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第三章
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しおりを挟む「あら。庶民の娘がはしたなく走っているわ。はしたない。淑女は優雅に歩くべきですわ。走るなんて言語道断です。これだから庶民は・・・。」
「あら。今日もお弁当なの?なぁに?その色合い。まるでなっていないじゃないの。そうねぇ、庶民だものねぇ。料理人も雇えないからそうなってしまいますよねぇ。まったく、これだから庶民は・・・。」
「まあまあまあ!制服の裾にシミができていてよ?制服の一枚もちゃんとに洗濯できないなんて。これだから庶民は・・・。」
ことあるごとに、私はアンナ嬢の欠点を見つけては指摘するようにした。
ふっ。これで、私がアンナ嬢をいじめていることになるわね。
気になるのは、私が言う度にアンナ嬢が微妙そうな顔をすること。
なぜかしら?
まあ、いっか。
と思っていたらアンナ嬢から屋上に呼び出された。
「なんですの?」
「お小言ばかりでまったくいじめになっていないわよ。いじめっていうのはね、もっとこう陰険で陰湿なものなのよ!!」
あら?いじめになっていなかったの?
でも、陰険で陰湿ないじめは私には出来そうにない。どうしてもフリになってしまう。
「アルメディア嬢にいじめは難しいみたいね。ならもうしょうがないじゃない。悪役令嬢になることは諦めたら?」
「それはできないわ!でも・・・どうしたら?」
私がそう言うとアンナ嬢が大きくため息をついた。
「上履きを隠したりとか。教科書を隠したりとか・・・。」
「そんなのだめよ!アンナ嬢が困ってしまうのではないの!」
アンナ嬢はそう言うが、教科書を隠してしまえば授業が受けづらくなるし、上履きを隠してしまえば裸足で学園を歩かなければならない。
そんなアンナ嬢が困ってしまうようないじめをするなんて・・・。
「いじめなんだから困らせなければならないでしょ。まったく。やるならちゃんとにいじめてよね?」
「あ、うん。ごめんなさい。」
「うん、よろしくね。」
うーん。いじめって難しいね。
それからアンナ嬢の上履きを隠してみた。
すると昇降口で困っているアンナ嬢に、アレキサンドライト様が代わりの上履きを手渡している姿が見えた。
ナイスフォローです。春兄。
教科書を隠したときもアレキサンドライト様が机をくっつけてひとつの教科書を二人で見ていた。
春兄さすがです。
そんな風に私のアンナ嬢へのいじめはすべてアレキサンドライト様がカバーしてくれた。
だから、直接的な被害はアンナ嬢へは今のところない。
そんなちまちまとしたいじめをすること数ヵ月。
決戦の時が来た。
もとい、私が断罪される予定のダンスパーティーが今始まりを迎えた。
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