34 / 80
5 王都タマリス
第27話 五公会・二人は政敵? 2
しおりを挟む
デイミオンはゆったり構えて、口端に笑みさえ浮かべていた。ものごとは自分の予想通りに動いている。
(リアナに王権を持たせておいても、害はないだろうが――情勢が変わった)
王城に到着してすぐ、デイミオンはそのことに気がついた。兄であるクローナン王を喪ったエンガス卿が、これまでどおりの権勢を保つため、デイミオンに接近してきたのだ。王位を狙う青年にとってはまさに渡りに船だった。大急ぎで婚約の形を整えたのは言うまでもない。
(あいつには肩すかしだろうが、まあ構うまい。白竜公を後見につけてやって、ライダーの訓練でもさせてやれば、本人も望みがかなって満足だろう)
リアナが入室する前に、デイミオンはほかの四人に向かって、彼女の情報を簡単に、そして自分に都合よく、開示した。
オンブリアの王政は、身もふたもなく言ってしまえば、五公十家の持ちまわり制だ。王家がないのは、子どもの生まれにくい竜族におけるいわば必要悪と考えられているが、『王権の正統性を確保できるのが、次の王太子の存在だけ』というのが、最大の欠点と言える。
現在のところ、リアナが王であるという根拠は、デイミオンの〈血の呼ばい〉だけ。彼自身はその正当性を知っているが、諸侯からすれば、デイミオンが扱いやすい小娘を適当に王に仕立て上げている可能性も考えられるだろう。エサルあたりがそれに言及するのではないかと思ったが(そしてその対策も用意していたが)、意外にも諸侯はすんなりと王位継承者の存在を認めた。つまり、それに連なって、自分にも継承権があることが認められたということになる。完全に、予定どおり。
ここまでくれば、あとは容易い。リアナを退ければ、自動的に自分が王となる。
リアナの王位辞退について、まず、もちろん自分が賛成の一票を投じる。そして、ほかの諸侯だが――
エンガス卿は、リアナの譲位に賛成する。デイミオンが即位したのちは、アーシャと結婚させ、王権への影響力を確保するという目的がかなうからだ。
グウィナ卿は、自分の叔母だ。甥の考えに反対するわけがない。
メドロート卿は、おそらく身内であるリアナに付くだろう。血族意識の固い男なので、これは仕方ない。だが、北部領主家は後継者不足に悩んでおり、譲位したリアナが領主家に戻れば心強いはずだ、ということはしっかり念を押しておいた。
エサル卿も、デイミオンの権力を強化したくないという目的から、リアナに付く可能性が高い。
だが、メドロートとエサルがどう動こうが、自分も一票を持っている以上、残りの二票を確保した時点で賛成は覆《くつがえ》らない。朝食に卵を調理するほどに簡単な話だった。
「では、採決を行う。リアナ殿下の王位辞退を認めるか? 認める方は、挙手を」
エンガスが告げた。
デイミオンは真っ先に手を挙げ、諸侯の一人一人ににらみを利かせた。彼に続き、涼やかな顔でエンガス卿が挙手した。だが、そのあとに続く者がいなかった。メドロートは身じろぎもしない。エサルは逡巡する様子を見せたが、やはり手を挙げようとはしなかった。そして、デイミオンの計算外だったことに、叔母グウィナが彼の視線を受け流してにっこりと微笑んだのだ。手をひざの上に置いたまま。
(どういうことだ!?)青年は青い目を見開いた。
「よろしい」
王権を通じての同盟、という計画が崩れかけているにもかかわらず、エンガスはさすがに老獪な政治家らしく、ゆったりとうなずいた。
「五公会は、リアナ殿下に王位継承を求める……もしなおも辞退を望まれるのであれば、時期を見て今回のように五公会に図っていただけばよろしい。いかがかな、殿下?」
「けっこうです」
リアナがうなずくのを見て、デイミオンは苦虫を嚙み潰したような顔をさらすしかない。〔おい、リアナ――〕
余計なことを言うなよと念を押すつもりだったのに、少女は彼の〈呼ばい〉をきれいに無視した。
「王位に就く、ということであれば、五公の方々にお願いが」
〔なんだ? 何を言うつもりだ?〕
「未熟な身ゆえ、エサル公に王佐としてわたしを補佐してくださるよう、お願いしたいのですが。採決にかけていただけますか?」
この提案には、デイミオンだけでなく、さすがの老獪《ろうかい》なエンガス卿も目を見開いた。「エサル公に? メドロート公ではなく?」
リアナは意味ありげに五公を見わたした。「わたしは辺境の育ちですし、同じフロンテラの領主であるエサル卿なら、よいご指導をいただけるのではないかと」
その言葉を聞いたエサルの満足げな表情から、デイミオンはこの取引がすでに五公会の前に行われていたことを知った。
なんてやつだ!
