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番外編「初めての朝、甘い時間」
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玲花が皇后となって、初めて迎える朝。
隣で眠る愛しい人の気配に、玲花はそっと目を開けた。朝日が差し込む寝室で、すぐ目の前には瑛心の穏やかな寝顔がある。
いつも眉間に刻まれていた苦悩の影はなく、今はただ安らかに寝息を立てている。もう、悪夢にうなされることはない。その事実が、玲花を何よりも幸せな気持ちにさせた。
(本当に、私の夫(ひと)に……なったんだ)
まだ、夢の中にいるような気分だ。昨日、盛大な祝典の中で大勢の臣下や民に祝福され、自分は正式にこの国の皇后になった。後宮の片隅で針仕事をしていた頃には、想像もつかなかった未来。
玲花は、そっと手を伸ばし瑛心の頬に触れた。滑らかな肌の感触。夢ではない、確かな現実。
すると、触れられたことに気づいたのか瑛心の瞼がゆっくりと開いた。まだ少し眠たげな、とろんとした瞳が玲花を捉える。
「……玲花」
朝の、少し掠れた声で名前を呼ばれ、玲花の心臓がきゅっと甘くときめいた。
「おはようございます、陛下……あ、いえ、あなた」
まだ呼び方に慣れず頬を染める玲花を見て、瑛心はくすりと笑った。
「おはよう。……俺の、皇后様」
彼はそう言うと、玲花を腕の中に引き寄せぎゅっと抱きしめた。たくましい胸の中に、すっぽりと包まれる。彼の心臓の音が、とくん、とくん、と心地よく響いてきた。
「まだ、夢のようだ」
瑛心が、玲花の髪に顔をうずめてつぶやく。
「私もです。なんだか、ふわふわして……」
「俺もだ。朝、目覚めた時に腕の中にいるのがお前だなんてな。……最高の気分だ」
顔を上げた瑛心は、至近距離から玲花を見つめた。その瞳には深い愛情が宿っている。見つめられているだけで、体が溶けてしまいそうだった。
やがて、二人の唇が自然に重なり合う。
最初は触れるだけの優しい口づけ。それが、だんだんと熱を帯びて深くなっていく。
「ん……」
玲花が息苦しくなってそっと胸を押すと、瑛心は名残惜しそうに唇を離した。その目は、熱っぽく潤んでいる。
「……すまない。つい、夢中になった」
「い、いえ……」
真っ赤になって俯く玲花が愛しくて、瑛心は彼女の頬を優しく撫でた。
「今日は、一日政務も休みだ。どこかへ出かけるか?それとも、一日中ここでこうしているか?」
悪戯っぽく囁かれ、玲花はさらに顔を赤くする。
「で、でも……皇后としての、お仕事が……」
「初日くらい、良いだろう。それとも、俺と二人きりでいるのは退屈か?」
少し拗ねたような、甘えた声。皇帝である彼が、自分にだけ見せる素顔。それが、玲花にはたまらなく嬉しかった。
「そ、そんなことありません!あなたと、ずっと一緒にいられるなら、それが一番嬉しいです」
素直な気持ちを伝えると、瑛心は満足そうに微笑んだ。
「そうか。なら、決まりだな」
彼は、再び玲花を腕の中に閉じ込めた。
「もう少し、このままでいさせてくれ。お前の温もりを感じていたい」
「……はい」
玲花も、彼の背中にそっと腕を回した。
こうして、新しい皇帝と皇后の初めての朝は、誰にも邪魔されない甘く穏やかな時間の中に流れていった。
侍女たちが、朝の支度のために扉の外で待ちぼうけを食らうことになるのは、もう少し先の話である。
この先、二人には様々な困難が待ち受けているかもしれない。けれど、こうして二人でいればどんなことでも乗り越えていける。玲花は、瑛心の温かい胸の中でそう確信していた。
