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不祥事
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リア王国修道院へ収容されていたニコルが忽然と姿を消した。マドリン王国王宮での媚薬事件が暴かれた際には確かに居たニコル。あれからリア王国の修道院に帰ってきてからのニコルの姿を見た者は居ない。
いくら公爵令嬢とはいえ、嫌疑が掛けられた令嬢が自由気ままに出歩く事は出来ない。何らかの力が働いたということは明白である。
その頃リア王国で力を持っていたのは、ジルベルトの留守を預かるケイダンである。
ハロルドが力を使って調べていくと、既にもっと大きな力を使って動いているジルベルトが居た。
『ジル、お前が動けば目立ち過ぎるぞ?』
ジルベルトは抑えられない怒りをぶつけるように
『わかってる!』
珍しく感情を露わにするジルベルトにハロルドは納得するかのように息を吐き
『気持ちはわかるが、感情的になっても解決はしない、寧ろ見えるものも見えなくなるぞ?』
ジルベルトはハロルドの横に腰を下ろすと
『すまない。』
『いや、俺だって同じ気持ちだ。寧ろそれ以上だよ。だってジルがマドリンに乗り込んだ時たまたま俺が付き添ったがあれはケイダンでもおかしくないもんね?そうしたら今頃、俺が地下牢だよ。』
ハロルドは空を見上げた。皮肉にも晴天が広がり雲の流れが早い…。
『そもそも何で、ニコル嬢の開放がそんな簡単に行われた?ケイダンが承認してるんだよな?それは確かか?』
ジルベルトは考えながら頷いた。
『承認して何をするつもりだったのだ?だって本当に逃がすつもりなら、余りにもアホだろ?』
ジルベルトは頷くと
『そこは何度もケイダンに確認したのだが、話さないんだ。』
ハロルドはすかさず
『話せないんだね?そこだな。』
2人はしばらく沈黙のまま考え込んでいた。
手がかりの掴めぬまま2週間が過ぎた頃、マドリン王国からヨハネスが非公式でリア王国を訪れた。
『これはこれはヨハネス殿下、ようこそいらっしゃいました。』
ジルベルトのいかにもテンプレ通りの言葉に
『あまり歓迎されてはいないようだけど?』
ヨハネスは目の前に座るジルベルト、エミリアそして後ろに控えるハロルドを見た。
エミリアは不自然な゙程笑顔でありハロルドも表情が固い。
『ところで、マリア王女の手下となっていたあの公爵令嬢を呼んでくれるかな?』
何ともタイムリーな話題にハロルドが反応する。
…!
押し黙るジルベルトにヨハネスはニヤリと笑い
『問題でも?』
大有りである。何せ行方不明で居場所を知りたいのは寧ろこちらも同じ。
ハロルドが気まずそうに説明するとヨハネスは大袈裟に驚き
『あらら、とんだ不祥事だね?ってまあいいけど。っていうのもさ、彼女の減刑を求める為に来たんだけど…どうしようか…。』
ジルベルトはヨハネスに軽く頭を下げると
『ところでマリア王女はどうなりました?』
『彼女はね、我が国で裁きを受けるはずだったがバルトス王国から国王直々に頭を下げられたからね?処遇は国王に一任したよ?』
ハロルドは呆れたように
『国王って、親子じゃないですか!有耶無耶になるに決まってますが?』
『だろうね。』
…だろうねって。
エミリアは怪訝そうにヨハネスに視線を流した。
『だけどね?彼女は我が国の内情まで調査しようとしてた。既に知り得た事もあるだろうね。そんな他国の王女をみすみす放免する訳なくない?』
…。
ゴクリと喉を鳴らす3人に笑顔を向けると
『仕込んであるよ。きちんとね。』
『まさか?』
エミリアが思わず声を上げるとジルベルトとハロルドの視線が突き刺さる。
『ヨハネス殿下、まさかとは思いますが子種ですか?』
ひっくり返りそうになる2人を他所にヨハネスは声を上げて笑った。
『エミリア、どうしたの?ここに来て頭がどうかしてしちゃった?な訳ないでしょう?』
…。
『ヘンリーだよ。あれはあぁ見えて科学者としては優秀なんだ。いわゆる発信器の類をマリアに仕込んでるのさ。だから彼女がどこに行こうが我々の知る所となるって事。』
…。3人は瞬きを繰り返していると
『そうそう、ちなみにマリアは今、リア王国に入っているよ?』
!