票の獲得に動いたのは、自分だけではなかったということだ。しかし――
〔どういうことだ!?〕
声に出せば、轟《とどろ》いて聞こえるほどの強さで、そうぶつける。
〔王にはならないと、そうケイエで主張したのは嘘だったのか!?〕
〔嘘じゃないわ〕
〔ではなぜ――〕
〔だってあなた、自分が王位に就いたら、わたしのこと適当にあしらってここを追い出すつもりでしょ〕
〔……!〕
〔王になりたいわけじゃないけど、イニを探さなきゃいけないし、里でなにがあったか本当のことを知りたいし、王都まで来たら自分の両親のことだって知りたいわ〕
〔それは取引に入っていただろう!〕
〔でも、あなたが約束を守るとは限らない〕
うろんな目がデイミオンを見つめて動く。そんなことは断じてない、とは言いきれない男は、顔をしかめて言葉を呑んだ。
王位を譲ってしまえば、彼女はデイミオンに対して影響力を行使することができなくなる。要するに、タマリスにいる間は、切り札を確保しておきたい、ということだろう。
――やられた。
青年は敗北を苦く噛みしめた。
♢♦♢
結局、エサル卿の王佐就任は賛成三票で認められた。
「あなたは俺の側にいるものと思っていましたよ」
帰り支度をはじめた叔母に、デイミオンは不快な顔を隠さなかった。「とんだ計算違いだ」
そう、もう一つの計算違い。完全に当てにしきっていた、グウィナの反対票だ。
「わたくしはいつでも、あなたのために動くけれど……」
立ちあがって、見事な赤毛によく合うエッグブルーのドレスを撫でつけ、グウィナは言葉を選びながら言った。「それは必ずしも、あなたの『思い通りに』動く、ということではないのよ、かわいいデイ」
「叔母上……」
「わたくしにはもう一人、甥がいるのを忘れていないでしょう?」
「フィルバートに頼まれたと?」青年のまなざしが鋭くなる。
グウィナは穏やかに首を振った。「そうではないけれど、フィルは彼女のことを大切にしているみたいじゃなくて? ……わたくしは、あなた同様、あの子のこともいつも考えているわ。当たり前でしょう?」
そうだった。この叔母だけは昔から、自分とフィルバートとを差別しなかった。〈乗り手〉である自分と、〈ハートレス〉である弟とを。実の母親でさえフィルを疎んでいたというのに、彼女だけがいつも平等に彼ら兄弟に接していた。
それを読めていなかった自分の敗けなのか。ため息をつくデイミオンに、グウィナは優しいボディタッチと、「それにね、あなたにはレッスンが必要だと思うわ」という言葉を残して去っていった。
(リアナに王権を持たせておいても、害はないだろうが――情勢が変わった)
王城に到着してすぐ、デイミオンはそのことに気がついた。兄であるクローナン王を喪ったエンガス卿が、これまでどおりの権勢を保つため、デイミオンに接近してきたのだ。王位を狙う青年にとってはまさに渡りに船だった。大急ぎで婚約の形を整えたのは言うまでもない。
(あいつには肩すかしだろうが、まあ構うまい。白竜公を後見につけてやって、ライダーの訓練でもさせてやれば、本人も望みがかなって満足だろう)
リアナが入室する前に、デイミオンはほかの四人に向かって、彼女の情報を簡単に、そして自分に都合よく、開示した。
オンブリアの王政は、身もふたもなく言ってしまえば、五公十家の持ちまわり制だ。王家がないのは、子どもの生まれにくい竜族におけるいわば必要悪と考えられているが、『王権の正統性を確保できるのが、次の王太子の存在だけ』というのが、最大の欠点と言える。
