205 / 247
第四章
20
しおりを挟む
「結構時間かかったね?何かあった?」
「ん?いや、何も???ちょい~~と俺の体力が奪われちゃったから、ゆっくりここに戻ってきただけ」
「そう?それにしてはレインに寄り添いすぎじゃない?」
「そっか???」
確かに今の俺の現状は支えられないと歩けない状態だが、寄り添うって言葉が正しいかと言われると「ん?」と考えてしまう格好かもしれない。
だが、断じて決して違うと言える。
「浮気じゃねーからなっ!」
と。
「で、殿下たちは少しは気分が落ち着いた??」
「夢に完全に出てくるけど、今の気分は菖蒲殿の茶で落ち着かせている」
「落ち着いてないじゃん!ま、いいか。で、地図は??」
「ここだ」
第四騎士団の執務室の中央にあるローテーブルに拡げられた地図には、チェスで使用するような駒がいくつも並べられていた。
キングと覚しき駒は大変大きな大陸の中央に鎮座されている。
「ここは?」
「ここが我が国、フィルハート帝国だ」
「っ!!!!」
俺たち異世界人間は皆驚愕の表情を張り付かせる。
人間兵器が晒して良い表情ではないのはわかっているのだが、だが!
まさか
「こんなにでかいとは思わなんだわ・・・・・・・・」
俺たちの世界で言うアメリカ大陸並のでかさだ。
「この世界で一番大きな国となったな、今では」
と、ジオルドが他の駒「ナイト」を二つ動かす。それが置かれた国は「バーミリア」と「焔」とのこと。
「そしてここが魔国だ」
とクイーンが置かれた。
その駒を置くってことは、
「ああ、認めるさ。あいつの、いやレギウス・アルセルク王をな。自分を犠牲にしてまで民を第一に考え思う王を認めないなど、私が矮小な人間だと思われてしまう」
「そう考えている時点で矮小だと気付よ、ジオルド」
「そうは言うがジルだってそう思っているだろう?」
「いや、俺は思わないかな?ジオルドと違って俺はレギウス殿と会う機会なんて無かったから、嫌悪はない。すんなりと「王」だと認められたな」
「ぐっ!!!!私が小さき人間なのがよ~~くわかりましたよ・・・・・」
兄弟の言い合いはテンポよく進められているが、それでも目線は地図上にある。
ジオルドの手は、ある駒を持ったまま動こうとはしない。
ジオルドを見つめると、彼は大きな息を吐いて
「ここがアーダルリアだ」
と、戦車の駒を置いたのだった。
「何で戦車???」
「というか、大きいのねアーダルリアって」
「こんなに大きな国にあの装置が一個か?まだありそうだが」
「でも、葵兄さんと気配を探ったけどここ以外はそんなのなかったよ?」
「ああ、竜胆の言うとおりだ。しかも、少し足を伸ばして遠くまで行ってはみたが、なかった。というか、まだ先があったのか」
どういうことかというと、葵と竜胆が訪れたアーダルリアは円形の城壁で囲まれていたそうだ。
だから、囲まれている「中」がアーダルリアだと思ったそうだ。
後にアーダルリアの騎士に詳しく聞くと、囲まれた「中」だけ瘴気がなく、外のアーダルリア人は瘴気に充てられ正気をなくしている者さえいるとのことだ。
「ん?いや、何も???ちょい~~と俺の体力が奪われちゃったから、ゆっくりここに戻ってきただけ」
「そう?それにしてはレインに寄り添いすぎじゃない?」
「そっか???」
確かに今の俺の現状は支えられないと歩けない状態だが、寄り添うって言葉が正しいかと言われると「ん?」と考えてしまう格好かもしれない。
だが、断じて決して違うと言える。
「浮気じゃねーからなっ!」
と。
「で、殿下たちは少しは気分が落ち着いた??」
「夢に完全に出てくるけど、今の気分は菖蒲殿の茶で落ち着かせている」
「落ち着いてないじゃん!ま、いいか。で、地図は??」
「ここだ」
第四騎士団の執務室の中央にあるローテーブルに拡げられた地図には、チェスで使用するような駒がいくつも並べられていた。
キングと覚しき駒は大変大きな大陸の中央に鎮座されている。
「ここは?」
「ここが我が国、フィルハート帝国だ」
「っ!!!!」
俺たち異世界人間は皆驚愕の表情を張り付かせる。
人間兵器が晒して良い表情ではないのはわかっているのだが、だが!
