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本編
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しおりを挟む何かが破裂した音とともに生暖かい液体が顔にピシャリッとかかった。
「やっ・・・。」
なんだろうと思い、顔に手を当て液体を拭う。
ぬるっとした液体が手についた。
「・・・血ね。」
アクアさんが小さく呟いた。
私も手を見ると、赤黒い液体が手についていた。
プーちゃんの血液だろうか。
やっぱり、プーちゃんは邪竜に負けてしまったのだろうか。
だんだんと目の前にある手がぼやけてくる。
「泣かないでエメロードちゃん。大丈夫だよ。プーちゃんは生きているから。」
どうやら私は気づかないうちに泣いていたようだ。
アクアさんが優しく肩を抱いて慰めてくれるのがわかって、顔を上げた。
「ほら、見てごらん。プーちゃんがこっちに戻ってくるよ。死んだのは邪竜よ。」
「えっ?」
アクアさんが指し示す方向を濡れた瞳で見つめれば、わずかにプーちゃんらしき白く細長い影が見えた。
それは、少しずつこちらに近づいてくる。
「・・・すごいな。」
「あたりまえじゃ。」
「え?」
メリードット先生がポツリと溢した言葉に、いち早く反応したのは精霊王だった。
どうやら邪竜が倒されたことで戻ってきたらしい。
アクアさんの肩にちょこんと座っていた。
アクアさんと精霊王。並んでみるとぱっつんとした前髪が印象的で姉妹にも見えそうだ。
「我が母よ。見たか?邪竜など一瞬で倒せるのだ。ほめてくれ。」
「えっ。あ、ああ。プーちゃんすごいね。邪竜を一瞬で倒してしまうだなんて。」
プーちゃんは頭を撫でて欲しそうに、こちらに頭を近づけてくる。
正直爬虫類は触りたくないのだが、邪竜を倒してくれたんだし・・・。と、思い切ってプーちゃんの頭を撫でてみた。
するとプーちゃんは気持ちがいいのか、目を細めて手のひらにもっとと頭を摺り寄せてきた。
見た目気持ち悪いけど、ちょっと可愛いかも。
「さてと、あそこで寝ている者たちあのままでいいのかえ?」
「あっ!そうだった。」
精霊王に言われてトリードット先生とジェリードット先生のことを思い出した。
未だに倒れているトリードット先生とジェリードット先生。
二人は無事なのだろうか。
私たちは慌てて二人のもとにかけよった。
幸い生きているようで呼吸はしていた。
ただ、身体の状態がよくわからない。
ジェリードット先生の意識があれば、すぐにでも身体の状態がわかるのに。
「ほぉ。妾が見るところによると二人とも危険な状態じゃ。内臓が損傷しておるのぉ。早う治療した方がよいぞ。」
治癒魔法を使える人は限られているし、どうしようかと思っていると精霊王が二人の状態をいち早く診てくれたようだ。
しかし、内臓が損傷しているとなると治癒魔法が使える人でないと治せない。
しかも内臓損傷は高度な魔法なので使える人がほぼいない。
この王都ではジェリードット先生と王宮お抱えの治癒術師のみだ。
「・・・先生。」
「なにを泣きそうな顔をしておるのだ?すぐに治せばいいではないか。」
この状態の先生たちを王宮に連れていくのは難しいので王宮お抱えの治癒術師を連れてきた方が最良だろう。
しかし、王宮まで言って帰ってくるとなるとどんなに急いでも半日はかかる。
どうしたものかと悩んでいると、プーちゃんが軽くそう言ってきた。
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