットが小刻みに震え、お湯ができあがった事を知らせていた。宮本は、テーブルの上にあるカップに、フリーズドライのコーヒーの粉末を入れ、お湯を注いだ。同じものをもう一つ作り、照代に手渡した。照代は、両手で抱えるように受け取ると、一口飲んだ。
「これからどこか行く?」
照代が口を開いた。宮本は、当てがないので、返答に窮した。
「明日は、太宰府天満宮に行きましょうよ。」
「ああ、いいよ。」
「でも、今日はどこも考えてないのよね。近くを散歩してみる?」
「なにかあるの?」
「わかんない。」
自分から福岡に行こうと言っておいて、まるで予定を立てていない事に呆れたが、ここまで来てしまった以上、文句を言っても仕方がなかった。しかし、どうして福岡に来たがったのだろうか、その理由をはっきり聞いていなかった事を思い出した。宮本は、会話のきっかけをつくる振りをして、口に出してみた。
「福岡に来たのは何か理由があるのかい?」
照代は、目にかすかな動揺を見せたが、平静に「別にこれと言った理由はないけど。」と答えた。
「他の場所でも良かったんじゃないのか?」
一瞬、照代の目に怒気が浮かぶのが見えた気がした。宮本はひるんだ。
「いいでしょ、福岡でも。」
宮本は黙った。
照代は、再び、宮本に覆い被さって、自分の全体重を乗せてベッドに押し倒した。
「することがないなら、今からしない?」
仰向けに倒れた宮本の上で、照代は言った。宮本に、その気はなかったが、他にすることがないのは、事実なので、なるように任せる事にした。照代は宮本に唇を押しつけた。そのまま、首筋に唇をはわせ、抱きついたまま、胸の上で動かなくなった。しかたないので、宮本は、照代を下にすると、服を脱がせ始め、そして愛撫を始めた。照代はしがみついてきた。そのまま、二人は絡み合って、一時間ばかり、愛し合った。照代は、「安全日だから。」と言って、避妊具をつけないまま、始めさせた。最後は中で果てた。
宮本は、照代の上でどっと疲れに襲われた肉体を置いて、ぼおっとしていた。
なんでここにいるのだろう、と疑問が脳裏を薄いもやのように漂っていたが、思慮を重ねる気力はなかった。宮本は照代の上から離れると、横に並んで目を閉じた。
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