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第二十二章 西沢の優しさに触れて
突きつけられた離婚届
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「飯食ったら、部屋の掃除をするぞ、葉月も手伝え」
「はい」
二人は食事を終えると、部屋の掃除に取り掛かった。
クローゼットの奥の段ボールを開けると、額に入った写真が目に止まった。
これは、妹さんかな。
「西沢さん、この女性は妹さんですか」
「ああ、そうだ」
「可愛いですね」
「たった今から、葉月が俺の大事な妹だ、頼れる兄貴に甘えろ」
「西沢さん」
西沢さんは自分の気持ちは封印して、私のために……ありがとうございます。
葉月の頬に涙が伝わった。
「俺の愛する妹は泣き虫だな」
西沢は葉月をギュッと抱きしめた。
頭を撫でて、肩をぽんぽんと叩いて慰めたのだった。
由子はパーティーの参列者名簿に冨樫葉月の名前を見つけた。
西沢組組長の同伴者として名前があった。
そう、葉月はまだ離婚届にサインをしていないので、冨樫葉月なのだ。
しかも、加々谷組長が女性に乱暴を働いたことは、由子の耳にも届いていた。
その相手の女性は冨樫葉月。
そして、助けたのは冨樫雅也。
由子は面白くなかった。
由子はパーティー主催者として、お詫びを口実に葉月を呼び出した。
待ち合わせ場所で、葉月は由子と三度目の再会を果たした。
再会と言っても、過去二回は葉月が見かけただけだった。
「はじめまして、私は冨樫雅也の婚約者の白金由子です、
雅也さんの元奥様ですよね」
元に力を込めて言われた。
そして葉月の目の前に離婚届を出した。
その離婚届には冨樫のサインが入っていた。
何日か前、由子にせがまれて、冨樫がサインしたものだった。
「早く、サインしてちょうだい、そうしないと私と雅也さんが結婚出来ないでしょう」
葉月はわかっているものの、冨樫のサイン済みの離婚届を目の当たりにして、
手が震えていた。
「それに、私のお腹の中には、雅也さんの子供がいるの」
「えっ、冨樫さんの子供?」
葉月は驚きを隠せなかった。
「はい」
二人は食事を終えると、部屋の掃除に取り掛かった。
クローゼットの奥の段ボールを開けると、額に入った写真が目に止まった。
これは、妹さんかな。
「西沢さん、この女性は妹さんですか」
「ああ、そうだ」
「可愛いですね」
「たった今から、葉月が俺の大事な妹だ、頼れる兄貴に甘えろ」
「西沢さん」
西沢さんは自分の気持ちは封印して、私のために……ありがとうございます。
葉月の頬に涙が伝わった。
「俺の愛する妹は泣き虫だな」
西沢は葉月をギュッと抱きしめた。
頭を撫でて、肩をぽんぽんと叩いて慰めたのだった。
由子はパーティーの参列者名簿に冨樫葉月の名前を見つけた。
西沢組組長の同伴者として名前があった。
そう、葉月はまだ離婚届にサインをしていないので、冨樫葉月なのだ。
しかも、加々谷組長が女性に乱暴を働いたことは、由子の耳にも届いていた。
その相手の女性は冨樫葉月。
そして、助けたのは冨樫雅也。
由子は面白くなかった。
由子はパーティー主催者として、お詫びを口実に葉月を呼び出した。
待ち合わせ場所で、葉月は由子と三度目の再会を果たした。
再会と言っても、過去二回は葉月が見かけただけだった。
「はじめまして、私は冨樫雅也の婚約者の白金由子です、
雅也さんの元奥様ですよね」
元に力を込めて言われた。
そして葉月の目の前に離婚届を出した。
その離婚届には冨樫のサインが入っていた。
何日か前、由子にせがまれて、冨樫がサインしたものだった。
「早く、サインしてちょうだい、そうしないと私と雅也さんが結婚出来ないでしょう」
葉月はわかっているものの、冨樫のサイン済みの離婚届を目の当たりにして、
手が震えていた。
「それに、私のお腹の中には、雅也さんの子供がいるの」
「えっ、冨樫さんの子供?」
葉月は驚きを隠せなかった。
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