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リア王国 王太子らの視察という名目
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王都から少し離れた所に王国最大の孤児院がある。ここは開かれた孤児院として一般人との交流も兼ねて大きなホールや施設が並んでいる。
緑が多く孤児院と隣接して大きな公園があり子どもたちで賑いをみせていた。
王太子であるジルベルトは側近で幼なじみでもあるハロルドとケイダンを連れてよくここを訪れている。もちろん視察という名目ではあるが。
『ここは王都と違って空気が美味しいね』
公園のベンチに座るハロルドが言うとケイダンも頷いた。ケイダンはジルベルトを見るもジルベルトは遠くを見つめながらカップのお茶を飲んでいる。
『どうした?ジル。』
ケイダンがジルベルトを覗き込むとハロルドが
『そっとしておいてやれ。来週からはアレが始まるんだ。王太子の仮面を付け続けなきゃなんないんだからね?我々とは違う。去年みたいな事にならなきゃいいけどね。』
ハロルドは肩を震わせる笑いを堪えている。
昨年の留学シーズンでは王太子であるジルベルトは散々であった。そもそも本当にリア王国で学びたい貴族らは個人でやって来るのだ。それを国を挙げてとなれば仰々しいが王女の箔付けか、もしくはリア王国の王子たちを狙う王女や令嬢らの集まりである。
それらに対してジルベルトは王太子仮面を付けて接しなければならない。勘違いする令嬢も少なくはないのだ。昨年はそんな令嬢らが帰国しないと居座る者が出てきたのである。優しさも罪。今更ながら学んだジルベルトであった。
辟易とするジルベルトは遠くで子どもたちの遊び回る姿を見て癒やされていた。
『ロイ!やめろ!返せよ!』
1人の少年がロイという少年に詰め寄っている。ロイは少年の物であろう首飾りをブンブンに振り回すと首飾りはブンと飛び、向かいの木の上まで飛んで引っ掛かって止まった。
それを見守るジルベルトらはお互い顔を見合わせると
『懐かしいな…』
ハロルドが言うとジルベルトは
『お前はいつもあの、ロイという少年のようだったな。』
ケイダンは同意し笑っている。
…。
木を見上げる少年に1人の娘が声を上げる。
『アンディ!駄目よ。無理無理。』
娘はアンディの腕を掴むとアンディは
『お姉ちゃんからしたら、なんでもないただの首飾りかもしれないけど、僕にとっては何より大切なんだ!』
娘は木を見上げると
『だけど無理だわ!』
アンディは涙を堪えながら
『ただの貝殻の首飾りだけど僕にとってはどんな宝よりも大切なんだ。お母さんと最後に行った海で一緒に見つけたんだ。宝物だろ?』
娘は間髪入れずに
『それはそう!もちろんだわ。』
娘は木を見上げ木の周りを確認すると
『分かった!分かったからアンディはここで待ってて。私が行く!』
そう言うと娘はワンピースのまま、その木にさるのように登り始めた。
!!!
王太子らは驚き思わず立ち上がった。
『まぢかよ?』
ハロルドは目を見開き思わず駆け寄ろうとするも
ケイダンが制止する。
『我々が行けば大事になる!』
ジルベルトも同意し3人はベンチに腰を下ろし見守った。
『ってか何者だ?サルの様だぞってサルか?』
ケイダンはじっくりと観察している。
『一応どっかの、令嬢かな?』
ジルベルトが言うとハロルドは
『まさか、気に登れる令嬢なんて聞いたことないしあんな令嬢知らないよ?』
…。
娘はほんの2、3分で木の上まで到達するとアンディに首飾りを大きく振ってみせた。その様子をアンディの隣のロイは安堵の様子で見つめながら
『お姉ちゃん頑張って!』
娘は大きく笑うと木の下を見下ろした。
首飾りを片手に降りるのは至難の業だ。だからと言ってこの首飾りを自分の首に掛けるのは憚れた。
…どうしよう?
