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夫婦の時間2
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アメリアは静かに、大きく息を吸い込んだ。
そして、感情を押し殺すような瞳でセリュアンを見つめる。
「殿下。……殿下が先ほど仰ったことが本当であれば、私からも一つ、苦情を申し上げてもよろしいでしょうか?」
セリュアンはわずかに目を細め、口元に薄く笑みを浮かべた。
「どうぞ、いくらでも」
アメリアは一拍置いて、心の奥を探るように視線を落とした。
そのまましばらく口を閉ざしていたが、やがて小さく頷き、静かに言葉を紡ぎ始めた。
「私は……完璧な王太子妃として生きていく覚悟を持って、ここに参りました。
それが唯一、殿下への償いであり、私に課せられた使命だと思っていたのです。……王太子妃の一番の役目は、なんでしょうか?」
「……後継者を、産むこと。かな」
その答えに、アメリアはそっと頷く。だが、すぐに続いた言葉は、セリュアンの胸に突き刺さった。
「ですから私は、殿下の心の中には今もなお、最愛の方がいらっしゃるのだと……そう、思っておりました」
セリュアンの目が、大きく見開かれる。
アメリアの声は震えていたが、それでも淡々と事実を語るようだった。
「だって、そうでしょう?
最愛の人がいるのに、私を抱けるはずがない。……私はずっと、それを理解しようと努めてまいりました。
王太子としての責務の中で、心ならずとも妃を迎えなければならなかった、その重荷も、私なりに理解しようと……。
ですから……いずれ、殿下の心にある“その方”が側妃として上がってこられるのではないかと。
それならば、私はその席を空けておくべきだと、思っていたのです」
潤んだ瞳が、微かに震える睫毛の奥で光っている。
その姿に、セリュアンの胸は、しめつけられるように痛んだ。
「……違う。違うんだ、アメリア。君は何もわかっていない……!」
思わずそう叫ぶように言うと、セリュアンはたまらず彼女へと歩み寄った。
彼女の目に浮かぶ涙が、なによりも彼の心を乱した。
「君を抱かなかったのは、最愛の人がいるからじゃない。……違う。
ただ、君を“義務”で抱くことが、どうしてもできなかっただけだ。
君を、そんなふうに扱いたくなかった。それだけなんだ……!」
「――っ……」
アメリアの唇が震え、目を見開いたまま言葉を失う。
その瞬間、セリュアンの手が彼女の頬にそっと触れた。
体温の伝わるその手が、アメリアの思考を溶かすように包み込んでいく。
「君を“妃”としてではなく、“アメリア”として欲しいと思った。それが、ずっと怖かった」
「セリュアン……」
彼の名を口にした瞬間、アメリアの腰がそっと抱き寄せられる。
ふわりと触れた唇は、まるで長く焦がれていた熱がようやく触れ合ったようだった。
「許してほしい。……君を欲しいと、今、はっきり思っている」
言葉が終わるより早く、唇が重なった。
それは最初こそ戸惑いを含んでいたが、やがて溺れるように深く、熱を帯びていく。
肩紐がすっと滑り落ち、彼の手が震えるほど慎重に背中を撫でる。
そのたびに、アメリアの呼吸がか細く乱れ、肌の上にふれた吐息が、ふたりの距離を曖昧にした。
「私は、もう……あなたにしか、触れてほしくない……」
アメリアの声が甘く溶け、セリュアンの耳に流れ込んだ。
その一言で、彼の中の理性の最後の一枚が静かに崩れる。
寝台の上で指が絡まり、肌が重なり、ふたりの間にあった“王太子”と“妃”という仮面が、音もなく落ちていった。
