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開き直るハロルドと落ちるヴィクトリア
沈黙を破ったのはハロルドであった。
『殿下、殿下は誤解をされているのではございませんか?』
アレクセイはヴィクトリアから視線を外しハロルドを見る。
『うん?』
とぼけるアレクセイに
『私と妃殿下は殿下が疑われる様な関係ではございません。もちろん殿下にご心配をお掛けする行動を取った私の落ち度。心からお詫び申し上げます。』
ハロルドは深く頭を垂れた。
『いや、むしろ感謝してるでしょ』
小さく呟いたのはレイモンド。
アレクセイは黙ったまヴィクトリアに問う。
『何もいうことは無いって事でいいんだね?ヴィー。これはここだけの話だから、次は無いよ。』
‥
『レイモンド、帰るぞ』
レイモンドは素早く扉を開けようとした時
『待って!』
その言葉にアレクセイとレイモンドはニヤリと笑う。
アレクセイはヴィクトリアに寄り添うように
『ヴィー、どうした?』
アレクセイがヴィクトリアの髪の束を手に取ると
『アレク、ごめんなさい』
『やめろ!』
立ち上がるハロルドを羽交い締めにするレイモンド。
『何がごめんなさい?』
アレクセイはヴィクトリアの頭を撫でる。
『私、さみしくて。』
『うん。』
アレクセイは優しく顔を覗き込む。
ヴィクトリアは得意の上目遣いで
『アレクが、来てくれないから』
『うん、ごめんね。それで?』
『ハロとね。』
『違う!違います!』
暴れるハロルドを必死に押さえるレイモンド。
『ハロと、アレクの子を作ったの‥』
ヴィクトリアはアレクセイの胸に飛びついた。
アレクセイは優しく離し、
『ヴィー、ハロルドと私の子を作ったんだね?』
黙って頷くヴィクトリアに
『ヴィー、ハロルドと作った子はハロルドとヴィーの子どもだよ。』
『違う!お前は何を言っている?おかしくなったのか?』
声を荒げるハロルドにアレクセイは
『黙れ!誰に物を言っている?ヴィクトリアはまだ私の正妃だけど?』
アレクセイはヴィクトリアに向き直し
『ヴィクトリア、良かったよ。今話してくれて。どちらにせよ、君のお腹の子どもは私の子どもではない。私は君の中に子種を注いだ事はなかったからね。』
『嘘だ!そんな馬鹿な話があるもんか!』
自暴自棄になっているハロルドにレイモンドは
『アレクセイ殿下はテクニックをお持ちなのだ。』
ふざけるレイモンドを軽く睨み付けるアレクセイは
『ヴィクトリア、君とは離縁する。事実を明らかにすることになるが、君の命だけは守る。いいね?』
ヴィクトリアは放心状態のまま動けない。
そしてアレクセイはハロルドに
『ハロルド・バーモンド候爵令息、お前にはまだ話がある。ヴィラ候爵の嫌疑についての証拠が上がっている。捕らえよ。』
アレクセイの一言で衛兵がどっと入ってきてハロルドを拘束した。ハロルドは暴れていたがやがて大人しくなり素直に連行されていった。
部屋を出ようとしたアレクセイとレイモンドにヴィクトリアは
『アレク!』
大きな瞳に涙を溜めて見上げるその様にレイモンドは息を飲んだがアレクセイは
『お前とは離縁だと言った。気安く名を呼ぶ事は許さない。』
そう言うとヴィクトリアの顔を見ることなく部屋を後にした。
『殿下、殿下は誤解をされているのではございませんか?』
アレクセイはヴィクトリアから視線を外しハロルドを見る。
『うん?』
とぼけるアレクセイに
『私と妃殿下は殿下が疑われる様な関係ではございません。もちろん殿下にご心配をお掛けする行動を取った私の落ち度。心からお詫び申し上げます。』
ハロルドは深く頭を垂れた。
『いや、むしろ感謝してるでしょ』
小さく呟いたのはレイモンド。
アレクセイは黙ったまヴィクトリアに問う。
『何もいうことは無いって事でいいんだね?ヴィー。これはここだけの話だから、次は無いよ。』
‥
『レイモンド、帰るぞ』
レイモンドは素早く扉を開けようとした時
『待って!』
その言葉にアレクセイとレイモンドはニヤリと笑う。
アレクセイはヴィクトリアに寄り添うように
『ヴィー、どうした?』
アレクセイがヴィクトリアの髪の束を手に取ると
『アレク、ごめんなさい』
『やめろ!』
立ち上がるハロルドを羽交い締めにするレイモンド。
『何がごめんなさい?』
アレクセイはヴィクトリアの頭を撫でる。
『私、さみしくて。』
『うん。』
アレクセイは優しく顔を覗き込む。
ヴィクトリアは得意の上目遣いで
『アレクが、来てくれないから』
『うん、ごめんね。それで?』
『ハロとね。』
『違う!違います!』
暴れるハロルドを必死に押さえるレイモンド。
『ハロと、アレクの子を作ったの‥』
ヴィクトリアはアレクセイの胸に飛びついた。
アレクセイは優しく離し、
『ヴィー、ハロルドと私の子を作ったんだね?』
黙って頷くヴィクトリアに
『ヴィー、ハロルドと作った子はハロルドとヴィーの子どもだよ。』
『違う!お前は何を言っている?おかしくなったのか?』
声を荒げるハロルドにアレクセイは
『黙れ!誰に物を言っている?ヴィクトリアはまだ私の正妃だけど?』
アレクセイはヴィクトリアに向き直し
『ヴィクトリア、良かったよ。今話してくれて。どちらにせよ、君のお腹の子どもは私の子どもではない。私は君の中に子種を注いだ事はなかったからね。』
『嘘だ!そんな馬鹿な話があるもんか!』
自暴自棄になっているハロルドにレイモンドは
『アレクセイ殿下はテクニックをお持ちなのだ。』
ふざけるレイモンドを軽く睨み付けるアレクセイは
『ヴィクトリア、君とは離縁する。事実を明らかにすることになるが、君の命だけは守る。いいね?』
ヴィクトリアは放心状態のまま動けない。
そしてアレクセイはハロルドに
『ハロルド・バーモンド候爵令息、お前にはまだ話がある。ヴィラ候爵の嫌疑についての証拠が上がっている。捕らえよ。』
アレクセイの一言で衛兵がどっと入ってきてハロルドを拘束した。ハロルドは暴れていたがやがて大人しくなり素直に連行されていった。
部屋を出ようとしたアレクセイとレイモンドにヴィクトリアは
『アレク!』
大きな瞳に涙を溜めて見上げるその様にレイモンドは息を飲んだがアレクセイは
『お前とは離縁だと言った。気安く名を呼ぶ事は許さない。』
そう言うとヴィクトリアの顔を見ることなく部屋を後にした。
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