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俺の側にいるって言うに決まってる、なあ、梨花①

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「じゃ、梨花帰るぞ」

「おい、最上、まだ梨花ちゃんの返事聞いてないぞ」

「俺の側にいるって言うに決まってる、なあ、梨花」

私は思わず「はい」と返事をしていた。

「梨花ちゃん、本当に最上に着いて行っていいのか」

最上さんが横から口を出す。

「梨花、帰るぞ」

そして、私を抱き抱えた。

「しっかり、捕まっていろ」

私は最上さんの首に手を回し、ギュッと抱きついた。

車で最上さんのマンションに着いた。

部屋のソファに座らされて「足、見せろ」そう言って、最上さんは私の足を診察した。

テーピングをして足を冷やしてくれた。

「絶対安静だ、もう動くな」

「はい」

最上さんに怒鳴られて、本当にやな奴って前は思ったけど、今は一緒にいることが出来て嬉しいと思ってる自分がいた。

でも、やっぱり元彼女の事は気になる、いつ離婚されてもおかしくないから、最上さんの側にいていいのは誰ですか?

ねえ、最上さん、あなたは私をどう思っているのですか?




直接聞くのは怖いから心の中で呟いてみる。

「もう一度だけ言う、これが最後だ、いいかよく聞け」

私は何を言われるのか最上さんをじっと見つめた。

「お前は生涯俺の側で俺の指示に従え、そうすれば何も心配ない生活を保障する」

「私はずっと最上さんの側にいていいんですか」

「ああ、俺を好きなんだろ?生涯こき使ってやるから覚悟しろ」

私はコクリと頷いた。

「それから……」

最上さんは話を続けた。

「いいか、安藤には気をつけろ」

安藤さん?どう言う事?

「安藤は俺の医学部の同期だ、そして立花瑞穂の浮気相手だ」

私は最上さんの言葉に愕然とした。

「安藤は俺から立花瑞穂を奪った、その後二人がどうしたのか分からない、しかし、今、一緒にいなのならうまく行かなかったのだろう、でも俺は今更立花瑞穂とやり直す気持ちはさらさら無い、よく覚えておけ」

「分かりました」

「梨花、気安く男の部屋に行くんじゃない」





「気安く行ってなんかいません、気づいたら安藤さんの部屋のベッドに寝ていたんです」

「何もされなかったか」

「多分」

「まっ、梨花じゃ金くれるって言われてもお断りだがな」

「もう、ひどい!」

私は最上さんの胸をぐーパンチした。

最上さんはその手を掴み、私を引き寄せた。

「無事で良かった」

そう言って私の唇を塞いだ。

「ん、ん~ん」

そしてギュッと抱きしめられた。

「最上さん」

最上さんはいつも意地悪な事を言うけれど、熱烈に私の唇を奪う。

でもそこまでで、それ以上先には進まない。

それにしてもまさか安藤さんが立花瑞穂さんの浮気相手だったなんてびっくりした。

やはり、立花さんは最上さんと寄りを戻そうと病院へやって来たのだろうか。

次の日、朝早く最上さんに起こされた。

「いつまで寝てるんだ、起きろ、ご主人様の出勤時間だ」

私はその時夢を見ていた。

最上さんが私にキスする夢。

私は最上さんの首に手を回し、チュッとするため唇をとんがらせて、最上さんに迫った。
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