反主流派の公爵令嬢ですが何か?【完】

mako

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乙女心

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トゥモルデン王国に生を受け公爵令嬢として歩みを進めていたにも関わらず、私に甘い両親とお兄様のおかげ?なのかいつしか引きこもり令嬢となった私。

それでも貴族令嬢としての教育はしっかりと熟し、勉学にも励んできたこの私。だからこそ王太子妃、今では皇太子妃となっても執務は問題なく熟していける事には感謝していますの。

ただ…。



別に小説のように波乱に満ちた令嬢ライフなど求めてもいないし、盛大に婚約破棄を言い渡される令嬢に憧れがあるわけでもない。

しか~し、現状の様な毎日を望んでいた訳でもない。

貴族として生まれたからには政略結婚が当たり前。そこにラブラブな毎日など無い。ツンデレな旦那様や浮気性な旦那様。クズみたいな男に振り回される令嬢。様々なケースを読んだり、耳にしたり、目の当たりにしたりはしたけれど…


どれも当てはまらない私ってどうなの?


ライド殿下は王子様スマイルを持ち合わせ、優しい微笑みを絶やさない。それでいて仕事も出来る。酷い仕打ちもなければ、あからさまな裏切り行為も今の所無いように思う。

それなのに私の心がこんなにまで疲弊しているのは何故なのだろうか。

ライド殿下に思いの丈を話せば、胸を貸してくれるだろうし、ハグも快くしてくれよう。キスを強請れば優しいキスを落としてくれる。でもそんな事を望んでいる訳ではない。


私にはライド殿下の心の中が分からない。何を考えているのかまるで分からない。近くに居るのに果てしなく遠い存在なのだ。

贅沢な悩みのような…でも。


私の存在している意味ってありますの?


そんな風に頭を悩ます今日この頃ですの。


…何だかなぁ。






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