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第4章 アルカリ決闘戦
第22話:アルカリ決闘戦・5
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七年前の夏休み最終日。
小学生の麗華は山中の帰り道でそれを見つけた。
人生初めての告白が玉砕に終わり、涙を拭いながらとぼとぼ歩いていた山道。アブが群がる高い灯りの下、遠くからだとそれは白く太い紐のように見えた。
最初は行き倒れた猫か狸かと思ったが、その身体に大きな翼と尻尾がついていることに気付く。地球の生物には有り得ないシルエットに恐る恐る指先で触れると、軽い身体は抵抗なく仰向けに転がった。
それはほんの数十分前まで隣を飛んでいた魔法の妖精。何故か身体の下には正方形の白い布が敷かれていた。
あの丸くクリクリした目を閉じ、口は僅かに開いたまま微動だにしない。怪我は特に見当たらなかったが、一言二言話しかけた声は応答を得られずに霧散していくのみ。細い身体に手の平を置いても毛の塊に触れたとしか思えなかった。
まだ僅かに残る体温が急速に霧散し、夜の空気よりもひんやりとしてきたとき、ようやくメルリンが生物としての死を迎えていることを理解した。
不思議と涙は出なかった。魔法の夏はもう終わってしまったあとだからだ。確かにメルリンは大切な友達だったが、生きているのは辻褄が合わないというか、死んでいる方が自然な気がした。
別れ際には「魔法の国に帰る」と言っていたから、これはメルリンにとっても不慮の事態かもしれない。事故か何かに巻き込まれた、例えば天敵のような何かに出くわしたのかもしれないし、あるいは飛んでいるところを猿にでも叩き落とされたのかもしれない。
色々考えたところで死因はわからない。メルリンの他に妖精の知り合いなんていないし、妖精の生態なんて知らない。ただ確かなのは、メルリンは魔法の国に帰れなかったということだけだ。
メルリンの死は他の魔法少女たちには伝えてはいけないような気がした。
これはサンタの正体のようなものだ。華やかで不思議な出来事の裏にあった、誰にも言ってはいけない舞台裏。楽しい思い出にこんなオチがあってはいけない。
とりあえずは死体を家に持ち帰ったが、処分する勇気はとても出なかった。これは単なる小動物の死体ではなく、ひと夏を共に過ごした友達の遺体なのだ。それも見た目には外傷がないので尚更だ。
悩んだ挙句、麗華は死体を冷凍庫で保存することにした。
義両親には「何も聞かないでほしい」と言った。それは麗華が初めて行使した大人としての要求だった。義両親は頷いて何も詮索しなかった。
「一言で言えば、妖精は魔法の世界を展開する魔法を使えるんだ。世界の法則を上書きして、魔法が当たり前に存在する世界を実現する魔法。私はそれを『妖精の魔法』と呼んでいる。『妖精の魔法』は決して魔獣を直接生み出すわけじゃない。魔獣を作るんじゃなくて、魔獣が存在する世界を作るんだ。魔獣は勝手にスポーンするだけ」
麗華は廊下に寄りかかったまま平然と説明する。玄関で芽愛を出迎えたときのように優しく落ち着いた声色で。
「例えば今ここで妖怪ぬらりひょんがいきなり現れるのはおかしいけれど、水木しげるの漫画の中では何もおかしくないだろう? それと同じだよ。この町を魔獣が現れてもおかしくない世界に変える。それが本質だ」
「魔獣だけじゃなくて、魔神機とか魔法少女もでしょ」
