婚約破棄から始まる物語【完】

mako

文字の大きさ
49 / 76

ロマニア王国 吉報

『ファビウス、ステフは変わりないか?』

『はっ』

この2人の会話は幾度となく日々繰り返される。

フレディックは呆れながら

『レオ、ファビウスはいつからステファニーの執事になったんだよ?』

レオナルドは訝しそうな顔をして

『うるさいぞ、フレディック。ファビウスは私の側近の一人なのだから私の正妃の状況を把握しておくのが普通だろう?』


『じゃあ。俺もだね。レオの側近の中の側近だ。明日からステファニーを監視しておくね。』



『いや、お前は危ない。』


『は?』


ロマニア王国は最近平和で何の問題も無くというのは、この3人の話からもわかるだろうがとにかく暇なのである。


レオナルドはステファニーの調子が良くない事を知っていた。元来無表情な男だが、洞察力には優れている。

今朝も朝食はオレンジのみ。
常にソファでぐったりとしている。


悩みでもあろうか?
誰かに話しを聞いてもらいたいのだが‥。

ファビウスか‥
‥あまり得意の分野では無さそうだが、だからといって
フレディックでは‥気に障る。が致し方ない。


『なんだよ、そんな事?』

軽く答えるフレディックにレオナルドはすがるように

『どういう事だ?』


『女性は月に一度そういう期間があんだろ?』



『あ、そういう事か。』


『全くロマニア王国国王が悩む事柄かよ!』



レオナルドは安堵した。

‥そうか、そうか。




寝室に入るとステファニーは既にベッドに入っていた。
起こさぬように静かにレオナルドはベッドに入ると


『レオ。』

ステファニーはレオナルドの手を握りお腹に当てる。

レオナルドはステファニーからのお誘いに湧き上がる物を感じる。いつでもオッケー。

『ステフ‥』

ステファニーの顔を覗き込むとステファニーは微笑みながら

『もうすぐ、動くんですって!』


『‥何が?』


『レオと私の赤ちゃんよ!』


『‥そうか、赤ちゃん。えっ?』

レオナルドは飛び起き、お腹の前に正座すると、

『本当に?』

ステファニーは小さく頷く。

レオナルドは恐る恐る、ステファニーのお腹に手を軽く置くと


『おい?赤ちゃん?聞こえるか?』

当たり前だが、返事はない。


『レオナルドとステファニーだぞ。ロマニア王国の国王と王妃である。』

何やら自己紹介まで始める。


『男か?女か?まだナイショか?』

クイズのようになってきた。


ステファニーは笑いを堪えながら

『楽しみですね、レオ。』

レオナルドはようやく我に返りステファニーとお腹の赤ちゃんにお休みなさいをして眠りについた。


この日よりこの儀式は毎日繰り返される事になるとはこのときのステファニーはまだ知らない‥。



あなたにおすすめの小説

悪女と呼ばれた王妃

アズやっこ
恋愛
私はこの国の王妃だった。悪女と呼ばれ処刑される。 処刑台へ向かうと先に処刑された私の幼馴染み、私の護衛騎士、私の従者達、胴体と頭が離れた状態で捨て置かれている。 まるで屑物のように足で蹴られぞんざいな扱いをされている。 私一人処刑すれば済む話なのに。 それでも仕方がないわね。私は心がない悪女、今までの行いの結果よね。 目の前には私の夫、この国の国王陛下が座っている。 私はただ、 貴方を愛して、貴方を護りたかっただけだったの。 貴方のこの国を、貴方の地位を、貴方の政務を…、 ただ護りたかっただけ…。 だから私は泣かない。悪女らしく最後は笑ってこの世を去るわ。  ❈ 作者独自の世界観です。  ❈ ゆるい設定です。  ❈ 処刑エンドなのでバットエンドです。

殿下、毒殺はお断りいたします

石里 唯
恋愛
公爵令嬢エリザベスは、王太子エドワードから幼いころから熱烈に求婚され続けているが、頑なに断り続けている。 彼女には、前世、心から愛した相手と結ばれ、毒殺された記憶があり、今生の目標は、ただ穏やかな結婚と人生を全うすることなのだ。 容姿端麗、文武両道、加えて王太子という立場で国中の令嬢たちの憧れであるエドワードと結婚するなどとんでもない選択なのだ。 彼女の拒絶を全く意に介しない王太子、彼女を溺愛し生涯手元に置くと公言する兄を振り切って彼女は人生の目標を達成できるのだろうか。 「小説家になろう」サイトで完結済みです。大まかな流れに変更はありません。 「小説家になろう」サイトで番外編を投稿しています。