娘は仕方なく首飾りを自分の首に掛けようとするもやはり躊躇いそれを左手に持ち替えた。
そしてあろうことが隣の木の枝に右手だけで乗り移るとアンディではなくロイを呼んだ。
片手で枝を持ち、ぶら下がりながら
『ロイ!この下まで来てこれを受け取って!アンディの大切な宝物よ。落としては駄目なの。貴方に出来る?』
少年に出来る?は徴発だ。この年頃の少年ならば答えは1つ。
『うん!任せて!』
ロイは両手で小さなカゴを作り娘の元へ行くと娘は最大に手を伸ばしてロイの手のカゴへそっと落とした。
喜ぶロイとアンディの横に、耐えられなくなった枝とともに娘は激しく落下した。
『『大丈夫?』』
ロイとアンディが慌てて娘に駆け寄ると娘はヒョイと立ち上がると
『鈍ったわね。』
戯けてみせた。
『ありがとう!』
アンディの言葉に娘は頷くとロイに向かって
『ロイ、どうしてアンディの首飾りを投げたりしたの?』
ロイは思い出したかのように俯くと
『謝ればいいんだろ?』
少し不貞腐れた。娘は不思議そうに
『ううん。何故謝るの?悪くないなら謝る必要なんて無くない?私はただ訳が知りたいだけよ?』
ロイは俯きながら
『ただ、アンディと遊びたかっただけ…でもアンディはいつもソレを見つめながら寝転んでいるからソレが無ければ一緒に遊べるかとおもったんだ。』
『そっかロイはアンディと遊びたかったのね?でもアンディの大切な物が無くなればアンディか悲しむとは思わなかった?』
ロイは少し上目遣いで娘を見ると
『そこまで考えてなかったや…ごめん』
娘は嬉しそうにアンディを見ると
『アンディ、聞いたわよね?ロイの気持ち。今のごめんはアンディの心が軽くなるごめんでしょ?』
アンディは娘の言葉に笑顔で頷くと
『ロイ、ごめん。せっかく遊ぼうって誘ってくれてたのに、僕は断られるロイの気持ちを考えてなかったよ!』
アンディが謝るとロイもまた謝り、そしてまたアンディも謝ると娘は呆れたように
『もう、意味の無いごめんになってるわ!ごめんは心からでないと相手に響かないの。分かった?』
二人は顔を見合わせると恥ずかしそうに笑った。
その様子を見守っていたこの国の王太子らもお互い顔を見合わせると照れた様に微笑んだ。
緑が多く孤児院と隣接して大きな公園があり子どもたちで賑いをみせていた。
王太子であるジルベルトは側近で幼なじみでもあるハロルドとケイダンを連れてよくここを訪れている。もちろん視察という名目ではあるが。
『ここは王都と違って空気が美味しいね』
公園のベンチに座るハロルドが言うとケイダンも頷いた。ケイダンはジルベルトを見るもジルベルトは遠くを見つめながらカップのお茶を飲んでいる。
『どうした?ジル。』
ケイダンがジルベルトを覗き込むとハロルドが
『そっとしておいてやれ。来週からはアレが始まるんだ。王太子の仮面を付け続けなきゃなんないんだからね?我々とは違う。去年みたいな事にならなきゃいいけどね。』
ハロルドは肩を震わせる笑いを堪えている。
昨年の留学シーズンでは王太子であるジルベルトは散々であった。そもそも本当にリア王国で学びたい貴族らは個人でやって来るのだ。それを国を挙げてとなれば仰々しいが王女の箔付けか、もしくはリア王国の王子たちを狙う王女や令嬢らの集まりである。
それらに対してジルベルトは王太子仮面を付けて接しなければならない。勘違いする令嬢も少なくはないのだ。昨年はそんな令嬢らが帰国しないと居座る者が出てきたのである。優しさも罪。今更ながら学んだジルベルトであった。
辟易とするジルベルトは遠くで子どもたちの遊び回る姿を見て癒やされていた。
『ロイ!やめろ!返せよ!』
1人の少年がロイという少年に詰め寄っている。ロイは少年の物であろう首飾りをブンブンに振り回すと首飾りはブンと飛び、向かいの木の上まで飛んで引っ掛かって止まった。
それを見守るジルベルトらはお互い顔を見合わせると
『懐かしいな…』
ハロルドが言うとジルベルトは
『お前はいつもあの、ロイという少年のようだったな。』
ケイダンは同意し笑っている。
…。
木を見上げる少年に1人の娘が声を上げる。
『アンディ!駄目よ。無理無理。』
娘はアンディの腕を掴むとアンディは
『お姉ちゃんからしたら、なんでもないただの首飾りかもしれないけど、僕にとっては何より大切なんだ!』
娘は木を見上げると
『だけど無理だわ!』
アンディは涙を堪えながら
『ただの貝殻の首飾りだけど僕にとってはどんな宝よりも大切なんだ。お母さんと最後に行った海で一緒に見つけたんだ。宝物だろ?』
娘は間髪入れずに
『それはそう!もちろんだわ。』
娘は木を見上げ木の周りを確認すると
『分かった!分かったからアンディはここで待ってて。私が行く!』
そう言うと娘はワンピースのまま、その木にさるのように登り始めた。
!!!
王太子らは驚き思わず立ち上がった。
『まぢかよ?』
ハロルドは目を見開き思わず駆け寄ろうとするも
ケイダンが制止する。
『我々が行けば大事になる!』
ジルベルトも同意し3人はベンチに腰を下ろし見守った。
『ってか何者だ?サルの様だぞってサルか?』
ケイダンはじっくりと観察している。
『一応どっかの、令嬢かな?』
ジルベルトが言うとハロルドは
『まさか、気に登れる令嬢なんて聞いたことないしあんな令嬢知らないよ?』
…。
娘はほんの2、3分で木の上まで到達するとアンディに首飾りを大きく振ってみせた。その様子をアンディの隣のロイは安堵の様子で見つめながら
『お姉ちゃん頑張って!』
娘は大きく笑うと木の下を見下ろした。
首飾りを片手に降りるのは至難の業だ。だからと言ってこの首飾りを自分の首に掛けるのは憚れた。
…どうしよう?
娘は仕方なく首飾りを自分の首に掛けようとするもやはり躊躇いそれを左手に持ち替えた。
そしてあろうことが隣の木の枝に右手だけで乗り移るとアンディではなくロイを呼んだ。
片手で枝を持ち、ぶら下がりながら
『ロイ!この下まで来てこれを受け取って!アンディの大切な宝物よ。落としては駄目なの。貴方に出来る?』
少年に出来る?は徴発だ。この年頃の少年ならば答えは1つ。
『うん!任せて!』
ロイは両手で小さなカゴを作り娘の元へ行くと娘は最大に手を伸ばしてロイの手のカゴへそっと落とした。
喜ぶロイとアンディの横に、耐えられなくなった枝とともに娘は激しく落下した。
『『大丈夫?』』
ロイとアンディが慌てて娘に駆け寄ると娘はヒョイと立ち上がると
『鈍ったわね。』
戯けてみせた。
『ありがとう!』
アンディの言葉に娘は頷くとロイに向かって
『ロイ、どうしてアンディの首飾りを投げたりしたの?』
ロイは思い出したかのように俯くと
『謝ればいいんだろ?』
少し不貞腐れた。娘は不思議そうに
『ううん。何故謝るの?悪くないなら謝る必要なんて無くない?私はただ訳が知りたいだけよ?』
ロイは俯きながら
『ただ、アンディと遊びたかっただけ…でもアンディはいつもソレを見つめながら寝転んでいるからソレが無ければ一緒に遊べるかとおもったんだ。』
『そっかロイはアンディと遊びたかったのね?でもアンディの大切な物が無くなればアンディか悲しむとは思わなかった?』
ロイは少し上目遣いで娘を見ると
『そこまで考えてなかったや…ごめん』
娘は嬉しそうにアンディを見ると
『アンディ、聞いたわよね?ロイの気持ち。今のごめんはアンディの心が軽くなるごめんでしょ?』
アンディは娘の言葉に笑顔で頷くと
『ロイ、ごめん。せっかく遊ぼうって誘ってくれてたのに、僕は断られるロイの気持ちを考えてなかったよ!』
アンディが謝るとロイもまた謝り、そしてまたアンディも謝ると娘は呆れたように
『もう、意味の無いごめんになってるわ!ごめんは心からでないと相手に響かないの。分かった?』
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