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49. 裏に隠された真実①
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ミリカは踵を返して帰ろうとした足を、再びユリアンナに向ける。
「あ、そうか!アンタ神様に嫌われてるから、きっと次の人生も碌なもんじゃないよね~!!」
あはは~!と声を立てて笑ったその瞬間、昼でも暗いはずの地下牢が、急に太陽の下に出たように明るく照らされる。
ユリアンナとミリカは突然の眩しさに目を窄める。
明るさに慣れてくると、地下牢にユリアンナとミリカ以外に複数の人影がいるのが見えてくる。
「な………なんで………」
人影を視認したミリカの顔は、驚愕に染まる。
地下牢の奥にいたのは、宮廷魔術師のローブを着たオズワルドと、攻略対象者の面々であった。
ミリカはしばらく彼らをじっと見つめた後、急にハラハラと涙を流し始める。
「ああっ!怖かった………。ユリアンナ様があんな酷いことを仰るなんて」
自分で自分の肩を抱きながらさめざめと泣く様は、さながら乙女ゲームのヒロインといった風情だ。
いつもならこの調子で同情のひとつでも買うことができたのだが、攻略対象者たちの微妙な表情を見るに、今回のこの作戦は失敗したのだろう。
さすがのミリカも焦ったのか、思わず一番近くにいたジャックに縋ろうと手を伸ばす。
「あ………ジャック様……」
しかし、その手はジャックに届くことなく空を切る。
ジャックが身を後ろに避けたためである。
「ミリカ………俺を騙したのか……?」
ジャックのミリカを見る目が猜疑心で溢れている。
その瞬間、ミリカは自分がとんでもない失態を犯したのかもしれないと悟った。
◇
「……ミリカ嬢がそう言うのであれば、量刑は私が決めよう。皆の意見を聞き、余は公開処刑が妥当だと判断した。刑の執行は3日後、王城前広場で行う!」
国王がそう告げた後、話し合いに参加していた者たちは沈黙に包まれた。
「……この後は具体的な処刑方法などを話し合わねばならないが、これ以上の話し合いの参加はご令嬢には酷だろう。ミリカ嬢は退席させては如何ですか」
それまで一言も発さなかったモーガンが国王にそう進言する。
「えっ?いえ、大丈夫で……」
「ミリカ。無理する必要はない。今日は疲れたろう?ゆっくり休んでくれ」
ミリカの肩を抱いていたジャックに優しく諭され、ミリカもそれ以上話し合いに参加したいと言い出せなくなった。
「……分かりました。ご配慮に感謝いたします」
そう言って、ミリカは王宮メイドに連れられて部屋を後にした。
ミリカが出て行ってしばらくしてから、国王が話し合いを始めようとしたところ、意外な者から声をかけられる。
「恐れながら、ひとつ聞いていただきたい話があります」
声をかけたのは、オズワルドであった。
国王はオズワルドに発言を許した。
「先の卒業パーティーでアレックス殿下がユリアンナ嬢を断罪されましたが、あれは真実ではありません。俺には真実を全て明かす用意があります」
「真実ではない……?どういう意味だ?」
アレックスが焦燥感を滲ませながらオズワルドに詰め寄る。
「全ては茶番なんですよ……。あなた方はユリアンナ嬢とミリカ嬢の計画に踊らされたのです」
「何を言ってる!?ユリアンナ嬢とミリカの計画?あの2人が犬猿の仲なのは周知の事実だろう!」
怒りを滲ませたジャックも胸ぐらを掴む勢いで詰め寄ってくる。
「ですから、俺には全てを明かす用意があると言っているでしょう?文句はそれを見てから言ってくれませんか?」
オズワルドはそう言うと、懐から四角い箱を取り出す。
「……これは出来事を録画できる魔道具です。俺は過去3年間、ユリアンナ嬢とミリカ嬢の間に起こった出来事を全てこれに記録しています」
オズワルドが四角い箱をテーブルの上に置き、その上に手を翳して何やら呪文を唱えると、ホログラムのように映像が立ち上がる。