「そうだね。そういう魔なんちゃらがこの町で活動できるのは全部『妖精の魔法』のおかげだ。これは普通の魔法とはレイヤーが違うスペシャルな魔法なんだ。魔法のない世界で最初に発動する魔法、矛盾した魔法、魔法の魔法、メタ魔法。七年前にはメルリンが発動したけれど、今年は私が発動した。魔法の夏はそうやって始まった」
「なんで七年も経って今更?」
「一人暮らしを始めてからずっと試していたよ、妖精の死体を使って魔法の世界をもう一度始める方法を、きっと妖精はそういう能力を持っているだろうと信じて。具体的な発動方法を発見したのがたまたま今年だっただけだね」
そのとき直接耳に届く雨音と共に、低く通る声が廊下を駆け抜けた。
「言質は取った。あなたが黒幕だったのね」
空いた玄関の向こうから、藍色の傘を差した御息が芽愛との通話画面をこちらに向けていた。
御息の隣には黄色いレインコートを羽織った綺羅も。背後には愛用のネイキッドバイクがアイドリングで止まっており、二人とも自らのステッキを片手に持った臨戦態勢だった。
「御息と綺羅にも繋がっていたわけだ。思ったよりきちんと疑っていたんだね」
「二人は私が説得した、この夏で最初に魔法に触れたのは麗華だから。それに何より、あの夏を一番大切にしているのは麗華だって私はよく知ってる」
「芽愛にはよくわかってもらえていたようで嬉しいな、私のこと」
「でもあなたは間違ってる。あなたには私と同じ過ちを繰り返してほしくない」
芽愛が両手を捻る。麗華の眼前に巨大な鋼鉄の手が広がった。壁のように廊下を塞いで二人の間を遮る。
「動かないで。あなたの大切な家を壊したくない」
手の平の間から刺す目線が麗華の身体を貫いた。それは七年ぶりに見た敵意。
御息が手を伸ばし、芽愛からタッパーが手渡される。中身を覗き込む御息の目尻に涙が浮かんだ。
「メルリン……」
何年ぶりだろうとその姿を見間違えるはずがない。メルリンは決して愛玩動物ではなく、魔法少女たちと一緒に戦う大切な仲間の一人だった。
目を閉じてくるりと丸まっている寝姿は七年前にも見たものと同じだが、その全身は生物ではあり得ない硬さと冷たさで凍り付いていた。ふわふわした毛はところどころ小さな氷の霜で覆われている。
しかし何故か大きな翼が無くなっていることに気付く。忙しそうにパタパタ動かし、魔法少女の隣を飛んでいたあのチャームポイントの翼が。背中を撫でると、切り取られて露出した断面に触れて指先が冷えた。
何にせよ、経緯は後でゆっくり調べれば間に合う。今やるべきはメルリンの死体を弔って処分すること。
「メルリンは私たちが責任をもって葬る。それで『妖精の魔法』とやらも、この馬鹿げた魔獣騒ぎも終わらせる」
「せやな。うちかて迷惑系とか言われとることもあるけどな、それでもやってええこととダメなことはある。魔獣ごっこはもう終わりや」
綺羅も見たこともない真剣な表情でメルリンの死体を覗き込んだ。いつもの関西弁は固く、一言ずつ区切るように発された。
「ま、隣町のペット火葬場にでも行けばええか。うちのバイクならすぐやから」
「そうね、お願い」
綺羅が濡れた手を伸ばし、後ろに振り向きながら御息からタッパーを受け取る。
その瞬間だった。
綺羅の爪先が突然地面を蹴った。水平に生んだ推進力で身体を素早く回転させ、姿勢を大きく下げながら踵で御息の足首を弾く。
背後から不意打ちの足払い。バランスを崩した御息は真横に倒れ込むように派手に転倒する。路面の水たまりから盛大に水しぶきが上がった。
地面に転がった青いステッキを綺羅がしゃがんだままひったくる。そして低姿勢からの鮮やかなバク宙でバイクに飛び乗った。
「はっは! なんつってな! ダメなわけあるかい、ボケェ!」
その場違いに爽快な声は雨音の中でもよく響いた。とっておきの悪戯を成功させた、そして今からもっと楽しい悪戯を企む子供のような。
