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第九章 健吾の決意

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由梨は一人になると、寂しさに押しつぶされそうになる。

いつもは元々一人だから、感じなかった寂しさ。

健吾と暮らすようになって、こんなにも誰かがそばにいることが嬉しいなんて。

(誰かじゃない、健吾さんが一緒なのが嬉しい)

そんなある日、由梨は買い物に出かけた。

色々な食材を買って冷蔵庫に入れる。

何回か繰り返すうちに気づいた。

(大根、なんで三本もあるの?)

(牛乳、また買っちゃった)

そんな由梨の様子に健吾も気づき始めた。

「由梨、トイレットペーパーたくさんあるのに、また買ったのか」

「えっ?」

「まっ、いいか」

そんなある日、健吾はマンションのコンシェルジュに呼び止められた。

「西園寺さん」

「いつもお世話になっています」

「あのう、これ」

コンシェルジュが差し出したのはカードキーだった。
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