そこにあったのはただ、セリュアンとアメリア――ふたりの、むき出しの感情だけだった。
朝が来たことを告げる鐘の音が、遠くで静かに響いた。
アメリアが目を覚ましたとき、外はまだ淡い光に包まれていた。
分厚いカーテンの隙間から差し込む朝の光が、揺らめくように寝室の空気を照らしている。
彼女は柔らかなシーツの中で身じろぎした。
その動きに、隣にいる人物が僅かに腕を伸ばして、そっと彼女の腰を抱き寄せる。
「……おはよう、アメリア」
低くくぐもった声が、耳元に落ちてくる。
アメリアの胸の奥が、静かに熱くなった。
「おはようございます……殿下」
そう返した声には、どこか照れの混じった柔らかさがあった。
まだ頬は微かに紅潮し、昨夜の熱が、ほんのりと残っている。
セリュアンはその表情を目にして、思わず微笑んだ。
そして、彼女の額に軽く唇を落とす。
「ねえ、もう“殿下”はやめてくれないか?」
「……そういうわけにはいきませんわ」
アメリアは少しだけ笑って、寝台の上で身体を起こそうとした。
けれどその腕を、セリュアンがそっと引き止める。
「もう少し、こうしていたい」
そう呟く声に、彼の素直な気持ちが滲んでいた。
王太子としての仮面も、政治的な義務も、戦略も、何もない――
ただ、“彼”としての言葉だった。
アメリアは少し驚いたように目を瞬かせ、それからそっと身を戻す。
彼の腕の中に身を委ねることに、もうためらいはなかった。
「殿下は……少し、ずるいですわ」
「また言われた」
苦笑交じりに囁いて、彼は肩越しにカーテンの向こうを見た。
朝が始まろうとしている。だが、今だけはその時間から目を逸らしたかった。
「ねえ、アメリア。……後悔してないか?」
ふとした沈黙ののち、アメリアは首を横に振った。
そして、そっと彼の胸に顔を預けながら、囁く。
「後悔する理由なんて、ありませんもの。
――むしろ、ようやく殿下と向き合えたことが、少し、嬉しいですわ」
セリュアンはアメリアの髪に顔を埋め、小さく息を吐いた。
彼女の言葉が、優しく胸に沁みていく。
もう、仮面の関係には戻れない。
だがそれは、失うことではなく――
ようやく手に入れた「本当の始まり」だった。
朝陽がカーテンの隙間から差し込み、寝台を優しく照らす。
肌と肌が触れ合う温もりのなか、言葉にしない想いが静かに満ちていた。
それは、夜を超えて芽生えた確かな絆。
互いに深く触れ合い、知ってしまったからこそ、もう遠ざかることはできない。
セリュアンはそっと目を閉じ、アメリアの名を心の中で繰り返す。
この朝が、すべての始まりになる――そう確信しながら。
そして、感情を押し殺すような瞳でセリュアンを見つめる。
「殿下。……殿下が先ほど仰ったことが本当であれば、私からも一つ、苦情を申し上げてもよろしいでしょうか?」
セリュアンはわずかに目を細め、口元に薄く笑みを浮かべた。
「どうぞ、いくらでも」
アメリアは一拍置いて、心の奥を探るように視線を落とした。
そのまましばらく口を閉ざしていたが、やがて小さく頷き、静かに言葉を紡ぎ始めた。
「私は……完璧な王太子妃として生きていく覚悟を持って、ここに参りました。
それが唯一、殿下への償いであり、私に課せられた使命だと思っていたのです。……王太子妃の一番の役目は、なんでしょうか?」
「……後継者を、産むこと。かな」
その答えに、アメリアはそっと頷く。だが、すぐに続いた言葉は、セリュアンの胸に突き刺さった。
「ですから私は、殿下の心の中には今もなお、最愛の方がいらっしゃるのだと……そう、思っておりました」
セリュアンの目が、大きく見開かれる。
アメリアの声は震えていたが、それでも淡々と事実を語るようだった。
「だって、そうでしょう?