「逃げるで麗華、裏手に回れや!」
麗華は頷いて身を翻した。廊下を塞ぐゴッドドールに背を向けてリビングへと走る。
小学生の麗華は山中の帰り道でそれを見つけた。
人生初めての告白が玉砕に終わり、涙を拭いながらとぼとぼ歩いていた山道。アブが群がる高い灯りの下、遠くからだとそれは白く太い紐のように見えた。
最初は行き倒れた猫か狸かと思ったが、その身体に大きな翼と尻尾がついていることに気付く。地球の生物には有り得ないシルエットに恐る恐る指先で触れると、軽い身体は抵抗なく仰向けに転がった。
それはほんの数十分前まで隣を飛んでいた魔法の妖精。何故か身体の下には正方形の白い布が敷かれていた。
あの丸くクリクリした目を閉じ、口は僅かに開いたまま微動だにしない。怪我は特に見当たらなかったが、一言二言話しかけた声は応答を得られずに霧散していくのみ。細い身体に手の平を置いても毛の塊に触れたとしか思えなかった。
まだ僅かに残る体温が急速に霧散し、夜の空気よりもひんやりとしてきたとき、ようやくメルリンが生物としての死を迎えていることを理解した。
不思議と涙は出なかった。魔法の夏はもう終わってしまったあとだからだ。確かにメルリンは大切な友達だったが、生きているのは辻褄が合わないというか、死んでいる方が自然な気がした。
別れ際には「魔法の国に帰る」と言っていたから、これはメルリンにとっても不慮の事態かもしれない。事故か何かに巻き込まれた、例えば天敵のような何かに出くわしたのかもしれないし、あるいは飛んでいるところを猿にでも叩き落とされたのかもしれない。
色々考えたところで死因はわからない。メルリンの他に妖精の知り合いなんていないし、妖精の生態なんて知らない。ただ確かなのは、メルリンは魔法の国に帰れなかったということだけだ。
メルリンの死は他の魔法少女たちには伝えてはいけないような気がした。
これはサンタの正体のようなものだ。華やかで不思議な出来事の裏にあった、誰にも言ってはいけない舞台裏。楽しい思い出にこんなオチがあってはいけない。
とりあえずは死体を家に持ち帰ったが、処分する勇気はとても出なかった。これは単なる小動物の死体ではなく、ひと夏を共に過ごした友達の遺体なのだ。それも見た目には外傷がないので尚更だ。
悩んだ挙句、麗華は死体を冷凍庫で保存することにした。
義両親には「何も聞かないでほしい」と言った。それは麗華が初めて行使した大人としての要求だった。義両親は頷いて何も詮索しなかった。
「一言で言えば、妖精は魔法の世界を展開する魔法を使えるんだ。世界の法則を上書きして、魔法が当たり前に存在する世界を実現する魔法。私はそれを『妖精の魔法』と呼んでいる。『妖精の魔法』は決して魔獣を直接生み出すわけじゃない。魔獣を作るんじゃなくて、魔獣が存在する世界を作るんだ。魔獣は勝手にスポーンするだけ」
麗華は廊下に寄りかかったまま平然と説明する。玄関で芽愛を出迎えたときのように優しく落ち着いた声色で。
「例えば今ここで妖怪ぬらりひょんがいきなり現れるのはおかしいけれど、水木しげるの漫画の中では何もおかしくないだろう? それと同じだよ。この町を魔獣が現れてもおかしくない世界に変える。それが本質だ」
「魔獣だけじゃなくて、魔神機とか魔法少女もでしょ」
「そうだね。そういう魔なんちゃらがこの町で活動できるのは全部『妖精の魔法』のおかげだ。これは普通の魔法とはレイヤーが違うスペシャルな魔法なんだ。魔法のない世界で最初に発動する魔法、矛盾した魔法、魔法の魔法、メタ魔法。七年前にはメルリンが発動したけれど、今年は私が発動した。魔法の夏はそうやって始まった」
