17 / 32
四日目
4-4
しおりを挟む『あーあ』
アオが呟いた。
『そういう突き放し方しちゃうんですね』
可哀想に、と肩を竦める。
『あれじゃ、お前に「は」頼れないよって言っているようなものですよ……リクト様?』
「……っ、っ、ッ……!」
『あ、会陰アクメ中でしたか。失礼しました♡』
ガクガクと痙攣する身体がそのまま長椅子からずり落ちていく。冷たいコンクリートに尻をつき、上半身は縋るように椅子に伏せた。
「ア゛、あぁあっ……♡!!」
『会陰への刺激もすっかりお気に入りですね。そこが開発されたなら、アナルから前立腺を刺激した際にもより一層深い快楽を得ることができますよ。あ、むしろ外から刺激されることでアナルの方に欲しくなってしまってますか? ご安心ください。それはまた明日以降、素晴らしい機会を用意しておりますので、楽しみにしていてください』
「も、うるっ、さいお前ッ……!! 一回とめろっ、さっきより、なんかっつよくて、きつい……っ♡♡」
『さすが。お気づきになりましたか』
一段階レベルを上げてみましたとアオが手を合わせて笑う。
『では、リクトさま。ここまではあくまでチュートリアル。ここから低周波責めの本領を味わっていただきます。準備はよろしいですか?』
「はっ……?」
『低周波パルスはその強さ、持続時間の調整により様々な刺激を楽しんでいただけるんですよ。例えば、ほら』
「ア゛ッ♡♡!!?」
『これが揉みモードです。どうです? ぐにぐにと内側から直接揉みこまれているような感覚が心地良いでしょう』
「や゛っ、やだっ♡ これイヤだ……ッ!!」
『おやお気に召しませんでしたか。ではこちらはどうでしょう』
「───ひぐっ!?」
『叩きモードです。いかがですか? どちらがお好きですか? リクト様のお好みに合わせてさしあげますよ』
トントントンと前立腺を直接ノックされるような感覚に、ぶわっと全身から汗が吹きだした。
イく。こんなのイく。すぐにイく。
「……あ゛ッ、っっ、ッ──────!!!」
『どちらも良さそうなので、ランダムに設定してあげますね』
「やっ、やだぁ゛ッ♡ どっちもやだっ♡ いやっ、あっ、あ゛ッ♡ トントンすんのやめてっ、はやいっ、はやい゛~~~~ッ♡♡♡」
トトトトト、と会陰を通して敏感な場所を執拗に叩かれて続けざまに絶頂へと押しあげられる。しかし陸人がどれだけ快感に打ち震えていようが終わらないアクメに喚こうが、機械はAIの命令に従って容赦なくその一点を責め続けた。
「いくっ♡ もうイくっ、またイく、ぅ゛………♡♡ あ゛、あ゛、イってる、のに……ぃ゛!!」
そこでイかされる度に、そんなじゃないのに、そんなわけないのに、呼応するみたいにアナルがきゅうんと絞まる。ひくひくと肉縁がひくついて、まるで中からも欲しがるような動きを必死に首を横に振って否定した。
「もうやだぁ゛っ♡ そこいやっ、やだっ、やぁあ゛あっ♡♡」
はやく、はやくべつの場所にかわってくれと願う心を裏切るように、会陰への刺激はそのままに、両乳首の低周波パッドが動きはじめた。
「ア゛ァあッ!!? なん゛っ、な、っんで……ぇ゛♡♡!!」
『ここからは複数同時責めのお時間です』
「ひっ♡ あっ、あ、そ、んな、な゛んでっ♡」
『むしろ五箇所の性感帯に玩具を取りつけられておいて、どうして一箇所ずつしか刺激されないとおもうんですか? そんな甘い考えでいるとこの先つらいですよ。さあ乳首はどうしましょう? まずは徹底的に揉みしだくコースで虐めてみましょうか?』
「あ゛っあぁああ゛♡♡♡ だめっだめっこれとめて゛っ、むりぃ゛……ッッ!!」
会陰だけでもいっぱいいっぱいだったのに。乳首も一緒に刺激され、呆気なく絶頂へと落とされる。いとも簡単にキャパを超えた快感に、目の前がチカチカと弾けるような危機感に陸人は指先を胸元へと伸ばしたが、
『ひとつでも取ってしまった時点でデイリーミッション未達成となります』
アオが遮り、
『そうしたら明日、はじめからやり直しとなりますがかまいませんか?』
直前でその手が止まる。震える指先を拳に変えて長椅子に押しつける。涙でぶれる視界でアプリ上に表示された残り時間を捉えるも、まだ一時間以上残っていた。
「……あぅっ、うぅう゛っ♡ も、こんなっ、お゛、かしくっ、おかしくなる゛ぅっ、っ♡♡」
『昨日もそんなことを喚いておられましたが、さんざん虐めた乳首だってほら、おかしくなんてなっていないでしょう?』
「なったぁ゛♡♡ こんなんじゃなかったっ、こんな、きもちよくなんてっ、なかったぁ゛……!」
必死の訴えに数度目を瞬かせた後、アオは唇に深い弧を描いた。
『気持ちいいのはおかしいことじゃありませんよ』
それと同時、会陰と乳首に走る電流が強くなった。
「あぁあああ゛♡♡!? いくっ、いくいくいぐ、っイ゛、っくから、とめて……ぇ゛、っ、あ────♡♡!!!」
三つの性感帯を丹念にこねくり回す低周波の波に、陸人はどう身構えたらもいいのかわからないまま強烈なアクメをくらわせられる。
「……はぐっ、ぅ゛♡ ぅうう゛~~~~~♡♡♡」
落ちずに滞留しつづける絶頂感にびくんっびくんっと異様なほどに腰が戦慄く。勃起した乳首が、敏感になった会陰が淫猥な熱を孕んで敏感さを増す。全身がもう逃げたいと喚いているのに、アオはニコニコと陸人の様子を観察しながら、すき勝手に機械を操作する。強くなったり、弱くなったり、叩いたり、揉まれたり、すべて分かってるみたいにして、いま一番されて嫌な刺激を延々と注がれる。
78
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式の話
八億児
BL
架空の国と儀式の、真面目騎士×どスケベビッチ王。
古代アイルランドには臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式があったそうで、それはよいものだと思いましたので古代アイルランドとは特に関係なく王の乳首を吸ってもらいました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる