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第四章

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「桃季、こいつらだ」
牢の中では、ギャーギャー喚く醜い男たちが、俺たちを見て罵ってくるが全無視だ。
桃季なんて耳を押さえながら、
「ああん?すんげ~憎悪の固まりが蠢いてんな。あ?こいつら、もしかしてこれを身体ん中で飼ってたのか?」
「その通りだ。すげーだろ!」
「何でお前が威張ってんだよ。ま、いいや。さっさと術を解け。結界張っちゃうからさ」
「あいよ!すまんレインちょっと俺の腕を掴んでてくれ。術でこの憎悪を押さえ込んでるのが正直限界で、術解くと身体が崩れ落ちると思うからさ」
「あ、はい!支えますので、安心して崩れてください」
「いや、それもおかしいからな」
何故かレインは俺を後ろから抱き込むと、ふふふと小さく笑った。
「何か嬉しいです、団長に頼られるの」
「俺はいつもお前を頼ってるだろうが」
「そうですけど、こういう場面本当は殿下がよいのでは?それなのに私を指名してくださったこと嬉しく思います」
「あ~~~。だって、あいつらは王子であって旦那だけど、お前は俺にとっては正式な副官で仕事に関しては絶対的に頼りにしている人間だからな。こういう重要な仕事の場面は「レイン」と決めてんだよ」
「っ!!はいっ!!!これからももっともっと団長に頼られる人間に成長しますね」
「今のままでも充分なのに、更に格好良く頼りになる副官になるのか~~。俺も精進しないとな」
と、言い終えた途端、再びグチャベチャという汚い音が牢に響き、その音が消える前にすかさず桃季が結界を張り終えていた。
「レインは本当に翠蓮大好きだな。俺たちが向こうに帰っても翠蓮の支えになってくれよ。ま、いつでも来れるんだけどな」
「もちろんですよ」
「正直、あの王子たちは翠蓮を甘やかすのは超絶に上手いが、他は物足りない。一度翠蓮を怒らせているしな。翠蓮をもう一度裏切るようなら、絶対に縁を切らせる。二度とこの世界に来れないようにする。だから、お前がしっかりあいつらを見張っておけよ」
「ふふふ、桃季殿も団長が大好きなんですね。もう殿下たちは裏切らないですよ、絶対に!でも、見張りますので心配なさらないでください」
「はっ!よかったな、翠蓮。本当に頼れる副官でさ」
「もちろんだろうが!俺はこいつを見つけたとき本当に「上等な宝をこんな扱いしているなんて」とまじで、キレかけたもんな」
「いえ、団長、確実にキレてましたから」
「そっか?」
ぐっちゃぐちゃのミンチの前で場違いに笑い合う俺たちの姿は異様だろうが、誰も見ていないので大丈夫だ。
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