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リア王国王太子の力

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『これからどうなるのかしら?』


案ずるエミリアを安心させるかのようにジルベルトは語る。

『手筈は整えてある。』 


…?首を傾げるエミリアに


『お父上にもお話は通してあるから大丈夫。』




エミリアは驚きジルベルトの腕の中から飛び出ると


『大丈夫って何が?っていつ話しを?』




離れたエミリアを残念そうに眺めると


『いつって、エミリアがまだリア王国で学んでいる時もだったかな?』


尚も驚き

『そんな前に?ってお父様は?私はまださる殿下の婚約者だったわ!』


『そうだね。だからまあそれとなく?』



…。


『お父様は何と?』

ジルベルトは普通に答える。


『是非娘の心をお掴み下さいとか何とか言ってたけど?』

エミリアは大げさに手を広げると

『それは無いわ!お父様はそんな事仰らないもの。』


ジルベルトもニヤリと笑う。


『ここではね?君と同じく仮面装着してるからね。だけどねお会いしたのはここでは無い。我が国だからお父上はとても気さくな紳士だったけど?』


…リア王国で?


『君の様子をお忍びで見に来られた時だよ?あと兄上も一緒だったからね、王宮にも招待したんだ。』



…えっと?仮にも我が国の宰相であるお父様が?何やってんのよ!



エミリアは少々ご立腹な様子。


『マドリン王国へは君の返事次第ですぐにリア王国より話しがいく事になっているから大丈夫。君も知っての通りマドリン王国よりは力はあるつもりだからね。』

…。


ジルベルトが得意気に語る中、扉が開くと


『ご無沙汰しております』


エミリアの兄であるマグヌス・フォン・ヘルツベルトが入って来た。久々の兄との再会を喜ぶ間もなくエミリアは


『お兄様、お父様と一緒に何をしてらしたのですか?仮にも我が家はマドリン王国筆頭公爵家ですのよ?』



マグヌスは普段無愛想で通っているのがウソのように微笑むと


『別に何も悪い事はしていないよ?ただ妹の様子を見に行きたまたま出会った王太子の招待を受けただけの事。非公式だからね。それに陛下にも報告はしてあるしね。流石に内容までは話してないけど。』


悪びれる事なく話すとジルベルトに


『今夜はこちらでお泊りになられては?』


気さくなマグヌスにジルベルトは残念そうに


『うわぁ飲みたいね。だけど今夜中に事を片付けておかないと後々面倒になると困るからね。』


マグヌスも納得し


『では結婚式の時は前のりしてリア王国に入りますのでその時にでも!』



『それはいい。楽しみにしてるよ』



エミリアの知らないうちに打ち解け合う2人に驚いているとマグヌスは


『エミリア、驚いているけどさ、父上もここに居たらこれが3人だからね?』



…公爵家の仮面はどこいったよ…


エミリアは複雑そうに眺めていた。






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