柔らかな朝日が、幸せな二人を優しく照らし続けていた。
隣で眠る愛しい人の気配に、玲花はそっと目を開けた。朝日が差し込む寝室で、すぐ目の前には瑛心の穏やかな寝顔がある。
いつも眉間に刻まれていた苦悩の影はなく、今はただ安らかに寝息を立てている。もう、悪夢にうなされることはない。その事実が、玲花を何よりも幸せな気持ちにさせた。
(本当に、私の夫(ひと)に……なったんだ)
まだ、夢の中にいるような気分だ。昨日、盛大な祝典の中で大勢の臣下や民に祝福され、自分は正式にこの国の皇后になった。後宮の片隅で針仕事をしていた頃には、想像もつかなかった未来。
玲花は、そっと手を伸ばし瑛心の頬に触れた。滑らかな肌の感触。夢ではない、確かな現実。
すると、触れられたことに気づいたのか瑛心の瞼がゆっくりと開いた。まだ少し眠たげな、とろんとした瞳が玲花を捉える。
「……玲花」
朝の、少し掠れた声で名前を呼ばれ、玲花の心臓がきゅっと甘くときめいた。
「おはようございます、陛下……あ、いえ、あなた」
まだ呼び方に慣れず頬を染める玲花を見て、瑛心はくすりと笑った。
「おはよう。……俺の、皇后様」
彼はそう言うと、玲花を腕の中に引き寄せぎゅっと抱きしめた。たくましい胸の中に、すっぽりと包まれる。彼の心臓の音が、とくん、とくん、と心地よく響いてきた。
「まだ、夢のようだ」
瑛心が、玲花の髪に顔をうずめてつぶやく。
「私もです。なんだか、ふわふわして……」
「俺もだ。朝、目覚めた時に腕の中にいるのがお前だなんてな。……最高の気分だ」
顔を上げた瑛心は、至近距離から玲花を見つめた。その瞳には深い愛情が宿っている。見つめられているだけで、体が溶けてしまいそうだった。
やがて、二人の唇が自然に重なり合う。
最初は触れるだけの優しい口づけ。それが、だんだんと熱を帯びて深くなっていく。
「ん……」
玲花が息苦しくなってそっと胸を押すと、瑛心は名残惜しそうに唇を離した。その目は、熱っぽく潤んでいる。
「……すまない。つい、夢中になった」
「い、いえ……」
真っ赤になって俯く玲花が愛しくて、瑛心は彼女の頬を優しく撫でた。
「今日は、一日政務も休みだ。どこかへ出かけるか?それとも、一日中ここでこうしているか?」
悪戯っぽく囁かれ、玲花はさらに顔を赤くする。
「で、でも……皇后としての、お仕事が……」
「初日くらい、良いだろう。それとも、俺と二人きりでいるのは退屈か?」
少し拗ねたような、甘えた声。皇帝である彼が、自分にだけ見せる素顔。それが、玲花にはたまらなく嬉しかった。
「そ、そんなことありません!あなたと、ずっと一緒にいられるなら、それが一番嬉しいです」
素直な気持ちを伝えると、瑛心は満足そうに微笑んだ。
「そうか。なら、決まりだな」
彼は、再び玲花を腕の中に閉じ込めた。
「もう少し、このままでいさせてくれ。お前の温もりを感じていたい」
「……はい」
玲花も、彼の背中にそっと腕を回した。
こうして、新しい皇帝と皇后の初めての朝は、誰にも邪魔されない甘く穏やかな時間の中に流れていった。
侍女たちが、朝の支度のために扉の外で待ちぼうけを食らうことになるのは、もう少し先の話である。
この先、二人には様々な困難が待ち受けているかもしれない。けれど、こうして二人でいればどんなことでも乗り越えていける。玲花は、瑛心の温かい胸の中でそう確信していた。
柔らかな朝日が、幸せな二人を優しく照らし続けていた。
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