現在のところ、リアナが王であるという根拠は、デイミオンの〈血の呼ばい〉だけ。彼自身はその正当性を知っているが、諸侯からすれば、デイミオンが扱いやすい小娘を適当に王に仕立て上げている可能性も考えられるだろう。エサルあたりがそれに言及するのではないかと思ったが(そしてその対策も用意していたが)、意外にも諸侯はすんなりと王位継承者の存在を認めた。つまり、それに連なって、自分にも継承権があることが認められたということになる。完全に、予定どおり。
ここまでくれば、あとは容易い。リアナを退ければ、自動的に自分が王となる。
リアナの王位辞退について、まず、もちろん自分が賛成の一票を投じる。そして、ほかの諸侯だが――
エンガス卿は、リアナの譲位に賛成する。デイミオンが即位したのちは、アーシャと結婚させ、王権への影響力を確保するという目的がかなうからだ。
グウィナ卿は、自分の叔母だ。甥の考えに反対するわけがない。
メドロート卿は、おそらく身内であるリアナに付くだろう。血族意識の固い男なので、これは仕方ない。だが、北部領主家は後継者不足に悩んでおり、譲位したリアナが領主家に戻れば心強いはずだ、ということはしっかり念を押しておいた。
エサル卿も、デイミオンの権力を強化したくないという目的から、リアナに付く可能性が高い。
だが、メドロートとエサルがどう動こうが、自分も一票を持っている以上、残りの二票を確保した時点で賛成は覆《くつがえ》らない。朝食に卵を調理するほどに簡単な話だった。
「では、採決を行う。リアナ殿下の王位辞退を認めるか? 認める方は、挙手を」
エンガスが告げた。
デイミオンは真っ先に手を挙げ、諸侯の一人一人ににらみを利かせた。彼に続き、涼やかな顔でエンガス卿が挙手した。だが、そのあとに続く者がいなかった。メドロートは身じろぎもしない。エサルは逡巡する様子を見せたが、やはり手を挙げようとはしなかった。そして、デイミオンの計算外だったことに、叔母グウィナが彼の視線を受け流してにっこりと微笑んだのだ。手をひざの上に置いたまま。
(どういうことだ!?)青年は青い目を見開いた。
「よろしい」
王権を通じての同盟、という計画が崩れかけているにもかかわらず、エンガスはさすがに老獪な政治家らしく、ゆったりとうなずいた。
「五公会は、リアナ殿下に王位継承を求める……もしなおも辞退を望まれるのであれば、時期を見て今回のように五公会に図っていただけばよろしい。いかがかな、殿下?」
「けっこうです」
リアナがうなずくのを見て、デイミオンは苦虫を嚙み潰したような顔をさらすしかない。〔おい、リアナ――〕
余計なことを言うなよと念を押すつもりだったのに、少女は彼の〈呼ばい〉をきれいに無視した。
「王位に就く、ということであれば、五公の方々にお願いが」
〔なんだ? 何を言うつもりだ?〕
「未熟な身ゆえ、エサル公に王佐としてわたしを補佐してくださるよう、お願いしたいのですが。採決にかけていただけますか?」
この提案には、デイミオンだけでなく、さすがの老獪《ろうかい》なエンガス卿も目を見開いた。「エサル公に? メドロート公ではなく?」
リアナは意味ありげに五公を見わたした。「わたしは辺境の育ちですし、同じフロンテラの領主であるエサル卿なら、よいご指導をいただけるのではないかと」
その言葉を聞いたエサルの満足げな表情から、デイミオンはこの取引がすでに五公会の前に行われていたことを知った。
なんてやつだ!