「……これは3年前。俺たちが入学式を迎えた日の映像です」
次に流れ出した映像に、一同は言葉を失った。
#####
「ですから、わたくしは貴女の殺害計画以外の妨害イベントに協力いたします。貴女には、もし何らかの強制力が働いてわたくしに処刑が言い渡されたとしても、処刑が回避されるよう殿下に嘆願していただきたいのです」
「……いいよ!私も、同じ転生者が処刑されるところなんて見たくないし……。その取引、乗った!」
#####
その映像には2人が約束したことの内容、そして最後には笑顔で手を握り合う姿が映っていた。
「……テンセイシャ?他にもよく分からない言葉がたくさん出てきたな」
映像を見ていたモーガンが唸る。
「こんな映像、出鱈目だ!」
突然サイラスが大声を上げる。
「なぜ、そう思うんだ?」
「なぜならば、入学式の時点ではこんな未来を迎えることなど誰も知らなかったはずだ!それなのに、なぜ映像の2人は未来を知っている?それは、これが捏造された映像だからだ!」
「……そう思うのであれば、映像の続きを見て欲しい」
オズワルドは再び魔道具を起動して録画した映像を映し出す。
そこには、2人が嫌がらせの内容について事細かに相談している様子、イベントの後に経過を報告し合う様子など、3年間に起きた様々なイベントの舞台裏がありありと記録されていた。
#####
「解決策?」
「そう。それにはユリアンナの協力が必要なの!」
「私が何をすれば良いの?」
「………『ミリカ・ローウェン暗殺事件』を起こして欲しいの」
「それはやらないって最初に約束したでしょう?」
#####
ミリカの暗殺未遂事件についての話し合いの映像が流れる頃には、先ほどまであれだけ憤っていたサイラスは頭を抱えてしまい、ジャックやアーベルはひたすらに信じられないものを見る目で呆然と映像を眺めていた。
「あ、そうか!アンタ神様に嫌われてるから、きっと次の人生も碌なもんじゃないよね~!!」
あはは~!と声を立てて笑ったその瞬間、昼でも暗いはずの地下牢が、急に太陽の下に出たように明るく照らされる。
ユリアンナとミリカは突然の眩しさに目を窄める。
明るさに慣れてくると、地下牢にユリアンナとミリカ以外に複数の人影がいるのが見えてくる。
「な………なんで………」
人影を視認したミリカの顔は、驚愕に染まる。
地下牢の奥にいたのは、宮廷魔術師のローブを着たオズワルドと、攻略対象者の面々であった。
ミリカはしばらく彼らをじっと見つめた後、急にハラハラと涙を流し始める。
「ああっ!怖かった………。ユリアンナ様があんな酷いことを仰るなんて」
自分で自分の肩を抱きながらさめざめと泣く様は、さながら乙女ゲームのヒロインといった風情だ。
いつもならこの調子で同情のひとつでも買うことができたのだが、攻略対象者たちの微妙な表情を見るに、今回のこの作戦は失敗したのだろう。
さすがのミリカも焦ったのか、思わず一番近くにいたジャックに縋ろうと手を伸ばす。
「あ………ジャック様……」
しかし、その手はジャックに届くことなく空を切る。
ジャックが身を後ろに避けたためである。
「ミリカ………俺を騙したのか……?」
ジャックのミリカを見る目が猜疑心で溢れている。
その瞬間、ミリカは自分がとんでもない失態を犯したのかもしれないと悟った。
◇
「……ミリカ嬢がそう言うのであれば、量刑は私が決めよう。皆の意見を聞き、余は公開処刑が妥当だと判断した。刑の執行は3日後、王城前広場で行う!」
国王がそう告げた後、話し合いに参加していた者たちは沈黙に包まれた。
「……この後は具体的な処刑方法などを話し合わねばならないが、これ以上の話し合いの参加はご令嬢には酷だろう。ミリカ嬢は退席させては如何ですか」
それまで一言も発さなかったモーガンが国王にそう進言する。
「えっ?いえ、大丈夫で……」
「ミリカ。無理する必要はない。今日は疲れたろう?ゆっくり休んでくれ」
