三首の和歌

斐川 帙

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八、太宰府天満宮

(一)

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 翌朝、七時に目が覚めた。もう、照代は服を着替えていた。そして、テレビをつけて朝のニュースを見ていた。テレビの音で宮本の睡眠が中断されたのだ。宮本は布団に入ったまま、テレビを眺めていた。
 「起きた?じゃ、早く着替えて。ご飯食べに一階のレストラン行きましょ。」
 照代は、そう言うとテレビのスイッチを消した。
 一方、宮本の脳神経はまだうすぼんやりとしていて完全に目が覚めていなかった。それで、もうすこし布団の中にいたかったのだが、照代はお構いなしにまくし立てた。
 「太宰府行ってね、天神様に参拝するの。覚えてる?」
 「覚えてるよ。」
 「じゃ、朝食食べに行きましょ。」
 「もうすこし、寝てたい。」
 「だめ。」
 そう言って、照代は布団をひっぱがすと、宮本の腕を渾身の力でひっぱり、ベッドから引きずり出した。勢い余って、宮本はベッドから転げ落ちると、しかたないので、立ち上がり、風呂場に向かった。シャワーを浴びて目を覚ますためだ。
 「どこ行くの?」
 「体洗ってくる。」
 「わかった。早くしてね。」
 再び照代はテレビのスイッチをつけた。
 
 五分ほどでシャワーを済ますと宮本は全裸のまま、ワードローブを開け、適当な服を選び取って、着込んだ。照代は、テレビの朝のワイドショーに見入っていた。
 支度が済むと、宮本は「終わったよ。」と声をかけると机の上に放ってあったキーを取って、部屋の入り口に向かった。その姿を見て、照代も慌ててテレビを消すと、宮本の後を追って部屋を出た。
 一階に下りて、フロント脇からレストランに入った。簡単な朝食のメニューがあって、パンとジュースとハムエッグが用意されていた。寝ぼけ眼の客が多い中、二人は空いている席に座って、持ってきたセルフサービスの朝食をテーブルの上に並べて、食べ始めた。二人とも無口だった。
 レストランの窓から見える外の風景は灰色にくすんでいた。宮本は、そのくすみが降雪であることにしばらくして気づいた。
 「ねえ、雪が降ってるんじゃない?」
 照代は驚いて外を見た。窓の外には雪が静かに舞い降りていた。
 「雪だわね。珍しいわね、こんな時期に。」
 「福岡でも雪が降るんだね。」
 「多くはないけど、降るわよ。」
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