俺を好きになるな、お前を愛していない、極道の目覚めた独占欲

第四章 狙われた加子

①

こんな無駄とも思える会話を交わしてるなんて、今までの蓮也からは考えられなかった。

まもなく、迎えがやってきた。

インターホンが鳴ると、画面に映し出されたのは宅配業者だった。

蓮也は不思議に思い、加子に寝室に隠れるように言った。

「加子、寝室に隠れていろ」

「どうしてですか」

「いいから言う通りにしろ」

加子は蓮也の指示通り、寝室のベッドの下に隠れた。

再度インターホンが鳴った。

そして、すぐに蓮也のスマホが鳴った。

「社長、ドアの前に宅配業者がいますが、宅配の車が見当たりません、
インターホンにお出にならないでください」

スマホの相手は若林だった。

「ああ、俺もおかしいと思った、どこの組の奴だ」

「少し、探りを入れてみましょうか」

「十分気をつけろ」

しばらくして、バタバタと走り去る靴音がした。

蓮也のスマホが鳴った。

「社長、林田に雇われた者のようです、加子さんの行方を探しているとのことです」