ミリカの肩を抱いていたジャックに優しく諭され、ミリカもそれ以上話し合いに参加したいと言い出せなくなった。
「……分かりました。ご配慮に感謝いたします」
そう言って、ミリカは王宮メイドに連れられて部屋を後にした。
ミリカが出て行ってしばらくしてから、国王が話し合いを始めようとしたところ、意外な者から声をかけられる。
「恐れながら、ひとつ聞いていただきたい話があります」
声をかけたのは、オズワルドであった。
国王はオズワルドに発言を許した。
「先の卒業パーティーでアレックス殿下がユリアンナ嬢を断罪されましたが、あれは真実ではありません。俺には真実を全て明かす用意があります」
「真実ではない……?どういう意味だ?」
アレックスが焦燥感を滲ませながらオズワルドに詰め寄る。
「全ては茶番なんですよ……。あなた方はユリアンナ嬢とミリカ嬢の計画に踊らされたのです」
「何を言ってる!?ユリアンナ嬢とミリカの計画?あの2人が犬猿の仲なのは周知の事実だろう!」
怒りを滲ませたジャックも胸ぐらを掴む勢いで詰め寄ってくる。
「ですから、俺には全てを明かす用意があると言っているでしょう?文句はそれを見てから言ってくれませんか?」
オズワルドはそう言うと、懐から四角い箱を取り出す。
「……これは出来事を録画できる魔道具です。俺は過去3年間、ユリアンナ嬢とミリカ嬢の間に起こった出来事を全てこれに記録しています」
オズワルドが四角い箱をテーブルの上に置き、その上に手を翳して何やら呪文を唱えると、ホログラムのように映像が立ち上がる。
「……これは3年前。俺たちが入学式を迎えた日の映像です」
次に流れ出した映像に、一同は言葉を失った。
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「ですから、わたくしは貴女の殺害計画以外の妨害イベントに協力いたします。貴女には、もし何らかの強制力が働いてわたくしに処刑が言い渡されたとしても、処刑が回避されるよう殿下に嘆願していただきたいのです」
「……いいよ!私も、同じ転生者が処刑されるところなんて見たくないし……。その取引、乗った!」
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その映像には2人が約束したことの内容、そして最後には笑顔で手を握り合う姿が映っていた。
「……テンセイシャ?他にもよく分からない言葉がたくさん出てきたな」
映像を見ていたモーガンが唸る。
「こんな映像、出鱈目だ!」
突然サイラスが大声を上げる。
「なぜ、そう思うんだ?」
「なぜならば、入学式の時点ではこんな未来を迎えることなど誰も知らなかったはずだ!それなのに、なぜ映像の2人は未来を知っている?それは、これが捏造された映像だからだ!」
「……そう思うのであれば、映像の続きを見て欲しい」
オズワルドは再び魔道具を起動して録画した映像を映し出す。
そこには、2人が嫌がらせの内容について事細かに相談している様子、イベントの後に経過を報告し合う様子など、3年間に起きた様々なイベントの舞台裏がありありと記録されていた。
#####
「解決策?」
「そう。それにはユリアンナの協力が必要なの!」
「私が何をすれば良いの?」
「………『ミリカ・ローウェン暗殺事件』を起こして欲しいの」
「それはやらないって最初に約束したでしょう?」
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ミリカの暗殺未遂事件についての話し合いの映像が流れる頃には、先ほどまであれだけ憤っていたサイラスは頭を抱えてしまい、ジャックやアーベルはひたすらに信じられないものを見る目で呆然と映像を眺めていた。
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