月詠嗣苑

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お泊まりデート前夜

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『明日…明日…』

「ふふっ。なぁに、着てこーかなぁ!!」と、部屋中に置かれた服を一通り見てみる。

    淡い水色のワンピース?ピンク色のスカートに白いブラウス?紺色のワンピース?薄い花柄のフワッとしたワンピース?

「ワンピースばっかじゃん。じゃなくてぇ…」

    タンスに入ってるスカートやらブラウスやら、一切合切出して眺める…

「どんなの着たら、喜んでくれるのかなぁ?って、お泊まり…」

    その事を考えると、胸がドキドキする。初めて男性と付き合う私。勿論、そっちの経験もない訳で…

「ひゃぁんっ!!ってことは、ってことは…」

    小さな旅行鞄の中に、真新しい下着のセットも入れてる訳で…

「ど、どうしよぉ?!まだ、キスされたことも…ない」

    付き合って1ヶ月だったら、もうその経験もあっておかしくない、とは咲ちゃん言ってた…けど…

「私で…いいのかな」と不安になる。だって、私の素顔って大学のお友達知らないんだよね。高校まで名古屋に住んでて、大学は叔父さまの仕事の関係で、こっちに越してきたから。

「知ったら…嫌われちゃうかな?」そう考えると、胸が痛くなる。

『いや、でも、万が一ってこともあるし…』

「私の素顔知っても、付き合ってくれるかも?だし。いや…でも…」

    コンコンッ…

    ドアが叩かれて…

「友里ちゃん?まだ、起きてるの?早く寝ないと…」

『えっ?だって、まだ…』時計をみたら、もう22時を過ぎてた。

「あ、はぁい。もうすぐ寝まぁす!!」とドアをちょっとだけ開けて、叔母さまにおやすみを言って閉めました。

『あぶない、あぶない。バレたら、怒られちゃう』

    それでも、なかなか着ていく服とか決まらず、前に叔母さまが買ってくれた夏らしく水色チェックのワンピースを着て、次の日に着るのは、紺色の白いレースが可愛いワンピースにした。

「あ、片付けないと、寝れなくなっちゃう!!」

    巧くんにもおやすみのラインを送って、ベッドに…


    一方、巧も…

「決まらない」同じように服で悩んでいた。

    こちらは、上着、シャツ、パンツ、ジーパン、靴下とフルで部屋に並べ…

「寝れねーんだけど?兄貴」と弟の翼に言われても「あ、なんか言った?」とデレデレの顔で答えては、「キモい」とキレられている。

「寝れねーーんだよっ!!」
「…。」
「おい、巧!どかせーーーーっ!!」
「あぁぁぁぁぁぁっ!!」

    兄弟喧嘩勃発か?とヒヤヒヤさせるが…

「貸せ!これと、これと…」

    翼が、巧の服を選んでるあたり、この兄弟意外と仲がいい。さすが、双子だ…

「これで、いいだろ?1泊2日なら。ほら、退け」
「あ…うん。ありが…ってそこ、俺のベッドじゃねーかっ!!お前のこっち!」と、ベッドの上に服やらなんやら乗っかったベッドを指差す。
「いいだろ、別に。おやすみ…」
「あ、うん……っじゃねーよっ!!」

    仲がいいのか、悪いのか、わからない兄弟でもある。

    で、出しまくった服をしまい、鞄に着替えやら本やらコンドームや……

「…。」足りるよな?

    …らをしまい…

「ふふ…んふっ…くふっ…へはっ…グホッ」

「気持ちわりー笑い方すんじゃねーよ。童貞兄貴…ふんっ」
「…。」

『いま、なんてった?童貞兄貴?えっ?』

「…。」

『まさか、もう?大人、なの?翼は…』

    ゴクッ…

「羨ましい…」

    ジィーッ…

「よしっ、寝よう…」


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