絶世の悪女と呼ばれる公爵令嬢【完】

mako

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サル再び

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あれから3日後、ジルベルトらは今度は本当に孤児院への視察で訪れていた。

公式訪問の為、ケイダンとハロルドはジルベルトの後方に控えジルベルトは子ども達の様子をシスターに案内されながら眺めていた。


最後の部屋に入るとジルベルト、そして後ろに控える二人も驚き目を見開いた。


あのサル、改め娘が今度はピアノを弾いて子どもたちと歌を歌っているではないか?


ジルベルトはシスターに


『あの娘は?ここの出身か何かですか?』


シスターは娘に視線を移すと


『いいえ、ボランティアです。と言っても今週からですが、子ども達にも人気でしてね。助かっておりますの。差し入れも子ども達の心を掴む物ばかりで…』


今までの部屋とは違い、この部屋の子どもたちは王太子の訪問を気にする事もなく歌を歌ったり踊ったりしている。それだけこの時間が子どもたちにとって楽しいひと時なのであろう。


ジルベルトは邪魔せぬように、早めに部屋を出るとシスターをお礼をし孤児院を後にした。



公園まで来ると3人は芝生に寝転び大きく息を吸い込んだ。


『生き返る~!』  

3人は大の字に寝転ぶ。



『ってあのサル何者なの?』

ハロルドが思い出したかのように起き上がると

『おそらくどこかの令嬢だ。』

ジルベルトが確信したかのように言う。


『まさか、気に登れる令嬢って知ってるか?』

ハロルドの問にケイダンは


『知らない…だけどピアノの腕前は凄かったよ。』


感心するケイダンにハロルドは馬鹿にしたように


『腕前ってただの童謡じゃないか』


何やら考え込んでいたジルベルトも起き上がると


『いや、単純な童謡だからこそ腕前が光るんだ。あれは只者じゃないサルだ。』


三人三様に頭を悩ませていると孤児院からあの娘が子どもたちに手を振り出てくるのが見えた。3人は何故か焦ったようにベンチを探すと


『そうだ、お茶でも飲むか?』

3人は町の市場の屋台に並ぶと大きく息を吐いた。


…何か悪い事してるみたいだ。


放心状態の3人の後ろから


『おばあさん!果実水って何が入ってる?』


!!!


3人は振り返らなくても確認できる。この声はまさしく謎のサルだ。


『今日はオレンジとレモンとベリーだよ!』


おばあさんの元気な声に負けない大きさで娘も


『えぇ?ベリーって合うのかな?ねえ、合うの?』


娘は何の気無しに前に並ぶ3人に話し掛けた。


ハロルドは笑顔を作り


『これが案外美味いんだ!』


娘は大きな瞳を輝かせると


『本当?じゃあおばあさん!それで!今日来れてラッキーってことね?』


娘はハロルドに言うとハロルドは大きく頷いた。 






公園のベンチに腰を下ろすと娘が3人を順に観察しながら果実水を片手に

『ふふ~ん。貴方たち、貴族令息って所ね?でもこんな所で遊んでいるのを見ると…次男坊って所でしょう?どうあたり?』


顔を見合わせる3人の様子を眺めて娘は手を突き上げて喜んでいる。


…こんな所で遊んでないけどね?

…ってかお前は何者だよ。


二人の心を聞いたようにジルベルトは娘に


『う~ん。君こそ、そうだな?令嬢は令嬢だけど末っ子の大人っぽいデビュタント前とかかな?』


腕を組み微笑むジルベルトに娘は



『貴方もなかなかやるわね。』

感心しながら果実水を飲み干すと娘は

『迎えが来たわ!じゃあ又ね!』


階段を駆け昇って迎えの馬車に乗り込んだ。






『令嬢って階段駆け昇っていったぞ?』

固まるケイダン。


『馬車が立派じゃなかったか?』

目ざといハロルド。


『…。』

言葉が出ないジルベルト。




どっぷり疲れた3人はトボトボと馬車に乗り込んだ。








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