まさか
「こんなにでかいとは思わなんだわ・・・・・・・・」
俺たちの世界で言うアメリカ大陸並のでかさだ。
「この世界で一番大きな国となったな、今では」
と、ジオルドが他の駒「ナイト」を二つ動かす。それが置かれた国は「バーミリア」と「焔」とのこと。
「そしてここが魔国だ」
とクイーンが置かれた。
その駒を置くってことは、
「ああ、認めるさ。あいつの、いやレギウス・アルセルク王をな。自分を犠牲にしてまで民を第一に考え思う王を認めないなど、私が矮小な人間だと思われてしまう」
「そう考えている時点で矮小だと気付よ、ジオルド」
「そうは言うがジルだってそう思っているだろう?」
「いや、俺は思わないかな?ジオルドと違って俺はレギウス殿と会う機会なんて無かったから、嫌悪はない。すんなりと「王」だと認められたな」
「ぐっ!!!!私が小さき人間なのがよ~~くわかりましたよ・・・・・」
兄弟の言い合いはテンポよく進められているが、それでも目線は地図上にある。
ジオルドの手は、ある駒を持ったまま動こうとはしない。
ジオルドを見つめると、彼は大きな息を吐いて
「ここがアーダルリアだ」
と、戦車の駒を置いたのだった。
「何で戦車???」
「というか、大きいのねアーダルリアって」
「こんなに大きな国にあの装置が一個か?まだありそうだが」
「でも、葵兄さんと気配を探ったけどここ以外はそんなのなかったよ?」
「ああ、竜胆の言うとおりだ。しかも、少し足を伸ばして遠くまで行ってはみたが、なかった。というか、まだ先があったのか」
どういうことかというと、葵と竜胆が訪れたアーダルリアは円形の城壁で囲まれていたそうだ。
だから、囲まれている「中」がアーダルリアだと思ったそうだ。
後にアーダルリアの騎士に詳しく聞くと、囲まれた「中」だけ瘴気がなく、外のアーダルリア人は瘴気に充てられ正気をなくしている者さえいるとのことだ。
12
あなたにおすすめの小説
駄目な奴でもなんとか生きていこうと思います
アオ
BL
何をしても『駄目人間』な僕、朝霧志弦。
そんな僕が転移した先は魔法の使えるいわゆる異世界だった。そんな世界で僕は神様に剣と風魔法のチート能力をもらった。そんなこんなで森に引きこもっているつもりだったが…。
▷そんな駄目じゃないのに思い込みの激しい主人公が世界を見て恋する話です。
【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件
白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。
最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。
いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。
★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★
虐げられている魔術師少年、悪魔召喚に成功したところ国家転覆にも成功する
あかのゆりこ
BL
主人公のグレン・クランストンは天才魔術師だ。ある日、失われた魔術の復活に成功し、悪魔を召喚する。その悪魔は愛と性の悪魔「ドーヴィ」と名乗り、グレンに契約の代償としてまさかの「口づけ」を提示してきた。
領民を守るため、王家に囚われた姉を救うため、グレンは致し方なく自分の唇(もちろん未使用)を差し出すことになる。
***
王家に虐げられて不遇な立場のトラウマ持ち不幸属性主人公がスパダリ系悪魔に溺愛されて幸せになるコメディの皮を被ったそこそこシリアスなお話です。
・ハピエン
・CP左右固定(リバありません)
・三角関係及び当て馬キャラなし(相手違いありません)
です。
べろちゅーすらないキスだけの健全ピュアピュアなお付き合いをお楽しみください。
***
2024.10.18 第二章開幕にあたり、第一章の2話~3話の間に加筆を行いました。小数点付きの話が追加分ですが、別に読まなくても問題はありません。
魔女の呪いで男を手懐けられるようになってしまった俺
ウミガメ
BL
魔女の呪いで余命が"1年"になってしまった俺。
その代わりに『触れた男を例外なく全員"好き"にさせてしまう』チート能力を得た。
呪いを解くためには男からの"真実の愛"を手に入れなければならない……!?
果たして失った生命を取り戻すことはできるのか……!
男たちとのラブでムフフな冒険が今始まる(?)
~~~~
主人公総攻めのBLです。
一部に性的な表現を含むことがあります。要素を含む場合「★」をつけておりますが、苦手な方はご注意ください。
※この小説は他サイトとの重複掲載をしております。ご了承ください。
運悪く放課後に屯してる不良たちと一緒に転移に巻き込まれた俺、到底馴染めそうにないのでソロで無双する事に決めました。~なのに何故かついて来る…
こまの ととと
BL
『申し訳ございませんが、皆様には今からこちらへと来て頂きます。強制となってしまった事、改めて非礼申し上げます』
ある日、教室中に響いた声だ。
……この言い方には語弊があった。
正確には、頭の中に響いた声だ。何故なら、耳から聞こえて来た感覚は無く、直接頭を揺らされたという感覚に襲われたからだ。
テレパシーというものが実際にあったなら、確かにこういうものなのかも知れない。
問題はいくつかあるが、最大の問題は……俺はただその教室近くの廊下を歩いていただけという事だ。
*当作品はカクヨム様でも掲載しております。
時の情景
琉斗六
BL
◎あらすじ
中学教師・榎戸時臣は聖女召喚の巻き添えで異世界へ。政治の都合で追放、辺境で教える日々。そこへ元教え子の聖騎士テオ(超絶美青年)が再会&保護宣言。王子の黒い思惑も動き出す。
◎その他
この物語は、複数のサイトに投稿しています。
花街だからといって身体は売ってません…って話聞いてます?
銀花月
BL
魔導師マルスは秘密裏に王命を受けて、花街で花を売る(フリ)をしていた。フッと視線を感じ、目線をむけると騎士団の第ニ副団長とバッチリ目が合ってしまう。
王命を知られる訳にもいかず…
王宮内で見た事はあるが接点もない。自分の事は分からないだろうとマルスはシラをきろうとするが、副団長は「お前の花を買ってやろう、マルス=トルマトン」と声をかけてきたーーーえ?俺だってバレてる?
※[小説家になろう]様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる