政略結婚ですが何か?【完】

mako

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去る令嬢

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その後アンドリューの力か穏やかな日々が続いていたある日、アマリヤが王宮を去る日がやって来た。


それはいきなり突然に、執務室へノックもせずにやって来た。アンドリューは咄嗟にエマニュエルの前に立つとエマニュエルはそれを制しアンドリューを後ろに控えさせた。


『妃殿下、本日までお世話になりました。』

鬼の形相から相応しく無い言葉に呆気に取られるもすぐに

『お飾りのくせに流石にリントン王国の第2王女だわ。何でも思い通りになると思ってるのね?』


エマニュエルは自身の愚かさを認めて黙って聞いている。逆に黙り込むエマニュエルに腹を立てたのかアマリヤは

『私はメリッサ様の様に愚かではございませんので感情的にはなりませんからご安心を。しかし妃殿下も前途多難ですわよ?しょぼい田舎の王女のくせに。社交界では生きていけません事よ?』


感情的になっておられます様ですが?


それでもじっと耐えるエマニュエルにアンドリューが口を開く。


『アマリヤ嬢、不敬罪に問われますよ?』


エマニュエルはアンドリューを睨むがアンドリューは止めない。

『そもそも今回の件、確かにアマリヤ嬢を振り回す結果となりました事、殿下に変わってお詫びします。』

『貴方に詫びられても仕方ないわ!』


アンドリューは不敵な笑みを浮かべ


『そうですか?ならば結構。では私からのお詫びを込めて1つ助言をしても?』


アマリヤは怪訝そうにアンドリューを見ると


『リントン王国は大陸の中立国としての働きがある重要な王国です。貴女の認識で物を言うと恥ずかしいですよ?

それに以前おっしゃっておられたリントン第2王女がハズレという認識も、とっくに払拭されておりますのでいつまでもその見解ですとこれまた知性を問われかねない。』


アマリヤは顔を真っ赤にして

『貴方、誰に物を申しているのか分かってる?私は公爵令嬢よ?』

アンドリューもまた

『ほら?爵位を盾にする事程みっともない事は無い。それにご存知ないなら驚きですが私もまた公爵令息の端くれですがね?』

ワナワナと怒りをだすアマリヤに

『今回の件、公爵には多額の慰謝料が出されており公爵は逆に喜んでいらっしゃる。今更貴女がごちゃごちゃ言った所で何も変わらない。

嘘だと思うならこんな所で叫んでないでとっと帰って公爵に確認したらいい。』

アマリヤの怒りの視線がエマニュエルに向けられ時、またもアンドリューは

『そうそう、ついでに申し上げると我が国も大王国とはいえ、公爵家が多くなりすぎて王家では公爵家の縮小の話しが上がっております。我が家も含めて公爵家はうかうかしていられませんね?』


半分脅しのようなアンドリューの話しを聞くとアマリヤは目を泳がせ執務室を出て行った。


エマニュエルはエマニュエルの知らないアンドリューの一面を垣間見て


『アンディ、貴方仕事が出来るのね?』


‥いやいやあんた、今更かい!


アンドリューはエマニュエルへ呆れた眼差しを向けるとデスクに戻り執務に取り掛かった。


‥やれやれだよ。全く。




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