俺の抱擁に溺れろ、お前の全てが欲しい、極道の一途な愛

ラヴ KAZU

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拓真の娘ユリエと大館の恋④

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全く、お嬢は何をしているんだ。

大館はGPSの指し示す場所へ向かった。

繁華街に向かっている。

ユリエと友美はご飯を食べようと店に入った。

運が悪いとはこのことを言うのだろう。

たまたま、すれ違った男性達に絡まれてしまった。

「へえ、女の子二人で寂しいだろう、俺達と遊ぼうぜ」

「やめてください」

「お高く止まるなよ、俺達といいことしようぜ」

ユリエと友美は腕を掴まれて、人通りの少ない路地に連れていかれた。

「離して」

「こっちのお嬢さんは気が強そうだな、こう言う女をやるのが堪んねえ」

ユリエは一人の男に建物の壁に押し付けられて、身体を密着された。

「いや、助けて、大館」

その時、大館は男を蹴り飛ばし、ユリエから引き剥がした。

「汚ねえ身体をお嬢に触れるな、痛い目に遭いたくなければとっととうせろ」

友美の腕をう掴んでいる男も蹴り飛ばした。

「大丈夫ですか、怪我はありませんか」



その時、もう一人の男性がナイフを取り出し、大館目がけて走り出した。

「大館、危ない」

大館は脇腹を刺された。

「てめえ、何やってるんだ」

男達はその場から逃げ出した。

大館は脇腹から出血しているにも関わらず、ユリエを気遣った。

「お嬢、大丈夫ですか、怪我はありませんか」

「私は大丈夫、大館が、すぐ救急車呼ぶから」

ユリエは震える手でスマホのボタンを押した。

すぐに救急車が到着して、大館は病院へ救急搬送された。

処置が終わり、大館は入院することになった。

新堂組にも連絡が入り、拓真とツトムが病院へ急いだ。

「ユリエ、大丈夫か」

「パパ」

ユリエは拓真に抱きついてワンワン泣いた。

「大館が、大館が、私のせいで、どうしよう」

「大丈夫だ、あいつは強靭な肉体と凄まじい精神力を兼ね備えた男だ、こんなことで命を落としたりしない」

大館はナイフの傷は浅かったので致命傷になることはなかった。



病室へ向かうと、大館は拓真に頭を下げた。

「組長、申し訳ありません、お嬢に怖い思いをさせてしまって」

「いや、一人で行動したユリエが悪いんだ、謝らなければいけないのは俺の方だ」

「組長、お嬢とお友達の方は大丈夫ですか」

「ツトムがユリエの友達を送って行った」

そこへユリエが病室に入ってきた。

そして、大館のベッドに走り寄った。

「大館、ごめんなさい、ごめんなさい」

「お嬢、自分は大丈夫です、お嬢に怖い思いをさせてしまい申し訳ありません」

ユリエは大館にしっかりしがみついて離れなかった。

「お嬢、離れてください、組長が怖い顔してますから」

ユリエは大館の頬にキスをした。

「お嬢」

「ユリエがずっと側にいて看病してあげるからね」

ユリエは満面の笑みを浮かべた。

拓真はやれやれといった表情で「俺は帰る、ユリエ、一人で行動するな、必ずツトムに連絡しろ、いいな」と怒った口調で諭した。

「はい」




ユリエは拓真のことをよく理解している、本気で怒っている時と、わがまま言っても大丈夫な時との違いを……

病室には大館とユリエだけになった。

「大館、ごめんなさい」

「大丈夫です」

「なんで私の居場所わかったの?」

「お嬢の居場所は俺にはお見通しです」

「そうなんだ、ねえ大館、ユリエね、大館が大好きよ」

「お嬢、そんな可愛いこと言われると、我慢出来なくなる」

大館はユリエの頭を撫でて、自分の胸元に寄せておでこにキスを落とした。

ユリエはじっと大館を見つめて、大館の唇にそっとキスをした。

大館は戸惑ったが、自分の気持ちを誤魔化すことが出来ずキスを受け入れた。

「ユリエ、俺はお前が好きだ」

「大館、私も大好きよ」

舌を絡ませた濃厚なキスをした。








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