最愛の人がいるのに、私を抱けるはずがない。……私はずっと、それを理解しようと努めてまいりました。
王太子としての責務の中で、心ならずとも妃を迎えなければならなかった、その重荷も、私なりに理解しようと……。
ですから……いずれ、殿下の心にある“その方”が側妃として上がってこられるのではないかと。
それならば、私はその席を空けておくべきだと、思っていたのです」
潤んだ瞳が、微かに震える睫毛の奥で光っている。
その姿に、セリュアンの胸は、しめつけられるように痛んだ。
「……違う。違うんだ、アメリア。君は何もわかっていない……!」
思わずそう叫ぶように言うと、セリュアンはたまらず彼女へと歩み寄った。
彼女の目に浮かぶ涙が、なによりも彼の心を乱した。
「君を抱かなかったのは、最愛の人がいるからじゃない。……違う。
ただ、君を“義務”で抱くことが、どうしてもできなかっただけだ。
君を、そんなふうに扱いたくなかった。それだけなんだ……!」
「――っ……」
アメリアの唇が震え、目を見開いたまま言葉を失う。
その瞬間、セリュアンの手が彼女の頬にそっと触れた。
体温の伝わるその手が、アメリアの思考を溶かすように包み込んでいく。
「君を“妃”としてではなく、“アメリア”として欲しいと思った。それが、ずっと怖かった」
「セリュアン……」
彼の名を口にした瞬間、アメリアの腰がそっと抱き寄せられる。
ふわりと触れた唇は、まるで長く焦がれていた熱がようやく触れ合ったようだった。
「許してほしい。……君を欲しいと、今、はっきり思っている」
言葉が終わるより早く、唇が重なった。
それは最初こそ戸惑いを含んでいたが、やがて溺れるように深く、熱を帯びていく。
肩紐がすっと滑り落ち、彼の手が震えるほど慎重に背中を撫でる。
そのたびに、アメリアの呼吸がか細く乱れ、肌の上にふれた吐息が、ふたりの距離を曖昧にした。
「私は、もう……あなたにしか、触れてほしくない……」
アメリアの声が甘く溶け、セリュアンの耳に流れ込んだ。
その一言で、彼の中の理性の最後の一枚が静かに崩れる。
寝台の上で指が絡まり、肌が重なり、ふたりの間にあった“王太子”と“妃”という仮面が、音もなく落ちていった。
そこにあったのはただ、セリュアンとアメリア――ふたりの、むき出しの感情だけだった。
朝が来たことを告げる鐘の音が、遠くで静かに響いた。
アメリアが目を覚ましたとき、外はまだ淡い光に包まれていた。
分厚いカーテンの隙間から差し込む朝の光が、揺らめくように寝室の空気を照らしている。
彼女は柔らかなシーツの中で身じろぎした。
その動きに、隣にいる人物が僅かに腕を伸ばして、そっと彼女の腰を抱き寄せる。
「……おはよう、アメリア」
低くくぐもった声が、耳元に落ちてくる。
アメリアの胸の奥が、静かに熱くなった。
「おはようございます……殿下」
そう返した声には、どこか照れの混じった柔らかさがあった。
まだ頬は微かに紅潮し、昨夜の熱が、ほんのりと残っている。
セリュアンはその表情を目にして、思わず微笑んだ。
そして、彼女の額に軽く唇を落とす。
「ねえ、もう“殿下”はやめてくれないか?」
「……そういうわけにはいきませんわ」
アメリアは少しだけ笑って、寝台の上で身体を起こそうとした。
けれどその腕を、セリュアンがそっと引き止める。
「もう少し、こうしていたい」
そう呟く声に、彼の素直な気持ちが滲んでいた。
王太子としての仮面も、政治的な義務も、戦略も、何もない――
ただ、“彼”としての言葉だった。
アメリアは少し驚いたように目を瞬かせ、それからそっと身を戻す。
彼の腕の中に身を委ねることに、もうためらいはなかった。
「殿下は……少し、ずるいですわ」
「また言われた」
苦笑交じりに囁いて、彼は肩越しにカーテンの向こうを見た。
朝が始まろうとしている。だが、今だけはその時間から目を逸らしたかった。
「ねえ、アメリア。……後悔してないか?」
ふとした沈黙ののち、アメリアは首を横に振った。
そして、そっと彼の胸に顔を預けながら、囁く。
「後悔する理由なんて、ありませんもの。
――むしろ、ようやく殿下と向き合えたことが、少し、嬉しいですわ」
セリュアンはアメリアの髪に顔を埋め、小さく息を吐いた。
彼女の言葉が、優しく胸に沁みていく。
もう、仮面の関係には戻れない。
だがそれは、失うことではなく――
ようやく手に入れた「本当の始まり」だった。
朝陽がカーテンの隙間から差し込み、寝台を優しく照らす。
肌と肌が触れ合う温もりのなか、言葉にしない想いが静かに満ちていた。
それは、夜を超えて芽生えた確かな絆。
互いに深く触れ合い、知ってしまったからこそ、もう遠ざかることはできない。
セリュアンはそっと目を閉じ、アメリアの名を心の中で繰り返す。
この朝が、すべての始まりになる――そう確信しながら。
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