恋の締め切りには注意しましょう

石里 唯
恋愛
 侯爵令嬢シルヴィアは、ウィンデリア国で2番目に強い魔力の持ち主。  幼馴染の公爵家嫡男セドリックを幼いころから慕っている。成長につれ彼女の魔力が強くなった結果、困った副作用が生じ、魔法学園に入学することになる。  最短で学園を卒業し、再びセドリックと会えるようになったものの、二人の仲に進展は見られない。  そうこうしているうちに、幼い頃にシルヴィアが魔力で命を救った王太子リチャードから、 「あと半年でセドリックを落とせなかったら、自分の婚約者になってもらう」と告げられる。  その後、王太子の暗殺計画が予知されセドリックもシルヴィアも忙殺される中、シルヴィアは半年で想いを成就させられるのか…。  「小説家になろう」サイトで完結済みです。なろうサイトでは番外編・後日談をシリーズとして投稿しています。

皇太子夫妻の歪んだ結婚 

夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。 その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。 本編完結してます。 番外編を更新中です。

悪役令嬢、猛省中!!

***あかしえ
恋愛
「君との婚約は破棄させてもらう!」 ――この国の王妃となるべく、幼少の頃から悪事に悪事を重ねてきた公爵令嬢ミーシャは、狂おしいまでに愛していた己の婚約者である第二王子に、全ての罪を暴かれ断頭台へと送られてしまう。 処刑される寸前――己の前世とこの世界が少女漫画の世界であることを思い出すが、全ては遅すぎた。 今度生まれ変わるなら、ミーシャ以外のなにかがいい……と思っていたのに、気付いたら幼少期へと時間が巻き戻っていた!? 己の罪を悔い、今度こそ善行を積み、彼らとは関わらず静かにひっそりと生きていこうと決意を新たにしていた彼女の下に現れたのは……?! 襲い来るかもしれないシナリオの強制力、叶わない恋、 誰からも愛されるあの子に対する狂い出しそうな程の憎しみへの恐怖、  誰にもきっと分からない……でも、これの全ては自業自得。 今度こそ、私は私が傷つけてきた全ての人々を…………救うために頑張ります!

ついで姫の本気

ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
国の間で二組の婚約が結ばれた。 一方は王太子と王女の婚約。 もう一方は王太子の親友の高位貴族と王女と仲の良い下位貴族の娘のもので……。 綺麗な話を書いていた反動でできたお話なので救いなし。 ハッピーな終わり方ではありません(多分)。 ※4/7 完結しました。 ざまぁのみの暗い話の予定でしたが、読者様に励まされ闇精神が復活。 救いのあるラストになっております。 短いです。全三話くらいの予定です。 ↑3/31 見通しが甘くてすみません。ちょっとだけのびます。 4/6 9話目 わかりにくいと思われる部分に少し文を加えました。

悪女として処刑されたはずが、処刑前に戻っていたので処刑を回避するために頑張ります!

ゆずこしょう
恋愛
「フランチェスカ。お前を処刑する。精々あの世で悔いるが良い。」 特に何かした記憶は無いのにいつの間にか悪女としてのレッテルを貼られ処刑されたフランチェスカ・アマレッティ侯爵令嬢(18) 最後に見た光景は自分の婚約者であったはずのオルテンシア・パネットーネ王太子(23)と親友だったはずのカルミア・パンナコッタ(19)が寄り添っている姿だった。 そしてカルミアの口が動く。 「サヨナラ。かわいそうなフランチェスカ。」 オルテンシア王太子に見えないように笑った顔はまさしく悪女のようだった。 「生まれ変わるなら、自由気ままな猫になりたいわ。」 この物語は猫になりたいと願ったフランチェスカが本当に猫になって戻ってきてしまった物語である。

婚約破棄された悪役令嬢ですが、なぜか変人侯爵に溺愛されてます

春夜夢
恋愛
婚約破棄された伯爵令嬢・レイナは、王子とその「自称ヒロイン」の公開断罪を、冷静に受け入れた――いや、むしろ内心大喜びだった。 自由を手に入れたレイナが次に出会ったのは、変人と名高い天才侯爵様。なぜか彼から猛烈な溺愛求婚が始まって……!?  「君がいい。契約結婚でも構わないから、今すぐ結婚してくれ」 「……私、今しがた婚約破棄されたばかりなのですが」 婚約破棄から始まる、予測不能な溺愛ラブコメディ。 策士な令嬢と、ちょっとズレた変人侯爵様の恋の行方は――?