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第二章

47.抜く

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用意を済ませ、レイフォードの部屋の扉を叩く。
ガチャリと小さく音を起てて開かれる扉の先には、レイフォードらしいすっきりと纏められ、尚且つ品のある調度品が室内を彩っていた。
「ん?何か良い匂いがするな」
「ええ、スイが来るだろうと思って、良い眠りを誘うと言われています紅茶を煎れておりますよ」
「おおおおおおおおっ!!じゃ、加護を取ってから戴こうか」
「はいっ!」

ベッドに座り、俺はレイの両手を優しく包み、俺の熱を彼の身体に流していく。
「あっ!ああっ!こ、これはっ!!」
「黙って!!」
俺は初めてレイと会った時と同じ事をしている。
彼の身体の中に、俺の力を入れているのだ。
「ふぁ・・・・・・ぁ・・ん」
「くっ!!!」
俺の力を他人に流すということは、かなり気を遣うのだ。
本来の『力』と混じらないようにしなければならないため、神経を研ぎ澄ませる必要があるのだ。
「ぅ・・・・・・ぁ・・・・・」
「ああっ・・・・・スィ・・・ふぁ・・・・・・・」
「ぐっ!!!」
レイの艶やかな声に俺の苦痛の声。
見に来ていたレインとアルバートが心配そうに俺たちを見ているが、声をかけてはならないとわかっているため、じっと我慢をしてくれている。
レイから加護が抜け終わる頃、二人して小さく嬌声を上げ、座っていたベッドに倒れ込んだのだ。
「団長っ!?」
「レイっ!?」
慌てて俺たちを抱き起こした彼らは、焦りからか、あらゆる物をひっくり返していた。
「アル・・・・・・今のレイを絶対に抱くなよっ!レイの覚悟が消えて水の泡だ」
「わかった・・・・・その、スイは大丈夫なのか?殿下たち今日は・・・・」
「俺は、大丈夫・・・・・・・。冷水を浴びれば治まるさ。レイン、暫くこのままでいてくれ」
「っ!はい」
心配げな表情から一瞬にして歓喜の色に変わる彼の表情は、とても可愛い。
そんな彼は、俺を愛しそうに抱きしめるのだ。
「団長をこのように抱きしめられるなんて、ああ、何て幸せな最期なんでしょう」
「「「おいっ!勝手に死ぬな!」」」
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