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第十九章 楓と麗子

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「お二人さん揃ってどうしたんだ」

「蓮様、麗子ね、赤ちゃんが出来たの」

「あら、おめでとうございます」

美希ちゃんも蓮也を抱っこして、満面の笑みを見せてくれた。

「蓮也くん、かわいい」

その時、蓮が蓮也を抱っこした。

蓮也はすっかり蓮に懐いている様子が伺えた。

「おお、蓮、父親らしくなったじゃないか」

「当たり前だろ、息子はいいぞ、なんか男同士のテレパシーを感じる」

「そうか」

麗子も大きく頷いていた。

「美希ちゃんは大丈夫?」

俺が美希ちゃんを気遣うと、麗子はちょっと拗ねた表情を見せた。

そんな自分の行動を補うように、俺は麗子の肩を抱いて引き寄せた。

「妊娠は嬉しいが、麗子を抱けないのが我慢出来ない」

そう言って、麗子を見つめた。

麗子は嬉しそうに俺の腰に手を回して、じっと俺を見つめていた。

「それじゃ、また」

俺と麗子は挨拶をしてその場を後にした。


「安定期に入るまで、大切にしてください」

美希ちゃんが気遣いの言葉をくれた。

俺は麗子を生涯守って行くと心に誓った。

「良かったですね、蓮」

美希がほっとした表情を見せた。

結婚して、蓮也が産まれて、それでも、美希は麗子の俺に対する気持ちに心配を隠せなかった。

俺だって同じだ、楓の美希を見つめる眼差しに嫉妬したのは揺るぎない事実だ。

「美希、俺だけを見ていろ、お前を一生離さないぞ」

「はい」

俺は美希にキスをした。

俺に抱っこされている蓮也はキョトンとした表情を見せた後、俺と美希の顔に自分の顔をくっつけて来た。

「あぅ~」

蓮也はパパとママ大好きって言ってくれたように聞こえた。

蓮也が寝たあと、美希は俺の部屋をノックした。


「美希、どうかしたのか」

「蓮さん」

美希は俺の名前を呼び、ベッドに腰を下ろし「キスしてください」と囁いた。

今まで見たことがなかった大胆な美希の言動に驚きを隠せずにいた。

俺も美希の妊娠が分かってからずっとお預け状態だったためか、心臓のドキドキが半端なかった。

美希と唇を重ねる。

すぐに舌を割り入れて絡ませた。

ベッドに押し倒して、首筋から胸に唇を這わせた。

胸の形が変わるほど乳房を揉みし出した。

「ああ、美希、興奮してきた、抱いてもいいか」

「蓮さん、抱いてください」

美希の最も感じる部分に触れるとすっかり濡れていた。

「ああ、蓮さん、もっと激しく動かして」

「美希、俺を受け入れてくれ」

俺はゆっくりと俺自身を美希の中に入れた。

「ああ、すごくいい」

「大胆な美希は最高だ」

俺と美希は朝まで何度も何度も最高潮に達した。

ぐったりとベッドに横たえた身体をぴくりとも動かさずにお互いに余韻に浸っていた。
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