票の獲得に動いたのは、自分だけではなかったということだ。しかし――
〔どういうことだ!?〕
声に出せば、轟《とどろ》いて聞こえるほどの強さで、そうぶつける。
〔王にはならないと、そうケイエで主張したのは嘘だったのか!?〕
〔嘘じゃないわ〕
〔ではなぜ――〕
〔だってあなた、自分が王位に就いたら、わたしのこと適当にあしらってここを追い出すつもりでしょ〕
〔……!〕
〔王になりたいわけじゃないけど、イニを探さなきゃいけないし、里でなにがあったか本当のことを知りたいし、王都まで来たら自分の両親のことだって知りたいわ〕
〔それは取引に入っていただろう!〕
〔でも、あなたが約束を守るとは限らない〕
うろんな目がデイミオンを見つめて動く。そんなことは断じてない、とは言いきれない男は、顔をしかめて言葉を呑んだ。
王位を譲ってしまえば、彼女はデイミオンに対して影響力を行使することができなくなる。要するに、タマリスにいる間は、切り札を確保しておきたい、ということだろう。
――やられた。
青年は敗北を苦く噛みしめた。
♢♦♢
結局、エサル卿の王佐就任は賛成三票で認められた。
「あなたは俺の側にいるものと思っていましたよ」
帰り支度をはじめた叔母に、デイミオンは不快な顔を隠さなかった。「とんだ計算違いだ」
そう、もう一つの計算違い。完全に当てにしきっていた、グウィナの反対票だ。
「わたくしはいつでも、あなたのために動くけれど……」
立ちあがって、見事な赤毛によく合うエッグブルーのドレスを撫でつけ、グウィナは言葉を選びながら言った。「それは必ずしも、あなたの『思い通りに』動く、ということではないのよ、かわいいデイ」
「叔母上……」
「わたくしにはもう一人、甥がいるのを忘れていないでしょう?」
「フィルバートに頼まれたと?」青年のまなざしが鋭くなる。
グウィナは穏やかに首を振った。「そうではないけれど、フィルは彼女のことを大切にしているみたいじゃなくて? ……わたくしは、あなた同様、あの子のこともいつも考えているわ。当たり前でしょう?」
そうだった。この叔母だけは昔から、自分とフィルバートとを差別しなかった。〈乗り手〉である自分と、〈ハートレス〉である弟とを。実の母親でさえフィルを疎んでいたというのに、彼女だけがいつも平等に彼ら兄弟に接していた。
それを読めていなかった自分の敗けなのか。ため息をつくデイミオンに、グウィナは優しいボディタッチと、「それにね、あなたにはレッスンが必要だと思うわ」という言葉を残して去っていった。
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
王宮地味女官、只者じゃねぇ
宵森みなと
恋愛
地味で目立たず、ただ真面目に働く王宮の女官・エミリア。
しかし彼女の正体は――剣術・魔法・語学すべてに長けた首席卒業の才女にして、実はとんでもない美貌と魔性を秘めた、“自覚なしギャップ系”最強女官だった!?
王女付き女官に任命されたその日から、運命が少しずつ動き出す。
訛りだらけのマーレン語で王女に爆笑を起こし、夜会では仮面を外した瞬間、貴族たちを騒然とさせ――
さらには北方マーレン国から訪れた黒髪の第二王子をも、一瞬で虜にしてしまう。
「おら、案内させてもらいますけんの」
その一言が、国を揺らすとは、誰が想像しただろうか。
王女リリアは言う。「エミリアがいなければ、私は生きていけぬ」
副長カイルは焦る。「このまま、他国に連れて行かれてたまるか」
ジークは葛藤する。「自分だけを見てほしいのに、届かない」
そしてレオンハルト王子は心を決める。「妻に望むなら、彼女以外はいない」
けれど――当の本人は今日も地味眼鏡で事務作業中。
王族たちの心を翻弄するのは、無自覚最強の“訛り女官”。
訛って笑いを取り、仮面で魅了し、剣で守る――
これは、彼女の“本当の顔”が王宮を変えていく、壮麗な恋と成長の物語。
★この物語は、「枯れ専モブ令嬢」の5年前のお話です。クラリスが活躍する前で、少し若いイザークとライナルトがちょっと出ます。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【完結】一番腹黒いのはだあれ?
やまぐちこはる
恋愛
■□■
貧しいコイント子爵家のソンドールは、貴族学院には進学せず、騎士学校に通って若くして正騎士となった有望株である。
三歳でコイント家に養子に来たソンドールの生家はパートルム公爵家。
しかし、関わりを持たずに生きてきたため、自分が公爵家生まれだったことなどすっかり忘れていた。
ある日、実の父がソンドールに会いに来て、自分の出自を改めて知り、勝手なことを言う実父に憤りながらも、生家の騒動に巻き込まれていく。
王宮に薬を届けに行ったなら
佐倉ミズキ
恋愛
王宮で薬師をしているラナは、上司の言いつけに従い王子殿下のカザヤに薬を届けに行った。
カザヤは生まれつき体が弱く、臥せっていることが多い。
この日もいつも通り、カザヤに薬を届けに行ったラナだが仕事終わりに届け忘れがあったことに気が付いた。
慌ててカザヤの部屋へ行くと、そこで目にしたものは……。
弱々しく臥せっているカザヤがベッドから起き上がり、元気に動き回っていたのだ。
「俺の秘密を知ったのだから部屋から出すわけにはいかない」
驚くラナに、カザヤは不敵な笑みを浮かべた。
「今日、国王が崩御する。だからお前を部屋から出すわけにはいかない」
※ベリーズカフェにも掲載中です。そちらではラナの設定が変わっています。(貴族→庶民)それにより、内容も少し変更しておりますのであわせてお楽しみください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる