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「他にはなにかないのかえ?」
「仕事をしたいので何の職業に就くのがお勧めか教えていただけますか?」
「んにゅう?そんなものはないのじゃ。お主は無職ゆえどのような職業にでも就くことはできるじゃろ。いろいろ師事することじゃ。」
「は、はあ・・・。」
どうやら仕事についてはお勧めの職を教えてはくれなかった。
オレならどんな職業にも就ける・・・か。
でも、この世界で何の職についたら一番楽ができるかわからないんだよなぁ。
まあ、無職だから誰かに師事すればその職につくことができるというわけだから、いろんな人に師事してみますか。
「おお。そうじゃったそうじゃった。無職を選んだお主にプレゼントがあるのじゃ。」
「はあ。」
思わず気の抜けた返事をしてしまった。
今更プレゼントと言われましても・・・。
初回プレゼントなら、異世界に転移させる前に渡してくれてもいいだろうに。
でも、女神様であるシラネ様からのプレゼントだ。
どんなものか気にはなる。
この世界で生きていくのに便利なスキルなのだろうか。
「ノエル、来るのじゃ。」
「はぁ~い。」
シラネ様が何もない空間に向かって声をかけると甲高い返事が聞こえてきた。
そうしてシラネ様の頭の上に金色の影が現れ、次第に形になっていく。
「ノエル・・・妾の頭の上に出現するとは良い度胸をしておるのぉ。」
あ・・・。シラネ様の声がワントーン低くなった。
しかも眉間にも皺がよっている。幼女のうちから眉間に皺をよせるのはちょっとどうかと思うんだけど。
「ん-。ノエルはノエルなの~。」
金色のにゃんこはノエルと言うらしい。
可愛らしい金色の耳をぴこぴこと動かしながらシラネ様の頭の上でご満悦に毛繕いをしている。
時折ノエルの金色の長い尻尾がシラネ様の首をてしてしと叩いている。
ぐふっ・・・。可愛い。
オレもあの尻尾でてしてしされたい。
実は日本にいたころもオレは猫が大好きだったんだ。
だけれども猫は飼ってはいなかった。
飼うだけの余裕がなかったからだ。
長時間家を仕事で留守にするオレには猫なんて飼えなかったのだ。
ご飯だってあげなければいけないし、トイレの世話だってある。
それに一年に一回のワクチン接種や健康診断も必要だ。
だが、オレは仕事に忙殺されていた。
土日だって仕事だし平日だって終電まで仕事だ。
そんなオレが猫を飼ったってまともに世話もできない。
そう思って猫を飼うことを諦めていたのだ。
「さて、ノエル。今日からお主がこの男の世話をするのじゃ。」
猫を飼いたかったと思っていたら、シラネ様が可愛いノエルにオレの世話をするように命じていた。
「仕事をしたいので何の職業に就くのがお勧めか教えていただけますか?」
「んにゅう?そんなものはないのじゃ。お主は無職ゆえどのような職業にでも就くことはできるじゃろ。いろいろ師事することじゃ。」
「は、はあ・・・。」
どうやら仕事についてはお勧めの職を教えてはくれなかった。
オレならどんな職業にも就ける・・・か。
でも、この世界で何の職についたら一番楽ができるかわからないんだよなぁ。
まあ、無職だから誰かに師事すればその職につくことができるというわけだから、いろんな人に師事してみますか。
「おお。そうじゃったそうじゃった。無職を選んだお主にプレゼントがあるのじゃ。」
「はあ。」
思わず気の抜けた返事をしてしまった。
今更プレゼントと言われましても・・・。
初回プレゼントなら、異世界に転移させる前に渡してくれてもいいだろうに。
でも、女神様であるシラネ様からのプレゼントだ。
どんなものか気にはなる。
この世界で生きていくのに便利なスキルなのだろうか。
「ノエル、来るのじゃ。」
「はぁ~い。」
シラネ様が何もない空間に向かって声をかけると甲高い返事が聞こえてきた。
そうしてシラネ様の頭の上に金色の影が現れ、次第に形になっていく。
「ノエル・・・妾の頭の上に出現するとは良い度胸をしておるのぉ。」
あ・・・。シラネ様の声がワントーン低くなった。
しかも眉間にも皺がよっている。幼女のうちから眉間に皺をよせるのはちょっとどうかと思うんだけど。
「ん-。ノエルはノエルなの~。」
金色のにゃんこはノエルと言うらしい。
可愛らしい金色の耳をぴこぴこと動かしながらシラネ様の頭の上でご満悦に毛繕いをしている。
時折ノエルの金色の長い尻尾がシラネ様の首をてしてしと叩いている。
ぐふっ・・・。可愛い。
オレもあの尻尾でてしてしされたい。
実は日本にいたころもオレは猫が大好きだったんだ。
だけれども猫は飼ってはいなかった。
飼うだけの余裕がなかったからだ。
長時間家を仕事で留守にするオレには猫なんて飼えなかったのだ。
ご飯だってあげなければいけないし、トイレの世話だってある。
それに一年に一回のワクチン接種や健康診断も必要だ。
だが、オレは仕事に忙殺されていた。
土日だって仕事だし平日だって終電まで仕事だ。
そんなオレが猫を飼ったってまともに世話もできない。
そう思って猫を飼うことを諦めていたのだ。
「さて、ノエル。今日からお主がこの男の世話をするのじゃ。」
猫を飼いたかったと思っていたら、シラネ様が可愛いノエルにオレの世話をするように命じていた。
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