「なんで七年も経って今更?」
「一人暮らしを始めてからずっと試していたよ、妖精の死体を使って魔法の世界をもう一度始める方法を、きっと妖精はそういう能力を持っているだろうと信じて。具体的な発動方法を発見したのがたまたま今年だっただけだね」
そのとき直接耳に届く雨音と共に、低く通る声が廊下を駆け抜けた。
「言質は取った。あなたが黒幕だったのね」
空いた玄関の向こうから、藍色の傘を差した御息が芽愛との通話画面をこちらに向けていた。
御息の隣には黄色いレインコートを羽織った綺羅も。背後には愛用のネイキッドバイクがアイドリングで止まっており、二人とも自らのステッキを片手に持った臨戦態勢だった。
「御息と綺羅にも繋がっていたわけだ。思ったよりきちんと疑っていたんだね」
「二人は私が説得した、この夏で最初に魔法に触れたのは麗華だから。それに何より、あの夏を一番大切にしているのは麗華だって私はよく知ってる」
「芽愛にはよくわかってもらえていたようで嬉しいな、私のこと」
「でもあなたは間違ってる。あなたには私と同じ過ちを繰り返してほしくない」
芽愛が両手を捻る。麗華の眼前に巨大な鋼鉄の手が広がった。壁のように廊下を塞いで二人の間を遮る。
「動かないで。あなたの大切な家を壊したくない」
手の平の間から刺す目線が麗華の身体を貫いた。それは七年ぶりに見た敵意。
御息が手を伸ばし、芽愛からタッパーが手渡される。中身を覗き込む御息の目尻に涙が浮かんだ。
「メルリン……」
何年ぶりだろうとその姿を見間違えるはずがない。メルリンは決して愛玩動物ではなく、魔法少女たちと一緒に戦う大切な仲間の一人だった。
目を閉じてくるりと丸まっている寝姿は七年前にも見たものと同じだが、その全身は生物ではあり得ない硬さと冷たさで凍り付いていた。ふわふわした毛はところどころ小さな氷の霜で覆われている。
しかし何故か大きな翼が無くなっていることに気付く。忙しそうにパタパタ動かし、魔法少女の隣を飛んでいたあのチャームポイントの翼が。背中を撫でると、切り取られて露出した断面に触れて指先が冷えた。
何にせよ、経緯は後でゆっくり調べれば間に合う。今やるべきはメルリンの死体を弔って処分すること。
「メルリンは私たちが責任をもって葬る。それで『妖精の魔法』とやらも、この馬鹿げた魔獣騒ぎも終わらせる」
「せやな。うちかて迷惑系とか言われとることもあるけどな、それでもやってええこととダメなことはある。魔獣ごっこはもう終わりや」
綺羅も見たこともない真剣な表情でメルリンの死体を覗き込んだ。いつもの関西弁は固く、一言ずつ区切るように発された。
「ま、隣町のペット火葬場にでも行けばええか。うちのバイクならすぐやから」
「そうね、お願い」
綺羅が濡れた手を伸ばし、後ろに振り向きながら御息からタッパーを受け取る。
その瞬間だった。
綺羅の爪先が突然地面を蹴った。水平に生んだ推進力で身体を素早く回転させ、姿勢を大きく下げながら踵で御息の足首を弾く。
背後から不意打ちの足払い。バランスを崩した御息は真横に倒れ込むように派手に転倒する。路面の水たまりから盛大に水しぶきが上がった。
地面に転がった青いステッキを綺羅がしゃがんだままひったくる。そして低姿勢からの鮮やかなバク宙でバイクに飛び乗った。
「はっは! なんつってな! ダメなわけあるかい、ボケェ!」
その場違いに爽快な声は雨音の中でもよく響いた。とっておきの悪戯を成功させた、そして今からもっと楽しい悪戯を企む子供のような。
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