『どこに?』
ジルベルトは前のめりになりヨハネスに問うた。
『私もこちらの地理はよくわからないが、南の方だね。』
『まさか?』
南といえば公爵令嬢であるニコルの領地でもある。
ここでマリアとニコルが繋がった。
すぐさま立ち上がる2人は上着を引っ掛け部屋を出ようとしハロルドはエミリアに
『ヨハネス殿下のお守りを頼む!』
ジルベルトはハロルドの言葉にピクリと反応すると
『ハロ、お前も残れ!』
『は?』
『いや、マズイだろ?2人は元だが婚約者同士だぞ?』
ハロルドは呆れたようにジルベルトを見ると
『付き合ってらんね!』
急ぎ部屋を後にするハロルドをジルベルトは後ろ髪を引かれる思いで追いかけた。
いくら公爵令嬢とはいえ、嫌疑が掛けられた令嬢が自由気ままに出歩く事は出来ない。何らかの力が働いたということは明白である。
その頃リア王国で力を持っていたのは、ジルベルトの留守を預かるケイダンである。
ハロルドが力を使って調べていくと、既にもっと大きな力を使って動いているジルベルトが居た。
『ジル、お前が動けば目立ち過ぎるぞ?』
ジルベルトは抑えられない怒りをぶつけるように
『わかってる!』
珍しく感情を露わにするジルベルトにハロルドは納得するかのように息を吐き
『気持ちはわかるが、感情的になっても解決はしない、寧ろ見えるものも見えなくなるぞ?』
ジルベルトはハロルドの横に腰を下ろすと
『すまない。』
『いや、俺だって同じ気持ちだ。寧ろそれ以上だよ。だってジルがマドリンに乗り込んだ時たまたま俺が付き添ったがあれはケイダンでもおかしくないもんね?そうしたら今頃、俺が地下牢だよ。』
ハロルドは空を見上げた。皮肉にも晴天が広がり雲の流れが早い…。
『そもそも何で、ニコル嬢の開放がそんな簡単に行われた?ケイダンが承認してるんだよな?それは確かか?』
ジルベルトは考えながら頷いた。
『承認して何をするつもりだったのだ?だって本当に逃がすつもりなら、余りにもアホだろ?』
ジルベルトは頷くと
『そこは何度もケイダンに確認したのだが、話さないんだ。』
ハロルドはすかさず
『話せないんだね?そこだな。』
2人はしばらく沈黙のまま考え込んでいた。
手がかりの掴めぬまま2週間が過ぎた頃、マドリン王国からヨハネスが非公式でリア王国を訪れた。
『これはこれはヨハネス殿下、ようこそいらっしゃいました。』
ジルベルトのいかにもテンプレ通りの言葉に
『あまり歓迎されてはいないようだけど?』
ヨハネスは目の前に座るジルベルト、エミリアそして後ろに控えるハロルドを見た。
エミリアは不自然な゙程笑顔でありハロルドも表情が固い。
『ところで、マリア王女の手下となっていたあの公爵令嬢を呼んでくれるかな?』
何ともタイムリーな話題にハロルドが反応する。
…!
押し黙るジルベルトにヨハネスはニヤリと笑い
『問題でも?』
大有りである。何せ行方不明で居場所を知りたいのは寧ろこちらも同じ。
ハロルドが気まずそうに説明するとヨハネスは大袈裟に驚き
『あらら、とんだ不祥事だね?ってまあいいけど。っていうのもさ、彼女の減刑を求める為に来たんだけど…どうしようか…。』
ジルベルトはヨハネスに軽く頭を下げると
『ところでマリア王女はどうなりました?』
『彼女はね、我が国で裁きを受けるはずだったがバルトス王国から国王直々に頭を下げられたからね?処遇は国王に一任したよ?』
ハロルドは呆れたように
『国王って、親子じゃないですか!有耶無耶になるに決まってますが?』
『だろうね。』
…だろうねって。
エミリアは怪訝そうにヨハネスに視線を流した。
『だけどね?彼女は我が国の内情まで調査しようとしてた。既に知り得た事もあるだろうね。そんな他国の王女をみすみす放免する訳なくない?』
…。
ゴクリと喉を鳴らす3人に笑顔を向けると
『仕込んであるよ。きちんとね。』
『まさか?』
エミリアが思わず声を上げるとジルベルトとハロルドの視線が突き刺さる。
『ヨハネス殿下、まさかとは思いますが子種ですか?』
ひっくり返りそうになる2人を他所にヨハネスは声を上げて笑った。
『エミリア、どうしたの?ここに来て頭がどうかしてしちゃった?な訳ないでしょう?』
…。
『ヘンリーだよ。あれはあぁ見えて科学者としては優秀なんだ。いわゆる発信器の類をマリアに仕込んでるのさ。だから彼女がどこに行こうが我々の知る所となるって事。』
…。3人は瞬きを繰り返していると
『そうそう、ちなみにマリアは今、リア王国に入っているよ?』
!
『どこに?』
ジルベルトは前のめりになりヨハネスに問うた。
『私もこちらの地理はよくわからないが、南の方だね。』
『まさか?』
南といえば公爵令嬢であるニコルの領地でもある。
ここでマリアとニコルが繋がった。
すぐさま立ち上がる2人は上着を引っ掛け部屋を出ようとしハロルドはエミリアに
『ヨハネス殿下のお守りを頼む!』
ジルベルトはハロルドの言葉にピクリと反応すると
『ハロ、お前も残れ!』
『は?』
『いや、マズイだろ?2人は元だが婚約者同士だぞ?』
ハロルドは呆れたようにジルベルトを見ると
『付き合ってらんね!』
急ぎ部屋を後にするハロルドをジルベルトは後ろ髪を引かれる思いで追いかけた。
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